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2023年3月24日 (金)

3月24日 名曲100選 室内楽曲篇・78 ピアノ三重奏曲第2番(シューベルト)

シューベルトのピアノ三重奏曲第2番変ホ長調op.100,D929は1827年に作曲されました。
この曲はシューベルトの生前に高い評価を得ていた曲で、存命中にオーストリア以外の国から出版された唯一の曲でもありました。
4つの楽章からなる40分程度を要する大作です。
第1楽章 ソナタ形式で、冒頭から力強い主題がユニゾンで演奏されます。第2主題は静かにピアノの囁きで表現されます。
第2楽章 三部形式の緩徐楽章。シューベルトがウィーンで耳にしたスウェーデン民謡「太陽は沈み」に基づくチェロによるロマンティックな主題から始まります。
第3楽章 三部形式のスケルツォ。冒頭からカノンの形式でスケルツォ主題が提示されます。トリオはヴァイオリンとチェロの掛け合いによる力強い曲です。
第4楽章 ロンド・ソナタ形式。軽快な主題で始まります。これまでの楽章の主題も回想され、シューベルトらしい天国的な長さの楽章です。

2023年3月23日 (木)

3月23日 名曲100選 海外のロック篇・78 ロンリー・ハート

「ロンリー・ハート」はイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド イエスが1983年に発売したアルバム「ロンリー・ハート」からシングルカットされた曲でイエスのシングルでは唯一全米1位となった曲です。
イエスは1969年にデビューし2年程度のブランクはありますが現在まで活動している伝説的なロックバンドです。
日本では日産や三洋電機、UCC上島珈琲などのCMでも使われるなどイエスの音楽としては比較的ポップな曲のため大衆に受け入れやすくなっていました。

2023年3月22日 (水)

3月22日 名曲100選 歌劇のアリア篇・78 妙なる調和 

妙なる調和(Recondita armonia)は、プッチーニの歌劇「トスカ」の第1幕でトスカの恋人である画家のカヴァラドッシによって歌われるテノールのアリアです。
教会の壁画を描きながら、恋人の歌姫トスカと壁画のモデルとなっている女性の美しさと調和を讃えながら、一筋の想いはトスカひとりだけと歌う曲です。たいてい壁画の前の高い足場の上で歌います。

「トスカ」全体については、以前「歌に生き、恋に生き」を取り上げた時に書いた、あらすじを引用しておきます。画家カヴァラドッシは脱獄した政治犯アンジェロッティの逃亡を助けたため死刑を宣告されます。歌姫トスカは恋人であるカヴァラドッシを救おうと警視総監スカルピオが提示した「銃殺用の銃に空砲を入れてカヴァラドッシを助けるかわりにトスカに身体を許す」という条件を呑むふりをしてスカルピオを殺害します。翌日処刑は行われますが、スカルピオの交換条件は嘘でカヴァラドッシは息絶えてしまいます。スカルピオを殺した罪で逮捕されるところを逃れたトスカは城の屋上から身を投げます。

2023年3月21日 (火)

3月21日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・78 元気です

「元気です」は吉田拓郎が1980年に発売した20枚目のシングルです。
実は、拓郎は1972年に「元気です。」というアルバムを発売していますが、これとは全く別物。アルバムの「元気です。」には「旅の宿」「夏休み」「たどり着いたらいつも雨降り」などが収録されていますが、「夏休み」は収録されていないので要注意です。
「元気です」は宮崎美子主演のTBS系ポーラテレビ小説「元気です!」の主題歌。4コーラスまでありますが、それぞれ1年目の春、2年目の夏、3年目の秋、4年目の冬という具合に春夏秋冬を織り込んでいます。

2023年3月20日 (月)

3月20日 名曲100選 交響曲篇・78 交響曲第8番(ベートーヴェン)

ベートーヴェンの交響曲第8番ヘ長調op.93は、1812年に作曲され、交響曲第7番と同じ演奏会で初演されました。
この曲は、比較的小規模な、古典的な形式で作曲されていますが、そこここに斬新な響きが用意されています。初演の時は7番に人気が集中したのですがベートーヴェン自身は8番に自信があったようです。
第1楽章は、6番同様序奏が無く、いきなりトゥッティで第1主題が演奏されます。7番がベートーヴェン最長の序奏を持っているのに対して対照的です。第2主題はワルツ調の主題。展開部ではスフォルツァンドやヘミオラを多用してリズムに変化をつけています。
この楽章の再現部では低弦が第1主題を再現するのですが、他の楽器ががfffの大音量なので、楽譜通り演奏すると主題は殆ど聞こえない。この頃には既にベートーヴェンの耳は殆ど聞こえなくなっていたので、もし聞こえていたら何らかの修正をしていたかもしれませんね。
第2楽章は、展開部のないソナタ形式。ベートーヴェンは第8番では緩徐楽章を置かず、実質的なスケルツォを第2楽章に置いています。木管がリズムを刻む中メトロノームを模したとも言われるメロディが弦によって演奏されます。過去はメトロノームを考案したメルツェルに贈ったカノン「親愛なるメルツェル」を転用したと言われていましたが、今では交響曲が先行しており、「親愛なるメルツェル」の弟子のシンドラーの偽作という説が有力になっています。
第3楽章は、メヌエット。ベートーヴェンは第1番の交響曲でもメヌエットを使っていますが、そちらの方は内容的にはスケルツォのため、実質的には交響曲中唯一のメヌエットです。中間部はホルンとクラリネットによってのんびりとした牧歌風な旋律が吹かれますが、その影でチェロのソロが三連符の伴奏を忙しく弾いていて、その対比が面白いです。
第4楽章は自由なロンド形式。コーダのしつこさは第5番に次ぐものです。

 

2023年3月19日 (日)

3月19日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・77 夏の牧歌

「夏の牧歌」は、オネゲルが1920年に作曲した交響詩です。
両親の故郷でもあるベルナー・オーバーラント地方(スイスのベルン州にある高地)の景勝地ヴェンゲンで作曲されたもので、ランボーの詩集「イリュミナシオン」の中の一節「私は夏の曙を抱いた」というフレーズに霊感を得たもので、アルプス地方の朝の清々しい雰囲気を豊かな抒情と精妙なオーケストレーションで描いたいます。
三部形式で主部は静かな音楽、中間部は舞曲風の動きのあるメロディになっています。
編成は、1管編成(木管各1本とホルン1本)と弦5部という小さな編成です。

2023年3月18日 (土)

3月18日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・77 カヴァティーナ

カヴァティーナは、1978年公開の「ディア・ハンター」の主題曲です。
「ディア・ハンター」は、3人の繊細で勇敢なロシア系移民が主人公で、ロバート・デ・ニーロ、クリスファー・ウォーケン、ジョン・サベージが演じていました。彼らは休日になると鹿狩りに行くのを楽しみにしている程度の平凡な若者でしたが、ベトナム戦争に徴兵され戦争の闇に飲み込まれていく姿を描いた作品です。
監督はマイケル・チミノ、音楽はスタンリー・マイヤーズ。
「カヴァティーナ」はクラシック音楽では本来反復等の無い素朴な旋律を持つ短い歌曲を指すイタリア語。オペラなどでも素朴な歌謡的な曲を指す言葉で器楽曲にも転用されている言葉です。
「ディア・ハンター」の「カヴァティーナ」は、ジョン・ウィリアムズ(スター・ウォーズなどの作曲家と同名の別人の有名なギタリスト)の演奏による美しい曲で、映画の内容とのギャップがとっても大きい曲です。

2023年3月17日 (金)

3月17日 名曲100選 室内楽曲篇・77 コキリコによる変奏曲

「コキリコによる変奏曲」は日本の作曲家野田暉行が作曲したリコーダーとギターのための曲です。
「こきりこ節」は、富山県の五箇山地方に伝わる古謡で、七寸五分(約23㎝)に切った竹2本を指で回し打ち鳴らしながら歌う音楽です。
リコーダー以外にもフルートなどでも演奏される素朴な変奏曲です。

2023年3月16日 (木)

3月16日 名曲100選 海外のロック篇・77 展覧会の絵(EL&P)

エマーソン・レイク・アンド・パーマーは、キーボード奏者のキース・エマーソン、ギタリストのグレッグ・レイク、ドラムスのカール・パーマーによって1970年に結成されたスーパー・グループです。
「展覧会の絵」は、ムソルグスキーの同名のピアノ曲をアレンジして1971年3月にライブ録音されましたが、当時スタジオ・アルバムの録音が進行していたためリリースが見送られました。ところがこのライブ録音が海賊版として出回るようになってしまったため、アンコールで演奏されたチャイコフスキーのくるみ割り人形の中の行進曲をアレンジした「ナット・ロッカー」を収録して同年11月に正規版を発表したわけです。
ムソルグスキーの原曲はムソルグスキーの友人であった画家のハルトマンの遺作展で鑑賞した10点から得た印象と「死せる言葉による死者への呼びかけ」及び展覧会場を歩き回る「プロムナード」5曲の合計16曲からなる組曲です。
EL&P版ではプロムナード3曲と作品の内「こびと」と「賢人(原曲はビドロ)、古い城、オリジナルのブルース・ヴァリエーション、オリジナルのバーバ・ヤーガの呪いを挟んだ「バーバ・ヤーガの小屋」「キエフの大門」合計11曲になっています。
当時は、まだシンセサイザーも現在ほど機能的では無かった中、これだけの音楽を3人で演奏してしまうという技術とアイデアには感服しました。

2023年3月15日 (水)

3月15日 名曲100選 歌劇のアリア篇・77 ジプシーの歌(カルメン)

「ジプシーの歌 『鈴が打ち鳴らされれば』」(Chanson bohème)は、ビゼーの歌劇「カルメン」の第2幕でカルメンとその仲間たちによって歌われる曲です。
第2幕は、第1幕でカルメンの色香に惑わされカルメンを逃がしてしまったドン・ホセがカルメンたちの密輸業者の仲間になってしまう経緯が描かれています。
舞台はセヴィリアの町外れにある酒場。「アルカラの竜騎兵」と題される間奏曲の後、カルメンが仲間たちと踊り歌うのが「ジプシーの歌」です。
演奏会で演奏されるフリッツ・ホフマンの編曲した組曲版では第2組曲の最後に演奏される非常に盛り上がる曲です。
2本のフルートで始まり、カルメンが歌いやがて、一緒に歌う人も増えて来るといった具合に徐々にクレッシェンドしていくと共にテンポも上がっていくという、ビゼーが「アルルの女」のファランドールなどでも使った最高潮のまま曲を終える手法が使われています。これはビゼーが尊敬していたロッシーニが良く使う手法(ロッシーニ・クレッシェンドとも言われています)を真似たものなのでしょうか。

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