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2023年2月11日 (土)

2月11日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・73 史上最大の作戦マーチ

「史上最大の作戦」(The Longest Day)は1962年に公開された映画です。
第二次世界大戦における連合国のノルマンディー上陸作戦を描いた映画で、オールスター・キャストの豪華な作品でした。
監督はケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートン。
出演者は、ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ、リチャード・バートン、クルト・ユルゲンス、ロバート・ワーグナー、ポール・アンカ、メフ・ファーラー、ロッド・スタイガー、ショーン・コネリー、クルト・ユルゲンスなど。
この作戦の成功は、ナチス・ドイツの第二次大戦敗北に拍車をかける事となりました。
音楽担当は、アラビアのロレンスなどを担当したモーリス・ジャールでしたが、主題歌の史上最大の作戦マーチは、出演者のひとりポール・アンカが撮影中に作詞作曲をしてミッチー・ミラーの楽団と合唱団が演奏した曲で、映画音楽の代表作のひとつともなっています。

2022年2月27日 (日)

2月27日 名曲100選 管弦楽曲篇・23 交響詩「海」

ドビュッシーが1905年に作曲した交響詩「海」。正式な曲名は「海」管弦楽のための3つの交響的素描です。
ドビュッシーは楽譜を出版する際に、表紙のデザインに葛飾北斎の「富嶽三十六景」のひとつ「神奈川沖浪裏」の左半分を指定しましたが、具体的にこの海を描写したというわけでは無いようです。
正式題名のとおり3つの楽章から出来ていて、それぞれの楽章に標題がつけられています。
第1楽章 会場の夜明けから真昼まで、第2楽章 波の戯れ、第3楽章 風と海の対話です。
ドビュッシーの管弦楽曲の中では、最もドラマチックな曲でありドビュッシー得意の色彩感と相まって高い人気を得た要因になっています。

2021年12月10日 (金)

12月10日 名曲100選 室内楽篇・14 弦楽四重奏曲第1番 アイヴズ

アメリカ現代音楽のパイオニア的存在チャールズ・アイヴズがエール大学在学中に作曲した作品のひとつが弦楽四重奏曲第1番です。
アイヴズというと、様々なアメリカの曲を引用したり不必要なほど不協和音を使ったり実験的な作品を多く残した作曲家ですが、さすがにまだ大学2年だったアイヴズは大胆な不協和音を使うことはありませんでしたが、引用は行っています。
この曲は、賛美歌が多く引用された曲です。
第1楽章冒頭から「Missionary  hymm(北のはてなる)」という賛美歌の旋律がフーガ風に扱われる美しい楽章です。
第2楽章は「Beulah Land」という賛美歌をアレンジしています。
第3楽章は「Nettleton」という賛美歌をベースとし、第4楽章は「Coronation」「Stand up for Jesus」を用いています。しかも最後はアーメン終止(一旦主和音で終止した後、四度の和音から主和音という「アーメン」を付け加えるような形の終止形)を使っています。
この第1番から17年後に完成した第2番の弦楽四重奏曲は不協和音の嵐ですし、引用もアメリカ音楽「コロンビア・大洋の宝」だったりベートーヴェンの第九だったりチャイコフスキーの悲愴だったりとアメリカとヨーロッパの芸術の討論という賑やかな曲なので、同じ作曲家とは思えない変化が見られます。

 

2021年5月 7日 (金)

今日の音楽 5月7日 ジークフリート牧歌

2019年1月のパイオニア交響楽団第31回定期演奏会、後半の1曲目はワーグナーのジークフリート牧歌でした。

ワーグナーといえば、歌劇、楽劇の作曲家というイメージで、他に作曲した交響曲などは殆ど演奏される事がありません。オペラ以外の演奏会で演奏されるのは、殆どがオペラの序曲か劇中の管弦楽曲。

そんなワーグナーのオペラ以外の作品の中で最も知られているのが、このジークフリート牧歌でしょう。
ワーグナーの2番目の妻で、フランツ・リストの娘であり、高名な指揮者ハンス・フォン・ビューローから略奪した妻であるコジマ・マーラーの誕生日及びクリスマスのプレゼントとして作曲し、コジマが寝ている最中に寝室脇の曲がり階段にセッティングして、早朝の7時30分から演奏されたのが初演になりました。

フルート、オーボエ、ファゴット各1、クラリネット2、ホルン2、トランペット1、弦五部という小編成の曲で、ジークフリートは、コジマが産んだ息子のジークフリートから取ったものです。

穏やかな主題から始まり、終始静かなアンサンブルの曲。後に楽劇「ジークフリート」へ転用されたメロディも出てきます。素晴らしい曲なのですが20分間の長さなので、ちょっと演奏途中で眠くなるのが玉に瑕。コントラバスは特にホ長調からト長調に転調された13小節でpizzが一発だけ、次の変ホ長調に転調された10小節間でpizzが一発だけ、その後変イ長調に転調された後46小節間でシ♭がひとつだけ、次のハ長調での6小節間とロ長調の16小節間は全休というのが、練習中は眠くなって辛かった。後も変イ長調、ヘ長調、ハ長調、ホ長調、ハ長調、ホ長調と目まぐるしく転調されていきます。実に転調回数は11回。この転調が無ければ、とっても単調な曲として後世に残るような事は無かったかもしれません。

2020年7月20日 (月)

今日の音楽 7月20日 交響曲第6番「田園」

2001年6月にパイオニア交響楽団の第10回定期演奏会が東京芸術劇場で催されました。
第10回という事で、合唱団との共演で「カルミナ・ブラーナ」を演奏、前プロとしてベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68を演奏しました。

ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、交響曲という分野で様々な冒険をしてきたベートーヴェンの最も画期的なチャレンジとなる曲です。完全なる標題音楽であり、各楽章にコメントをつけた描写音楽でもあります。第1楽章で、田園地帯にやってきた清々しい気持ちが描かれ、第2楽章では小川の流れや森の情景、おまけに鳥の鳴いている様子までも描いています。連続して演奏される第3楽章から第5楽章にかけては、村の祭り、突然襲ってきた嵐、そして嵐が去った後の澄んだ空気と喜びが描かれています。

ところが、私は一生この曲を演奏したくなかったのが本音でした。原因のひとつが、清々しい第1楽章、第2楽章と第5楽章がコントラバスは非常につまらない(まあ、ベートーヴェンの曲とは思えないほど簡単)事。もうひとつが、第4楽章の殆どの部分が、嵐を表現する効果音として使われている事。そしてこの効果音がポジション移動が激しくて、指が弦の上で擦れて痛い!事、また終わりの方には五弦ベースでないと(五弦ベースでもアマチュアレベルには)演奏不能の箇所がある事。効果音なので音が多少違っても良いのでしょうか、でも一応譜面には音符が音程をもって書いてあるわけですから、弾けなきゃ悔しいわけで、悔しい思いをしたくないので、演奏したくなかったわけです。

曲は素晴らしい曲ですが。。。でとうとう演奏してしまったわけですが、もう一回演奏したいとは全く思いません。

2017年12月26日 (火)

今日の音楽 12月26日 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード ;Music for today Dec.26 The Long and Winding Road

1960年代に活躍した名プロデューサー フィル・スペクターは1940年12月26日にニューヨークで生まれました。

十代からやっていた音楽活動ではザ・テディ・ベアーズを結成して「会ったとたんに一目惚れ」で全米1位となりましたが、興味が制作に移ったため音楽プロデューサーの活動を始め1961年にフィレス・レコードを設立し1963年にロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」をヒットさせました。早い時期からビートルズと親交がありアルバム「レット・イット・ビー」のプロデュースなどを手がけました。

特に「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」ではオーケストラやコーラスの過剰な多重録音がポール・マッカートニーに不満を持たれたようですが、結局、シンフォニックな作品は今でも強く我々の心に刻み込まれています。

その後は麻薬中毒などで錯乱状態になり第一線から退き、2003年には女優ラナ・クラークソンを射殺した容疑で逮捕され有罪となって刑務所の薬物中毒治療施設に収監されています。

2017年8月 5日 (土)

今日の音楽 8月5日 ケーゲルシュタット・トリオ ;Music for today Aug.5 Kegelstatt Trio

モーツァルトのピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット・トリオ」は1786年8月5日に作曲されました。

ピアノ三重奏曲第2番とも呼ばれる曲です。通常のピアノ三重奏曲はヴァイオリンとチェロとピアノという編成ですが、この曲はピアノとクラリネットとヴィオラという風変わりな編成になっています。これは、この曲が友人のクラリネットの名手シュタットラー(クラリネット五重奏やクラリネット協奏曲なども彼のために作曲された)などと仲間内で演奏するために作曲された為と言われています。
3つの楽章からなる20分程度の曲ですが、モーツァルトが愛したクラリネットという楽器の魅力を余す事無く発揮しています。

2017年3月27日 (月)

今日の音楽 3月27日 歌劇「つばめ」 ;Music for today Mar.27 La Rondine

プッチーニの歌劇「つばめ」は1917年3月27日にモンテカルロで初演されました。

ウィーンから「陽気でしかも感傷的な」オペレッタをという注文で依頼された曲ですが、中途半端なオペラに出来上がった上に第一次大戦が勃発してウィーンとの契約が切れ、モンテカルロで初演される羽目になった作品です。

「つばめ」は海を渡っていってしまうが、元に戻る習性があり、銀行家ルッジューロの二号であるヒロインのマグダが、若いルッジューロに恋をしてしまうが、自らが彼にふさわしくない女性と悟ってルッジューロの元へ戻るというストーリー。特に第1幕でマグダが「私はつばめのように海を渡り、光り輝く夢の国に向かう・・・」と歌うアリア「ドレッタの夢」が有名です。

ドレッタの夢です。

2016年5月31日 (火)

今日の音楽 5月31日 エンドレス・ラヴ; Music for today May31 Endless Love

女優ブルック・シールズは1965年5月31日にニューヨークで生まれました。

子供の頃からモデルとして活躍し1977年に「ALICE、SWEET ALICE」の主役で映画デビュー。「プリティ・ペイビー」で12歳の娼婦役で話題となりました。「青い珊瑚礁」では、第1回ゴールデン・ラズベリー賞の主演女優賞という栄誉?に輝き、「エンドレス・ラヴ」では15歳にして妖艶な女性を演じ第2回ゴールデン・ラズベリー賞にもノミネートされました。

その後は、作品にも恵まれず美人女優という枠を越えることはできませんでした。

「エンドレス・ラヴ」は八百屋お七のようなストーリーですが、主題歌だけは大ヒット。ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーのデュエットで全米ヒットチャートで9週連続トップのヒット曲となりました。

2014年10月 4日 (土)

パイオニア交響楽団第26回定期演奏会・5

ラヴェルのクープランの墓は、当初はピアノ曲として作曲されました。
「クープランの墓」という邦題は、正しい訳では無いようです。「クシコスの郵便馬車」(ネッケ)、「士官候補生」(スーザ)、「女学生」(ワルトトイフェル)などの完全なる誤訳とはちょっと違いますが、音楽史をよく知らない人が訳した邦題のようです。
原題の「 Le Tombeau de Couperin」は確かに辞書どおり翻訳すれば「クープランの墓」に間違いは無いのですが、実はTombeauというのは「トンボー」という形式の曲で18世紀ぐらいまでに作曲された故人を追悼するための器楽曲の形式です。従って、正しくは「クープランを偲んで」というようなタイトルが正解のようです。

クープランの墓は、2重の意味合いを持つ曲です。

1つ目は、クープランの時代(フランス・バロック時代)の音楽へ捧げるオマージュです。
2つ目は、第一次世界大戦で散ったラヴェルの友人たちへ捧げるレクイエムです。

元々のピアノ曲はプレリュード、フーガ、フォルラーヌ、リゴドン、トッカータ、メヌエットの6曲から出来ています。それぞれジャック・シャロル中尉、ジャン・クルッピ少尉、ガブリエル・ドゥリュック中尉、ピエール&パスカルのゴーダン兄弟、ジャン・ドレフュス、ジョゼフ・ドゥ・マルリアーヴ大尉という6組の犠牲者への追憶として作曲されたものです。

ラヴェルは管弦楽に編曲する際に、プレリュードと3つの舞曲の4曲構成としました。これはバロック時代の組曲が舞曲によって構成されていたという事に倣っているようです。

ラヴェルは管弦楽法に優れており、特に色彩感豊かなオーケストレーションをする作曲家として知られていますが、この古典的な形式の曲も彩り豊かに仕上げています。管楽器の音色の違いと楽器ごとの音域による音色の違いを巧みに操っています。また、弦楽器もピチカートやフラジオレット(ハーモニクス)を駆使し音色の変化を生み出しています。

第1曲 「プレリュード」 この曲は16分の12拍子で、古典的な組曲の冒頭に置かれる前奏曲を念頭に作曲されいています。装飾音を多用することでバロック以前の雰囲気を強めています。また、冒頭からのオーボエのメロディはオーボエにとっては難曲中の難曲として知られています。
第2曲 「フォルラーヌ」 北イタリアを起源とする古典的な舞曲。8分の6拍子の曲で複合三部形式でできています。時々拍が変則的になるのが難しいところです。
第3曲「メヌエット」 3拍子の可愛らしい曲・・・なのですが、コントラバスは複雑なハーモニクスがたくさん登場していて、それがとっても難儀な曲です。
第4曲「リゴードン」 4分の2拍子の活発な舞曲で、プロヴァンス地方の舞曲です。中間部は打って変わった酔っ払いの音楽みたいな(失礼)曲です。

ラヴェルの音楽としては編成が小さい曲ですが、そこから生まれる色彩感を味わって頂ければと思います。

ご希望の方には演奏会のチケットを差し上げていますので、是非お越しください。

詳細は、こちらのページです。


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