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2025年5月14日 (水)

5月14日 名曲100選 声楽曲篇・89 山に祈る

合唱組曲「山に祈る」は1960年に清水脩が作曲した男声合唱組曲です。後に混声合唱へも編曲されています。
昭和34年秋、長野県警察本部が山での遭難事故の頻発に業を煮やし、遭難者の遺族たちの手記を集めた「山に祈る」という小冊子を発行して遭難防止を訴えました。
ダークダックスが、その巻頭に掲載された上智大学山岳部の飯塚揚一氏の遭難を、彼の残した日誌と彼の母親の手記によって合唱組曲を作る企画を立て、作詞作曲を清水脩に依頼して出来上がったのが合唱組曲「山に祈る」でした。元々は小管弦楽の伴奏ですが、ピアノ伴奏版もあります。
昭和33年3月、北アルプス登山を目指して先発隊を2人の部員が追いかけました。飯塚さんの同行者は前泊の燕山荘で体調を崩し登山を断念し、飯塚さんは単独で合流地点へ向かいますが、天候が急変し遭難、凍死してしまいました。
この事実を基に、若干の脚色を交えて作られた曲です。曲と曲の間には一部母親の朗読という形でモノローグが入ります。
アルプホルン風の短い前奏の後
第1曲 「山の歌」 山への憧れや登山の楽しみを歌った曲
第2曲「リュックサック」 重たいけれど頼りになるリュックサックへの想いを歌った曲
第3曲 「山小屋の夜」 山小屋から空を見上げる感傷的な曲です
第4曲 「山を憶う」 なぜ山に登るのか、なえ山を憶うのかを通して山の厳しさを歌った激しい曲です
第5曲 「吹雪の歌」 激しい吹雪を表現した強烈な曲です。
第6曲 「お母さんごめんなさい」 死を目前にした手記。実際の手記の最後の一節「山でうぬぼれず、つねに自重する事」の朗読を挟んで「お母さん、ごめんなさい」で曲を閉じます。

2025年5月13日 (火)

5月13日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・89 ジョニィへの伝言 

「ジョニィへの伝言」は、1973年にリリースされたペドロ&カプリシャス4番目のシングル曲です。
ペドロ&カプリシャスのボーカルが高橋真梨子(当時高橋まり)に変わって最初の作品です。
当初はあまり売れず、オリコンチャートも最高位24位どまりですが、42週間100位以内にチャートインするロングヒットとなりました。
作詞は阿久悠、作曲は都倉俊一。
態度のはっきりしない恋人を待ちくたびれて愛想尽かしをして町を出て行く踊り子の女の子の心情を歌ったもので、友人に自分の気持ちの伝言をお願いするという内容の曲。別れの曲ですが、前のヒット曲「別れの朝」の悲しい別れと違って、前を向いて出て行く様子が明るく歌われています。

2025年5月12日 (月)

5月12日 名曲100選 協奏曲篇・89 神聖な舞曲と世俗的な舞曲

「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」はドビュッシーが1904年に作曲したハープ独奏と弦楽合奏のための協奏的作品です。
この曲は、プレイエル社が開発した半音階ハープのために作曲されました。従来のハープが全音階に調律され半音階はペダル操作を必要としたのに対し弦の数を増やして半音階の演奏をしやすくしようと開発されたものですが、結局この楽器は普及せず、エラール社の開発したダブル・アクション方式のペダル・ハープが現在のハープの原型となりました。
発明当時は半音階ハープは注目を集め、プレイエル社は普及のためドビュッシーに作曲を依頼して完成したものです。現在は勿論ペダル・ハープで演奏されます。
緩やかな神聖な舞曲とテンポの速い世俗的な舞曲が続けて演奏されます。

2025年5月11日 (日)

5月11日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・88 友人フリッツ間奏曲

歌劇「友人フリッツ」はマスカーニが1891年に作曲した3幕のオペラです。
有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」に比べると遥かに知名度も低く上演回数も少ない作品ですが、いくつかのアリアや間奏曲は単独で演奏される曲になっています。
悲劇的な結末となる「カヴァレリア・ルスティカーナ」とは内容も作風も異なり、主人公である頑固な独身主義者の農場主フリッツと農場の管理人の娘スゼルが司祭や友人たちの策略や協力でめでたく結婚するという話です。
間奏曲は第2幕と第3幕の間の音楽で、オペラの内容よりも重厚な音楽です。そういえば、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲はあの悲劇的で暗い内容の歌劇のものとは思えない美しい音楽で、この人こういう捻りをするのが好きだったのでしょうか。

2025年5月 9日 (金)

5月9日 名曲100選 器楽曲篇・88 舞踏への勧誘

「舞踏への勧誘」変ニ長調op.65は、1819年にウェーバーが作曲したピアノ曲です。
ベルリオーズが編曲したオーケストラ版が有名ですが、原曲はピアノ独奏のための曲です。
曲は、大きく2つの部分に分かれています。
最初に登場するModeratoの部分は、男性が女性を舞踏へと誘う部分。低音のメロディは男性が誘い、高音のメロディは女性がそれに答えるというもの。これは最後に、別れを名残惜しんでお辞儀をして別れるというストーリーで登場します。
真ん中のAllegro vivace は、華やかなワルツ。いくつかのワルツのメロディが次々と流れて行きます。

2025年5月 8日 (木)

5月8日 名曲100選 海外のポップス篇・88 あなたしか見えない

「あなたしか見えない」(Don't  Cry Out Loud)は1978年にリリースされたメリサ・メンチェスターのヒット曲です。
元々は、ピーター・アレンとキャロル・ベイヤー・セイガーが1976年に作ってザ・モーメンツがリリースした曲。その時は全米チャートで79位までしか上がりませんでしたが、メリサ・マンチェスターが歌って全米10位のヒットになりました。
その後1979年にリタ・クーリッジが歌って東京音楽祭でグランプリを受賞し、多くのカバー曲が生まれています。
日本では当初は「悲しみは心に秘めて」というタイトルでしたが、リタ・クーリッジや伊東ゆかりのカバーが「あなたしか見えない」のタイトルでヒットしたため変更されました。


2025年5月 7日 (水)

5月7日 名曲100選 声楽曲篇・88 野ばら(シューベルト)

「野ばら」はゲーテの詩にシューベルトやウェルナー、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどが曲をつけた歌曲です。
中でも日本ではシューベルトとウェルナーの曲が有名。近藤朔風によって訳詞がつけられ音楽の教科書にも掲載され広く知られるようになりました。
シューベルトの「野ばら」は初期の傑作と言われる軽快な作品。ウェルナーの「野ばら」は流麗なメロディの作品という対照的な曲になっています。ウェルナーの「野ばら」はこちら

 

2025年5月 6日 (火)

5月6日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・88 真夜中のギター

「真夜中のギター」は1969年に発売された千賀かほるのデビューシングル。フォークソングの名曲として多くの歌手にカバーされています。
作詞は吉岡治、作曲は河村利夫。オリコン最高位4位のヒットとなり、千賀かほるは、この曲で日本レコード大賞の新人賞を受賞しました。
失恋ソングなのですが、悲壮感は無く、こういうときは孤独で辛いものだから黙って夜明けまでギターを弾こうよ、という歌です。
この頃は、猫も杓子もギターを爪弾く時代だったので、こういう曲が出来たのでしょう。

2025年5月 5日 (月)

5月5日 名曲100選 協奏曲篇・88 トランペット協奏曲(フンメル)

フンメルのトランペット協奏曲ホ長調は1803年に作曲されました。
ウィーンのトランペットのヴィルトゥオーゾで有鍵トランペットの発明者アントン・ヴァイディンガーのために作曲したもの。フンメルはこの翌年に、ハイドンの後任でエステルハージ宮廷楽団の楽長に就任しています。
現在の変ロ長調のトランペットで演奏しやすいように、半音下げた変ホ長調で演奏される機会が多くなっています。
古典派のトランペット協奏曲としては、ハイドンの協奏曲と並ぶ名曲とされています。

2025年5月 4日 (日)

5月4日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・87 魔の炎の音楽

「魔の炎の音楽」は、ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」の第3幕第3場で演奏される曲です。
「ワルキューレ」は「ニーベルンクの指環」の2作目(第1夜)の楽劇です。
ヴォータンに、ジークムントに死をもたらすように命ぜられたワルキューレのブリュンヒルデは、ジークムントとジークリンデの兄妹愛に心打たれ、ジークムントを救おうとしますがジークムントは殺されてしまいます。命に背いたブリュンヒルデは、自分への罰としてヴォータンに「自分の周りに火を放ち臆病者を近づけないようにしてほしい」と嘆願し、岩山に横たえたブリュンヒルデの周りに火を放つ場面の音楽が「魔の炎の音楽」です。

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