8月2日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・100 宿命
「宿命」は1974年に製作された映画「砂の器」のクライマックスで演奏される音楽です。
「砂の器」の原作は松本清張ですが、この映画作品は、かなり原作と異なる内容になっています。というのも原作は、松本清張にしては比較的本格推理小説に近い内容になっていて、そのままでは映画化に適さないと判断されたためです。
原作では、犯人の和賀は、父親がハンセン病だった事による差別という運命は背負っているものの、かなり自分勝手な殺人者として描かれていますが、映画ではハンセン病の父を持った宿命に抵抗した悲劇の殺人者的な部分をかなり前面に押し出しています。
そして、原作では和賀はヌーボーグループという新進の芸術家集団に属する前衛音楽の作曲家という設定ですが、映画では本格的なクラシック音楽の作曲家という設定になっています。この設定にしたからこそ、「宿命」というピアノ協奏曲もどきの音楽が生まれたわけです。
そして映画では、和賀、本名本浦秀夫と父本浦千代吉が、故郷を追われ、亀嵩の三木巡査に拾われるまでの長い放浪の旅を後半のメインに置いて描いています。
「宿命」は芥川也寸志の協力の下、菅野光亮が作曲したもの。
まあ、当時をときめく芳賀英良が精魂込めて作曲したピアノ協奏曲だとすると、ちょっとハテナな曲ではありますが、映画音楽と考えると映像が目に浮かぶ傑作だと思います。
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