7月7日 名曲100選 室内楽曲篇・93 ピアノ三重奏曲(ラヴェル)
ラヴェルのピアノ三重奏曲イ短調は1914年に作曲されました。
ラヴェルはピアノ三重奏という曲が作曲上非常に難しいジャンルであるという認識を持っていたようです。ピアノと弦楽器の音色の調和、3つの楽器のバランス、特にチェロを聴き取りやすくする事に腐心したようです。
結局ラヴェルは管弦楽的な書法を持ち込んで対処しました。
古典的な4楽章の形式を踏襲していますが独創性を忘れずに発揮しています。
第1楽章はバスク地方のソルツィーコという舞曲を模したものです。8分の8拍子ですが、それぞれの小節は3+2+3というリズムパターンに分割されています
第2楽章はパントゥムという四行連詩の形式を再現しています。
第3楽章はパッサカリア。
第4楽章は4分の5拍子や4分の7拍子が交互に現れる変則的な拍子を使った華麗なコーダを持つ終楽章です。