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2026年1月25日 (日)

パイオニア交響楽団第27回定期演奏会・5

所属している、パイオニア交響楽団の定期演奏会のご案内です。
日時 2026年2月1日(日) 午後2時開演
場所 所沢市民文化センターミューズ アークホール
指揮 高橋俊之
曲目 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
   プロコフィエフ 交響曲第1番「古典交響曲」
   サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」

サン=サーンスの交響曲第3番の第2楽章第1部は、スケルツォです。
8分の6拍子ですが、これも4拍目という中途半端な拍から始まります。とっても弾きづらい楽章です。
弦楽器から始まるスケルツォ主題に循環主題が変形されて続きます。
トリオの部分で交響曲では珍しいピアノが絡んで木管楽器が軽やかにメロディを奏でます。トリオの中間部分では弦楽器が滑らかなメロディを奏でますが、また軽快なメロディに戻り、仮終止に到達します。
その後、スケルツォが再現され、再び中間部の軽快なメロディが始まりますが、今回はこれに第2楽章第2部のメロディが重なり交錯していきます。やがてこのメロディが断片的に勢いを失って行き、突然オルガンが大音量でハ長調の主和音を奏でると、第2部に突入します。
第2部は力強い導入部から入り、4手によるピアノの流れるような響きの中で、弦楽器によって静かに変形された循環主題が奏され、それが弦楽器とオルガンでフォルティッシモになり、金管のファンファーレが高らかに響く中、第2部の主題が登場します。これはいきなりフーガで演奏されていきます。第2主題は木管楽器が田園風のメロディを奏でて行きます。
とにかくこの第2部はめまぐるしく展開が変化していき、コーダは力強く壮麗な響きになり、最後はトランペットのファンファーレやティンパニの連打など華々しく閉じます。



 

 

2026年1月21日 (水)

パイオニア交響楽団第27回定期演奏会・4

所属している、パイオニア交響楽団の定期演奏会のご案内です。
日時 2026年2月1日(日) 午後2時開演
場所 所沢市民文化センターミューズ アークホール
指揮 高橋俊之
曲目 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
   プロコフィエフ 交響曲第1番「古典交響曲」
   サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」

サン=サーンスの交響曲第3番の第1楽章は、通常の交響曲で言えば、ソナタ形式の第1楽章と緩徐楽章の第2楽章にあたる楽章です。
第1楽章第1部は、短い序奏から始まります。Adagioの序奏は、ヴィオラ以上の弦楽器のみで3小節の間にピアニッシモからメゾフォルテ、そしてピアニッシモへ回帰という短いフレーズの後半にオーボエが上行形の短いメロディを吹く4小節間のフレーズで始まります。フェルマータの休止の後、今度はヴァイオリンにクラリネットとファゴットが加わり同様に3小節のフレーズが出てフルートが前回のオーボエのメロディを繰り返します。再度フェルマータの休止があり、チェロとコントラバスのピチカートによるメロディが3小節間あり、いきなりテンポをAllegro moderatoに上げて主部に入ります。このピチカートのメロディは第1主題の合いの手を暗示するものです。

主部はヴィオラ以上の弦楽器が細かい音を刻んで第1主題を提示しますが、これが曲者。8分の6拍子の1拍目の3分の2拍目からスタートするという何とも不安定な刻みなのです。この第1主題はグレゴリオ聖歌の「怒りの日」を意識したものと思われます。
第2主題は比較的穏やかな旋律で最初はコールアングレとファゴットによって提示され広がっていきます。
第2部は、パイプオルガンのソロから始まり、それに乗っかってイコントラバスを除く弦楽器がユニゾンで主題を奏でます。このユニゾンはヴァイオリンからチェロまで同じ音高のユニゾンなので、響きは単調ですが物凄く分厚く聞こえます。そこで響きを補っているのがオルガンです。
その後1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンの掛け合いによる流れの速いメロディがあり、やがて他の弦楽器とオルガンが加わっていきます。
それが終わると中間部に入り、循環主題が低弦のピチカートで再現され、転調を繰り返しながら第2部の主題に戻っていきます。

AIによると、この曲は特に中低弦の難易度が高い曲と解析されています、譜面づらはそれ程難しく無いのですが、第1楽章第1部と第2楽章第1部のメロディが小節の途中から始まって、特に第1楽章では完全に高弦と低弦がズレるように書かれているため、コントラバスの場合、ヴァイオリンを聴いて入るとズレる、拍子を数えながら演奏すると贈れがちになるという点が異常な難しさを産んでいると思われます。

2026年1月15日 (木)

パイオニア交響楽団第27回定期演奏会・2

所属している、パイオニア交響楽団の定期演奏会のご案内です。
日時 2026年2月1日(日) 午後2時開演
場所 所沢市民文化センターミューズ アークホール
指揮 高橋俊之
曲目 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
   プロコフィエフ 交響曲第1番「古典交響曲」
   サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」

2曲目は、プロコフィエフ作曲の交響曲第1番ニ長調op.25「古典交響曲」です。
1916年から1917年にかけて作曲された曲で、もしもハイドンがこの時代に生きていたらこういう曲を作っただろう、という発想で作曲されたものです。基本構造は古典派音楽ですが、プロコフィエフの独自性や大胆な転調や和声が使われています。
基本構造は全4楽章、急-緩-舞曲-急という古典音楽そのものの構造になっています。
第1楽章は、短い序奏の後ソナタ形式で書かれたAllegro の速い楽章です。コントラバスは全体を通してそれ程難易度の高い曲ではありませんが、第1楽章ではト音記号が数小節あって、音も飛ぶので結構音程合わせるのが大変。
第2楽章は緩徐楽章ですが、ロマン派っぽい美しい楽章というよりは、愛らしい曲という感じです。4分の3拍子の曲ですが、中間部はフレーズが小節の1拍半のところから始まるという奇妙なフレージングになっていて、いかにもプロコフィエフらしい感じです。
第3楽章というと、古典派ではメヌエットを代表とする舞曲、ロマン派以降はスケルツォが定番ですが、「古典」交響曲なので、当然舞曲になっています。但し、メヌエットではなくガヴォットを採用しています。ガヴォットはフランスの舞曲で小節の半ばで開始するのが古典派以前の通例で、この曲でも4拍子の3拍めから始まっています。
終楽章は非常に速いソナタ形式の楽章です。息もつかせぬ勢いで最後まで突進していきます。

 

2026年1月13日 (火)

パイオニア交響楽団第27回定期演奏会・1

所属している、パイオニア交響楽団の定期演奏会のご案内です。
日時 2026年2月1日(日)  午後2時開演
場所 所沢市民文化センターミューズ アークホール
指揮 高橋俊之
曲目 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
   プロコフィエフ 交響曲第1番「古典交響曲」
   サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」

デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」は、原題を直訳すると交響的スケルツォ「魔法使いの弟子」となりますが、日本では交響詩と呼ばれる事が多い曲です。
ゲーテが書いたバラード「魔法使いの弟子」を音楽的に表現した作品で、1940年に作られたディズニーのアニメ映画「ファンタジア」で使用されて一気に知名度が上がった曲です。アニメの登場人物は、魔法使いと、その弟子のミッキー・マウス、そして箒(ほうき)たち。映画で演奏される曲は、一部割愛されているので原曲と全く同じではありません。
ストーリーは、魔法使いが弟子に雑用を言い残して外出するところから始まります。弟子は、命じられた水汲みに飽きて箒に魔法をかけて水汲みをさせますが、止める魔法を習得していなかったため、一面水浸しになってしまいます。そこで、鉈で箒を粉々にしますが、その破片から箒が次々と生まれて水汲みを続け、洪水のようになってしまいますが、そこへ師匠が帰ってきて呪文をかけて箒を止め、弟子を𠮟りつけるというお話です。

デュカスは極端な完璧主義で、フランス音楽において重要な位置を占める作曲家であるにもかかわらず、作品の大半を破棄してしまったため現在では20曲程度の曲しか残されていません。残された曲の中で最も有名な曲が、この「魔法使いの弟子」になります。
弦楽器のハーモニクスの持続和音を含む8分の9拍子のゆっくりとした静かなメロディの序奏は、魔法使いの外出と弟子の水汲みの描写から始まり、主部は8分の3拍子の速いテンポで進みます。8分の3拍子ですが非常にテンポが速いので指揮者は1小節1拍で指揮します。音楽は3小節がひとかたまりで3拍子になるため基本的には3拍子で指揮棒は降られます。

とにかくコントラバスは休みが長かったり、同じ音が繰り返されたりで、数えるのが大変!
という曲です。
チケットはteketから購入できます。

2025年6月 2日 (月)

6月は演奏会だらけ~  その2 

6月の演奏会第2弾は、一週間にも満たない6日後の6月7日です。
保谷弦楽アンサンブル 第18回定期演奏会  タクトホームこもれびGRAFAREホール(保谷こもれびホール)
ハイドン チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.Ⅶb:1
バルトーク ルーマニア民俗舞曲
ベリツァイ 弦楽セレナーデ
今回はハンガリーゆかりの曲を集めたコンサートです。バルトーク、ベリツァイはハンガリー人で、ハイドンはハンガリーのフェルテードにあったエルテルハーザ宮殿を本拠地とするエルテルハージ公のオーケストラの宮廷楽長を務め、チェロ協奏曲は同楽団所属でハンガリー生まれのチェリスト ヴァイグルのために作曲したものです。

ハイドンのチェロ協奏曲は本来の編成では弦楽器に加えてオーボエとホルンが入っているのですが、今回は独奏チェロと弦楽合奏のみの編成になっています。オーボエもホルンもソロになる部分が無いので完全に音が欠けてしまうところは殆ど無い(少しはある)ので大きな問題では無さそうです。楽譜が長い間紛失していて1961年に筆写譜が発見されたもので、自筆譜が散逸してしまっているため正確なオリジナルの編成はわかっていません。
バロックから古典への過渡期的な作品で、楽章構成は古典の協奏曲の急-緩-急になっています。
一部バロックのリトルネッロ形式が採用されていて、しつこく何度も同じようなパターンが繰り返されるので飽きる部分もありますが、コントラバスはチェロと完全なユニゾンで(というかコントラバスという楽器は編成では存在していない)殆ど休みなく弾かされてかなり大変です。

当時ルーマニアのトランシルヴァニア地方はハンガリー王国の領土でした。ハンガリーの民族音楽の収集に力を注いでいたバルトークが、トランシルヴァニア各地の民謡を題材にして作曲したのが7曲からなるピアノのための組曲「ルーマニア民俗舞曲」です。この曲はバルトーク自身が小管弦楽に編曲し、さらにアーサー・ウィルナーが弦楽合奏に編曲するなどピアノ以外でも頻繁に演奏されています。
基本的には全ての曲間はアタッカ(休みなく続く) が指定されていますが、実際は第5曲から第7曲以外は若干の間が取られます。第5曲から第7曲は完全に続けて演奏されます。
それぞれの曲には「棒踊り」「帯踊り」「踏み踊り」「角笛の踊り」「ルーマニア風ポルカ」と第6・7曲が「速い踊り」というタイトルがついています。まあ、どちらにしてもバルトークなので、聴きなれない和音やら慣れないリズムがいっぱい出て来るので技術以上の難しさがある曲です。

ベリツァイの弦楽セレナーデは、あまり馴染みのない曲だと思いますが、セレナーデと言っても弦楽のための交響曲っぽい音楽です。何といっても聴いてもらいたいのは緩徐楽章の第3楽章。非常に美しい曲です。


2025年5月30日 (金)

6月は演奏会だらけ~ その1

今年の6月は、演奏会が重なってしまいました。今まで同月に2回というのはありましたが、3回というのは初めて。混乱しないで乗り切れるように切磋琢磨しております。全部開演時間は14:00です。

6月1日(日) 和光市民オーケストラ第35回定期演奏会  会場 和光市民文化センターサンアゼリア
指揮 佐藤宏充
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
グリーグ 劇音楽「ペール・ギュント」第1組曲
シベリウス 交響曲第2番ニ長調
という北欧プログラムです。
「フィンランディア」は、1899年に作曲された曲。フィンランドは1809年までスウェーデン王国に属していましたがスウェーデンが第二次ロシア・スウェーデン戦争に敗れたため、ロシアがフィンランドを併合しフィンランド大公国を建国しました。19世紀半ばすぎからのナショナリズムの高まりと、ロシア語の強制などによる圧政にフィンランド人の不満は高まり独立運動が起こっていたというのが19世紀末から20世紀初頭にかけての状況下でした。そんな中で新聞社から依頼されたフィンランドの歴史劇の最終曲として作曲されたのが「フィンランド人は目覚める」という曲。それが改題されたものが「フィンランディア」です。
 「フィンランディア」は2つの序奏と三部形式の主部の3つの部分から構成されています。序奏Aではロシアの圧政を表現したと思われる金管楽器の重苦しい音楽から始まり悲痛な叫びが木管、弦楽器と引き継がれていきます。
序奏Bは闘争の音楽。ティンパニのトレモロに乗って金管楽器と打楽器が激しい音楽を奏でます。
主部は最初に序奏Bから派生した快活な音楽が鳴り響き、中間部では後の「フィンランディア賛歌」として第二の国歌とも呼ばれる荘厳なメロディが演奏され、最後に高らかに勝利を歌って曲を閉じます。
 この曲は表面的には演奏が難しい曲ではありませんが、クレッシェンドを多用した激しいダイナミックスの変化と、その場面場面での音の表現力が要求されるので、巧く聴かせるのは簡単では無い曲です。

「ペール・ギュント」の第1組曲は、小学校の教科書にも掲載されている超有名曲。イプセンの原作による身分不相応な大きな夢を抱いた村を飛び出したペール・ギュントの冒険談の劇音楽。朝、オーゼの死、アニトラの踊り、山の魔王の宮殿で の4曲からなります。朝と山の魔王の宮殿はオーケストラ曲ですが、オーゼの死は弦楽合奏曲、アニトラの踊りは弦楽合奏とトライアングルのみ。山の魔王の宮殿は原曲では男声合唱が入ります。

シベリウスの交響曲第2番は、シベリウスの代表作のひとつ。4楽章の構成ですが、第3楽章から第4楽章は続けて演奏されるように作曲されています。
この曲の難しさは目まぐるしく変化する曲調と、やたらに多いクレッシェンドとスフォルツァンド。第2楽章冒頭ではコントラバスは裸でピツィカートを弾き続けます。個人的にはピツィカートの連続はキライ。ピツィカートは弦を押さえる左手の指が少しでも緩んだらまともな音にならないので、物凄く疲れます。他の弦楽器に比べてコントラバスの弦は太いので、しっかり押さえるのに結構力が必要。弓で弾く場合よりきっちり押さえる必要があるのです。
まあ、でも一度は演奏してみたかった曲なので、本番も楽しみます。
ちなみに、「ペール・ギュント」は2回目、「フィンランディア」は4回目ぐらい。
   to be continued

2024年1月22日 (月)

パイオニア交響楽団第34回定期演奏会の曲目ご案内・2 エニグマ変奏曲 Part2

エニグマ変奏曲 part2です。

・第5変奏 "R.P.A." ハ短調 Moderato 8分の12拍子(4分の4拍子)  ピアニストのリチャード・P・アーノルド(Richard P. Arnold)の事。彼は詩人マシュー・アーノルドの子供で、彼の真面目な会話は気まぐれで冗談めいた物言いによって、ひっきりなしに中断される・・という事で主題が手音群によって厳粛に演奏されますが、それを遮るように管楽器が気軽な冗談を演奏するという構成。冒頭からファゴットとチェロ・バスによって演奏される主題に並行してヴァイオリンが新たなメロディを奏でます。木管楽器の軽いメロディを挟んで、冒頭のヴァイオリンのメロディを今度は弦楽器がトゥッティで演奏しますが、再び管楽器による軽妙な音楽が遮り、最後は三たびヴァイオリンのメロディが出てきて静かに曲を閉じそのまま第6変奏に入ります。
・第6変奏 "Ysobel"   ハ長調 Andantino 2分の3拍子。イソベルは、エルガーがヴィオラの愛弟子イザベル・フィットンに付けたニックネーム。そのためにこの第6変奏ではヴィオラのソロが活躍します。
・第7変奏 "Troyte."  ハ長調 Presto  1分の1拍子。建築家アーサー・トロイト・グリフィスの事。ピアノを弾こうと頑張ったがなかなか上達しなかった、不向きな事に熱を上げる姿を描いたもの。冒頭からティンパニとチェロ・バスが無骨なリズムを刻みます。この変奏曲中最も賑やかな曲。コントラバスにとっては最大の難曲。最後の「ジャン ジャン」という音は諦めてピアノの鍵盤の蓋を閉じた音か?
・第8変奏 "W.N."  ト長調 Allegretto 8分の6拍子。ウィニフレッド・ノーベリーという女性。のんびり屋の彼女を象徴するゆったりとした優雅なメロディに変奏されています。途中ヴァイオリンが彼女の笑い声を表現します。最後は1st violinがソの音を長く伸ばしたまま第9変奏に入ります。
・第9変奏 "Nimrod"  変ホ長調 Adagio  4分の3拍子 楽譜出版社に勤めるアウグスト・イェーガーにエルガーが付けた愛称。ニムロッドは旧約聖書に登場する狩の名手ニムロデの事。本名のドイツ語のイェーガーJagerが「狩人」や「狙撃手」に通ずることからつけられたようです。非常に気高い人柄で、エルガーは彼と散策しながらベートーヴェンを論じ合い、2人が好きだったベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」の第2楽章の旋律も下敷きにした曲。この曲はアンコールピースなどで単独で演奏される事も多い曲で、日本では映画「のだめカンタービレ」最終楽章前編にも使われました。
・第10変奏 間奏曲"Dorabella"  ト長調 Allegretto 4分の3拍子  第4変奏のウィリアム・ベイカーの義理の姪で第3変奏のリチャード・タウンゼンドの義理の姉妹にあたるドーラ・ペニーの愛称。きれいなドラちゃんという意味。彼女の滑舌や笑い声を木管が表現しています。前のめりに聞こえる木管のメロディは実は楽譜上は十六分音符4つという単純なものですが、最初の音にテヌート、後の3音をスタッカートに記譜して前のめり感を出しています。低弦のピチカートも殆ど裏拍(拍の後半で弾く)ので、不思議な感覚の音楽になっています。
・第11変奏 "G.R.S."  ト短調 Allegro di Molto  2分の2拍子  ヘレフォード大聖堂のオルガニスト ジョージ・ロバートソン・シンクレア(George Robertson Sinclair)の事ですが、曲は彼の飼い犬ブルドッグのダンを描いたもの。ダンが川に落ちて、陸に上がれる場所を探してバタバタし、陸に上がって喜んで吠えた、という出来事を最初の5小節で表現しています。コントラバスはバタバタと吠え声に参加しています(笑)。とにかく慌ただしい曲です。
・第12変奏 ”B.G.N."   ト短調 Andante 4分の4拍子 当時の著名なアマチュア・チェリスト ベイジル・G・ネヴィンソン (Basil G Nevinson)の事。そのためにチェロのソロが活躍する曲です。
・第13変奏 "***”  Romanza  ト長調 Moderato 4分の3拍子 文字が示されていないため解明されていない曲ですが、途中太鼓のトレモトの上でクラリネットがメンデルスゾーンの「静かな海と楽しい航海」を引用する事もあってオーストラリアに向かって旅立ったレディ・メアリー・ライゴンかエルガーの元婚約者でニュージーランドに移民したヘレン・ウィーヴァーのどちらかと推測されています。
・第14変奏「終曲」 "E.D.U.” ト長調  Allegro Presto 2分の2拍子 エルガーの夫人がエルガーを呼ぶ時の愛称「エドゥー」から、エルガー自身の事と考えられています。ファゴット、打楽器や低弦の後打ちのリズムに乗ってヴァイオリンや管楽器によって断片的に奏でられる旋律が次第に集まってきてフィナーレのテーマになります。途中 第1変奏と第9変奏を引用しつつクライマックスに向かいます。

この演奏会のチケットを先着10組の方にプレゼントいたします。
詳細、お申し込みは こちらをクリックしてください。

 

 

2024年1月11日 (木)

パイオニア交響楽団第34回定期演奏会の曲目ご案内・1 ローマの謝肉祭

ベルリオーズの作品中幻想交響曲と並んで人気の高い演奏会用序曲。失敗に終わったオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」に愛着を持っていたベルリオーズが、このオペラから主要な旋律を引用して作曲した作品です。
冒頭はイ長調、テンポが非常に速い8分の6拍子。6小節でオペラの中の「謝肉祭」の主題が演奏され、1小節の全休の後6拍子と4分の2拍子が混ざり合って序奏部の小コーダとなります。
主部はハ長調となって4分の3拍子でテンポをAndanteに落としてコールアングレがアリアの主題を歌います。やがてホ長調に転調されますが、再度イ長調に戻り、ややテンポを上げて木管楽器の上行、下行の半音階が繰り返されると冒頭の速いテンポの8分の6拍子に戻って「謝肉祭」の音楽が展開されていきます。
後は「謝肉祭」の音楽を中心にテンポもそれ程変わることなく忙しい音楽を展開していきます。
2管編成ですが、シンバル、タンブリン、トライアングルと言った高音を発する打楽器が活躍するとにかく派手な曲です。弦楽器は難しい・・・です。

2024年1月27日(土) 午後2時開演 文京シビックセンター大ホール
チケットプレゼントは こちら

2021年8月29日 (日)

今日の音楽 8月29日 2つの伝説(再掲載)

リストの「2つの伝説」は1865年8月29日にリスト自身のピアノ独奏で初演されました。

「2つの伝説」はリストの信仰が深まって行った時期に作曲されたキリスト教を題材としたピアノ曲です。アッシジのフランチェスコとパオラのフランチェスコという2人の聖人の伝説を基にしたもので、当時は指揮者のハンス・フォン・ビューローの妻となっていた娘コジマに献呈されています。

第1曲は「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、第2曲は「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」です。1975年にリスト自身による管弦楽版が発見されました。今でも、管弦楽版かピアノ独奏版のどちらが原曲かはっきりしていません。

 

2020年2月24日 (月)

パイオニア交響楽団第33回定期演奏会のご案内・4

2020年3月8日(日) ティアラこうとう大ホール(都営新宿線/東京メトロ半蔵門線 住吉駅 徒歩4分) 午後2時開演
指揮 黒岩英臣
曲目 ワーグナー 歌劇「リエンツィ」序曲
   モーツァルト 交響曲第41番ハ長調「ジュピター」 K.551
   シューマン  交響曲第3番変ホ長調op.97「ライン」

今日は、シューマンの交響曲第3番「ライン」のご紹介PART1です。

この曲は、番号では4曲の交響曲中第3番という番号がついていますが、実際に作曲されたのは4番目になります。1850年にデュッセルドルフのオーケストラと合唱団の音楽監督に招かれ、当地でライン川沿岸を好んで散歩し上流のケルンでも大聖堂に感銘を受けて作曲したものです。「ライン」の副題はシューマンが名づけたものではありませんが、ライン川と関係が深い音楽になっています。それぞれの楽章がライン川周辺にまつわる音楽になっています。

よく言われるようにシューマンのオーケストレーションは決して巧いとは言えません。特に感じるのは、とにかく音が多い事、楽器の重ねすぎ、楽器の特性を十分に理解していない事です。楽器の重ねすぎはクリアな音を妨げ、くすんだ音に聴こえます。そのため多くの指揮者が、オーケストレーションの変更や間引きを行って演奏する事が多かったようです。有名なところではマーラーの編曲版が挙げられますが、最近では、このくすんだような音色がシューマンの音色であるとしてオリジナルで演奏する事が多いようです。

そんなわけで、この曲技術的にも簡単ではありませんが、何と言っても体力。特にフレンチ弓のコントラバスの場合練習の最後の方では右手の握力が限界を迎えるわけで、第5楽章の最後のテンポが上がるところあたりでは、弓を持っているのがやっと。まともに元気よく弾けた事が一度も無いという有様です。練習時は本番と違って止まって何回も繰り返すので余計に体力を消耗しますので本番は大丈夫だとは思いますが、前回のショスタコの5番の時の第1楽章後半で腕が攣ったという経験があるので若干心配ではあります。

「ライン」は5楽章という通常の交響曲とは異なる構成になっています。

第1楽章は、いきなり勢いのある第1主題から始まります。この楽章は3拍子なのですが、実は音楽としては2小節で3拍子になっているように聴こえますが、そのように演奏しては絶対にイケナイわけで、ここがとってもわけわからなくなる要因です。第2主題は哀愁を帯びた旋律になります。展開部はシューマンらしくあまり工夫はありませんが、ホルンの雄叫びがあった後コーダに入ります。
この楽章で3小節以上の休みがあるのが、たった4箇所。それも最も長いのが5小節の休みなので、殆ど弾きっぱなし。これだけ弾きっぱなしの楽章は経験した記憶がありません。

第2楽章は、スケルツォ楽章。川の流れの中に漂うような感じのする曲です。中間部はホルンなどで演奏されるイ短調の曲です。休みの小節があるのは1ヶ所。それも最後から5小節前からの3小節間だけ。しかも途中に28小節にわたってドの音の刻みがあって、ここでは弦をおさえる左手の指も限界に達します。

第3楽章は、緩徐楽章です。が、通常の緩徐楽章と違って動きのある音楽です。この曲も連続5小節の休暇が冒頭からある以外は年中無休。しかも今度は6.5小節間ラソラソラソラソラソラソラソラソ(ラは♭ラ)という試練も与えられています。

to be continued

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