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2024年2月26日 (月)

2月26日 名曲100選 協奏曲篇・26 ピアノ協奏曲第4番(ベートーヴェン)

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調op.58は1805年から1806年にかけて作曲されました。
従来の協奏曲ではオーケストラは独奏楽器の伴奏に重きが置かれていましたが、この曲ではピアノとオーケストラの対話のような曲作りも取り入れています。そのため、当時はまだ音量の小さかったピアノのために第1楽章ではトランペットとティンパニ無し、第2楽章は弦楽合奏のみとオーケストラの音量を制限したつくりになっています。
第1楽章 Allegro moderato  協奏的ソナタ形式。冒頭にピアノがいきなり主題を演奏して始まります。第3番のピアノ協奏曲では従来の協奏曲のようにオーケストラが第1主題、第2主題を提示した後111小節目になってようやくピアノが出て来る形なのでまるっきり異なる形になっています。続く第5番ではオーケストラの和音の強奏の後、2小節目からピアノのカデンツァが出るという具合に、それぞれの曲に工夫が凝らされています。
第2楽章 Andante con moto 自由な形式。前述のように弦楽合奏とピアノだけの楽章。しかも弦は低音のユニゾンという風変わりな楽章です。
第3楽章 Rondo vivace  ロンド形式。第2楽章とは打って変わって軽快な音楽で始まる楽章。
1回だけ演奏したことがありますが、見た目と違って結構難しい曲でした。

2024年2月25日 (日)

2月25日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・25 前奏曲と愛の死

ワーグナーの楽劇「トリズタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲と楽劇の最後の曲でイゾルデのアリアである「愛の死」を声楽を省いて繋げて演奏する曲です。
「トリスタンとイゾルデ」は中世ケルトの説話を元にワーグナー自身が台本を書いて作曲した楽劇です。
コーンウォールのマルケ王に嫁ぐアイルランドの王女イゾルデを迎えに行った船の舵取りでマルケ王の甥トリスタンはイゾルデの元婚約者を殺した仇で、侍女ブランゲーネに毒薬を用意するように命じます。トリスタンは毒薬の入った杯を飲み、イゾルデも自分も死ぬつもりで飲むが、実はその薬はブランゲーネが媚薬とすり替えたもので、ふたりはたちまち恋に落ちてしまいます。
不実を犯したトリスタンをマルケ王の従臣に襲われ瀕死の重傷を負いイゾルデの腕の中で息を引き取り、イゾルデも遺骸の上に崩れ落ちてしまいます。という内容。
前奏曲は、作品の主要動機がいくつか紹介されていきます。始まってすぐに出て来るFB♭D#G#の和音がトリスタン和音と呼ばれるもので、劇中のあちらこちらで現れてきます。それに続いてチェロによって優しいメロディ「眼差しの動機」が奏でられ、その後も様々な動機が登場してオペラではそのまま第1幕へと入っていきますが、演奏会用の「前奏曲と愛の死」ではチェロとコントラバスの斉奏及び2発のピッチカートの後「イゾルデの愛の死」が始まります。オペラでは最後にイゾルデが死んでしまうかどうか明白にされていないため演出によって異なりますが、最後に登場する愛の死のメロディはワーグナーの音楽の中でも最も劇的なもののひとつでしょう。

2024年2月24日 (土)

2月24日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・25 Shall We ダンス?

「Shall we ダンス?」は1996年に公開されたロマンティック・コメディドラマ映画です。
監督・脚本 周防正行、主演 役所広司、その他草刈民代、原日出子、竹中直人、田口浩正などが出演しています。
社交ダンス教室を舞台にしたドラマで日本アカデミー賞独占をはじめ数々の映画賞を受賞、海外でも高い評価を受け、特にアメリカでは200万人の動員で当時のアニメ映画を除くアメリカでの日本映画の興行収入記録を作りました。また、2004年にはリチャード・ギア、ジェニファー・ロペスらが出演した「Shall We Dance?」がリメイクされました。
音楽は周防監督の従兄周防義和が担当。主題歌は、ミュージカル「王様と私」の「Shall we dance?」を大貫妙子がカバーしたものでした。
日本アカデミー賞では当時の外国作品映画賞以外13部門すべてを受賞しており、これは今でも破られていない記録です。
最優秀作品賞他、主な受賞者は監督賞、脚本賞 周防正行、主演男優賞 役所広司、主演女優賞 草刈民代、助演男優賞 竹中直人、助演女優賞 渡辺えり子となっています。

2024年2月23日 (金)

2月23日 名曲100選 器楽曲篇・25 楽興の時

シューベルトの楽興の時D780は、1823年から28年にかけて作曲された6曲のピアノ曲集です。全曲演奏で30分程です。
第1番ハ長調 Moderato 4分の3 三部形式  装飾音を多く使った変化のある曲調と両手で三連符を弾く静かな中間部からなる
第2番変イ長調 Andantino  8分の6拍子 ロンド形式  シチリアーノのリズムを基本とした穏やかな主部に短調のパートが2度挿入されます。2度目はかなり激情的な音楽になっています。
第3番へ短調 Allegro Moderato  4分の2拍子 三部形式 最も有名な曲でNHKラジオの「音楽の泉」の主題曲として使われるなど、様々なところで使われています。
第4番嬰ハ短調 Moderato  4分の2拍子 三部形式 単調な伴奏で無窮動風の旋律が奏でられます。中間部は伸びやかになっています。
第5番へ短調 Allegro vivace  4分の2拍子 三部形式  行進曲風の主題。転調が多い曲です。
第6番変イ長調 Allegretto  4分の3拍子 三部形式 間奏曲風の音楽。非常に遅いテンポで演奏する事を好むピアニストもいます。

2024年2月22日 (木)

2月22日 名曲100選 海外のポップス篇・25 恋にノータッチ

「恋にノータッチ」(Never Gonna Fall in Love Again)はエリック・カルメンが1976年にリリースした曲でBillboard Hot100で第11位を記録した曲です。
エリック・カルメンは1971年からラズベリーズを結成して数々のヒット曲を出し、1974年解散後ソロ活動を開始し1976年に3曲目のシングルとして発売したのが「恋にノータッチ」でした。
クラシック音楽を学んでいたエリック・カルメンが好きだった作曲家ラフマニノフの交響曲第2番の第3楽章の第1主題のメロディをサビの部分に引用しています。デビューシングルの「オール・バイ・マイセルフ」でもラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を引用していますので、本当にラフマニノフが好きだったのでしょうね。おまけで引用されたラフマニノフの交響曲第2番の第3楽章冒頭部分を「恋にノータッチ」の下に張り付けておきます。

 

2024年2月21日 (水)

2月21日 名曲100選 声楽曲篇・25 マタイ受難曲

宗教曲の最高傑作のひとつと言われるJ.S.バッハの「マタイ受難曲」BWV244は1727年4月にライプツィヒの聖トーマス教会で初演されました。
新約聖書の「マタイによる福音書」26,27章のキリストの受難を出し材にした、聖句、伴奏つきのレチタティーヴォ、アリアとコラールによって構成された作品です。
バッハの死後、長らく忘れられていましたが、1829年にメンデルスゾーンが復活上演を行い、この曲の再評価と同時にバッハの再評価につながりました。
原譜の楽器編成は、フラウト・トラヴェルソ2本、オーボエ2本(1本はオーボエ・ダモーレ持ち替え)、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、独奏ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガンと通奏低音、以上の編成を2組というもの。第1オーケストラは更にフルートがブロックフレーテ2本、オーボエがオーボエ・ダ・カッチャにも持ち替えます。通奏低音はチェロ、ヴィオローネ(またはコントラバス)、ファゴットが適宜用いられるというもの。
四声部の合唱と独唱です。
曲は大きく二部に別れ第1部29曲はイエスの捕縛まで、第2部39曲は裁判、十字架への磔刑、イエスの死と墓の封印までを扱っています。3時間弱に及ぶ長大な曲です。

2024年2月20日 (火)

2月20日 名曲100選 J-pop、歌謡曲篇・25  別れの朝

ペドロ&カプリシャスは、1971年にペドロ梅村をリーダーとしてメジャー・デビューしたアダルト・コンテンポラリーのバンドです。
初代ボーカルに前野曜子を迎えて発売したデビュー・シングルが「別れの朝」でした。
「別れの朝」はオーストリアの歌手ウド・ユルゲンス(「メルシー・シェリー」でユーロビジョン・コンテストで優勝している)が歌った「夕映えのふたり」(Was Ich Dir Sagen Will =直訳すると「君に伝えたいこと」)のメロディになかにし礼が詞をつけた曲です。原詞は「僕が君に伝えたいことはピアノが伝えてくれる」という内容ですが、「別れの朝」は恋人との別れの朝を迎えた女性のせつない心情を歌った曲になっています。
前野曜子は宝塚歌劇団出身の実力派歌手で1973年にはペドロ&カプリシャスを脱退し半年間の渡米の後帰国し活動していました。1979年には映画「蘇る金狼」の主題歌を歌うなど活動していましたが1988年に40歳で亡くなりました。
前野曜子の歌唱力は本家ウド・ユルゲンスの歌を遥かに凌ぐ出来だと思いますし、実際発売してすぐにオリコンで4週連続1位を記録し大ヒットとなりました。参考に原曲も聞けるようにしました。

 

2024年2月19日 (月)

2月19日 名曲100選 協奏曲篇・25 ヴァイオリン協奏曲第1番(プロコフィエフ)

プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調op.19は、1916年から17年にかけて作曲されています。
1917年11月に予定されていた初演はロシア革命のために延期され1923年にパリで初演されましたが、聴衆の評価は散々だったようです。
ところが、翌年プラハの国際現代音楽祭でシゲティが演奏し各国に紹介する事で評価が高まりました。
第1楽章冒頭はヴァイオリンの美しい動機から始まりますが徐々に歪んで原始的な躍動を見せ始め、プロコフィエフならではのメロディとリズムが織りなすいびつな音楽語法が展開されていきます。最後は冒頭の響きとはまるで異なる宇宙の神秘のような音楽が展開されていきます。
第2楽章はスケルツォで落ち着きのない超絶技巧を必要とする楽章。途中「スル・ポンティチェロ」(駒の近くで弾く)と指定されている部分は悪魔的な音楽を作り出しています。
第3楽章は変奏曲風。弦楽器とファゴットが奏でる不気味な印象の導入に乗ってヴァイオリンが半音階の抒情的な旋律を奏でます。
この曲、基本的には2管編成でトロンボーンは無いのですがチューバがあります。この楽章の中間部でなぜチューバが編成されているのかがわかります。クライマックスを築いた後は、第1楽章の動機が現れ、瞑想的に曲を閉じます。

2024年2月18日 (日)

2月18日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・24 歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲

ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」は1816年に作曲されたオペラ・ブッファです。
原作はフランスの劇作家ボーマルシェで、モーツァルトの「フィガロの結婚」はこの続編となります。
アルマヴィーヴァ伯爵とロジーナは恋仲、ロジーナの財産を狙って妻にしようと企む後見人のバルトロの悪だくみを、理髪師のフィガロの智恵で邪魔され、伯爵とロジーナはめでたく結婚というお話です。
序曲は、この曲のために作曲されたものではなく、「パルミーラのアウレリアーノ」という別のオペラのために作曲したものを転用しています。
なので、オペラの中の旋律は全く出てきません。
また、この序曲が有名なのはロッシーニ・クレッシェンドです。曲の後半から最後に向かって徐々にクレッシェンドしていくのが非常に分かり易い曲です。実際に譜面を見るとクレッシェンドしっぱなしというわけではありませんが、曲の印象がそのように感じられるので、そう名付けられたのでしょう。

2024年2月17日 (土)

2月17日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・24 RAILWAYS

「Railways 49歳で電車の運転士になった男の物語」は2010年公開の映画です。
大手家電メーカーの経営企画室長筒井は取締役の昇進が内定するなど東京で妻子とともに暮らす成功者。ある日故郷の島根に住む母親が倒れ、親しかった会社の同期が自動車事故で亡くなりました。
久々に帰郷した筒井は、家庭を顧みてこなかった人生を振り返り今後の人生について考え、子供の頃の夢だった「一畑電車の運転士になる」ために会社を退職し一畑電車に中途入社し、夢を叶えたというオリジナル脚本のドラマです。
主演は中井貴一、妻を高島礼子、娘を本仮屋ユイカが演じていました。
主題歌は松任谷由実の「ダンスのように抱き寄せたい」。オリコンでは最高位15位となった松任谷由実の40枚目のシングルです。

この映画の成功を受けて、2011年には富山地方鉄道を舞台にした「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たち」、2018年に「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」が製作されました。

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