ホームページ

ウェブページ

紹介した音楽

2025年11月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 2025年7月 | トップページ | 2025年9月 »

2025年8月26日 (火)

アマチュア・オーケストラのお話 第1回 アマチュア・オーケストラとは

 名曲100選が終了して、暫くお休みしていましたが、これからは複数の視点でクラシック音楽の世界を綴っていきたいと思います。
まずは、アマチュア・オーケストラ(以後アマオケ)の実情のご紹介です。
 アマオケの対義語はプロ・オケです。
 要するにオーケストラ活動を生業としない人たちによるオーケストラです。
 では、アマオケの演奏会のステージに乗っている人たちは全員アマチュアかと言えば、そんな事はありません。
多くのアマオケの演奏会の指揮者はプロの指揮者かそれに類する方、コンチェルトをやればソリストは大概はプロの奏者。
オーケストラによっては、足りないパートなどをプロの奏者で補充する事もあります。
 またハープ、オルガンや特殊楽器はアマチュアの奏者が殆どいないのでプロにお願いする事が多いです。
 もっと難しい事を言えば、学校や音楽教室の音楽の先生も在団している場合もあります。音楽に対してはプロですが、
オーケストラではアマチュアなのです。
 プロオケはスポンサーや友の会のような組織からの拠出金や聴衆の入場料で演奏会費用を賄っていますが、アマオケは殆どの費用を団員から集金して賄っています。これがプロオケとアマオケの大きな違いでしょうかね。
 そうは言っても、全てのアマオケが全ての費用を団員からの拠出金で賄っているかと言えば、必ずしもそうではありません。

 それを語るには、アマオケ自体の成り立ちを説明しないとなりません。と言っても明確な分類があるわけでは無いのですが、大まかに分類してみます。まず中学校・高校・大学の部活動としてもオーケストラがあります。団員は一応その教育機関の生徒や学生。ですが、オーケストラの場合対外競技を行うわけでは無いので、演奏会には手助けとしてその学校のOBOGなどが参加する事もあります。吹奏楽のようなコンクールも無いので明確な規定はありません。
 それから自治体が文化事業の一環で援助しているオーケストラ、いわゆる市民オーケストラです。しかしながら自治体名を冠しているオーケストラが全てこのカテゴリーに入るわけではありません。
 企業のクラブ活動や文化活動としてのオーケストラ。いわゆる企業オーケストラ。
 アマチュア・オーケストラの多くは、上のカテゴリーに属さないもので、大学のOBOGのオーケストラが発展して作っているオーケストラ、一部愛好家が個人的に呼びかけて作られたオーケストラ等々、様々な形態があります。

次回は、各カテゴリーをもう少し掘り下げていきます。

 

2025年8月11日 (月)

8月10日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・番外編 

舞台芸術のための管弦楽曲で取り上げた曲は、オペラの序曲、前奏曲、間奏曲などの管弦楽作品、劇のための音楽(現在で言えば映画音楽みたいなもの)と、それらを集めた組曲です。
オペラの幕前の音楽には序曲と前奏曲がありますが、序曲が独立した楽曲でオペラの内容と直結しているとは限らない曲であることに対し、前奏曲はオペラの内容に直結しそのまま本編に繋がっていく曲である事、などという解説がありますが、必ずしもその通りとは限りません。
前期ロマン派以前のオペラには大体序曲が使われていて、後期ロマン派以降は前奏曲が使われる傾向があります。
顕著なのはヴェルディとワーグナー。ワーグナーは歌劇には序曲、楽劇には前奏曲をつけています。例外は過渡期の作品「ローエングリン」。一応最後の歌劇とされていますが、序曲ではなく前奏曲がつけられています。
ヴェルディは作品によって前奏曲だったり序曲だったり、何も無しで本編を始めたりと一貫性はありません。プッチーニなどは前奏曲すら使っていません。
個人的にはオペラ全曲をあまり聞かないので、序曲もオーケストラの演奏会で取り上げられる曲が中心になってしまいましたがご容赦を。

2025年8月 9日 (土)

8月9日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・番外編 

日本映画の映画音楽の歴史は古くはありません。邦画に関しては20世紀前半は音楽が使われない映画も多く、音楽が使われていても在りものだったり、殆どBGM扱いという状況でした。20世紀後半になると、映画音楽は目覚ましい発展をします、クラシックの作曲家に依頼したものもありました。黒澤明と武満徹、野村芳太郎と芥川也寸志など名コンビも生まれ、続いて東宝特撮シリーズの伊福部昭、ジブリアニメや北野武とのコンビによる久石譲の活躍は目まぐるしいものがあります。
日本の場合、映画宣伝用に本編では使われない映画音楽もありますが、今回はあくまでも映画の中、オープニングテーマ、エンディングテーマとして使われたもののみを選びました。

2025年8月 8日 (金)

8月8日 名曲100選 器楽曲篇・番外編

器楽曲は、単一の楽器の演奏による楽曲の事。伴奏が入ると室内楽曲に分類されてしまうので、ピアノなどの鍵盤楽器やギターなど伴奏部分も一緒に弾ける楽器によるものが圧倒的に多いジャンルです。管楽器は複数の音を同時に出す事が出来ないので非常に少なく、ヴァイオリンのように複数の音が出せる楽器でも演奏上の制約があり、伴奏を同時に弾くとなると超絶技巧の世界になるので曲数は限られています。
バロック以前はチェンバロ、オルガンが主流でしたが古典派以降は圧倒的にピアノ曲が多く、しかもフル・オーケストラによる演奏は広い演奏会場が必要な上、奏者の数も多くなりお金もかかるので、オーケストラの曲をピアノ用に編曲してサロンや家庭で演奏するという事も多くなりました。
特にリストはベートーヴェンの交響曲全曲やワーグナーのオペラの序曲のように規模の大きい曲もピアノ用に編曲したり、オペラの抜粋をパラフレーズとして編曲したりした作品が非常に多い作曲家です。
ただし、ここで器楽曲として取り上げたのは、純粋に器楽曲として作曲されたものです。ピアノ連弾や2台のピアノのための曲も数曲入っています。
クラシック音楽の分野の中で圧倒的な曲数なのが、この分野なので100曲選ぶのは大変でした。なので、有名な曲でも抜けているものも多数あります。

2025年8月 7日 (木)

8月7日 名曲100選 海外のポップス篇・番外編

これも、第1シリーズで扱った海外のロックとのジャンル分けが難しかったです。ポップスはポピュラー音楽の事だとすると、ロックも広義のポップスですし、R&B、カントリー、レゲエなどもポップスだし、ジャズはどうなんだ・・・となるのですが、どう色分けしても万人を説得できるジャンル分けは難しいので、テキトーにやりました。
「明日に架ける橋」は高校生の頃のヒット曲ですが、ずーっと私の中ではナンバー1曲であり続ける曲です。
この分野もあまり特定のアーティストに偏らないようにしたので、この100曲が私のベスト100というわけではありません。
紹介した曲以外にも、アバ「ザ・ウィナー」、オリヴィア・ニュートン=ジョン「レット・イット・シャイン」、カーペンターズ「ソリテア」、ジャニス・イアン「ラヴ・イズ・ブラインド」「我が心のジェシー」、ジョン・デンバー「アイム・ソーリー」「わが友カリプソ」、スザンヌ・ベガ「ルカ」、スタイリスティックス「16小節の恋」、ニルソン「うわさの男」、ビリー・ジョエル「オネスティ」、ポール・サイモン「時の流れに」、ミシェル・ポルナレフ「シェリーに口づけ」、ロギンス&メッシーナ「プー横丁の家」、ロバータ・フラック「愛のためいき」等々、まだまだ素敵な曲はたくさんあります。

 

 

2025年8月 6日 (水)

8月6日 名曲100選 声楽曲篇・番外編

声楽曲として一括りで進めて来ましたが、声楽曲を更に分けるとなるとなかなか難しいので、いっそのこと一括りにしてしまおうと考えました。
声楽が入っている曲と言っても、独唱者とピアノ伴奏だけの曲もあれば、歌劇や第九・マーラーの交響曲のような大規模な曲もあります。
主体が人間の声か、器楽・オーケストラかで分けるのもなかなか難しい。
という事で、人間の声が入った曲の中で「交響曲」と題されるもの、歌劇は省いてその他の人間の声が入ったものを声楽曲という括りにしました。
なかなか長大な声楽曲を全部聞き切れていない事もあって、名曲と言われた曲でも漏れた曲はたくさんあります。
バッハのヨハネ受難曲、ハイドンの天地創造、ベルリオーズのレクイエムなどまだまだ聞き切れていない分野ではあります。

しかもなかなか自分で演奏する機会も多くなく、演奏した事がある曲は、ヴェルディとモーツァルトのレクイエム、オルフのカルミナ・ブラーナ、プッチーニのミサ曲(通称グローリア・ミサ)、モーツァルトのアヴェ・ヴェルムス・コルプス、フォーレのラシーヌ雅歌だけです。で、やった曲は殆ど上位。演奏するという事がその曲を好きになる動機の大きな要因なのだと思います。

2025年8月 5日 (火)

8月5日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇 番外編

前シリーズのニュー・ミュージック、フォーク編でも書きましたが、掲載した100曲はベスト100というわけではありません。特定のアーディストにあまり偏らないようにしました。また、個人的に苦手な分野、演歌やHip-Hopなどはあまり聞かないので選んでいません。
私が高校・大学の時代はアイドル全盛期で、良い曲が必ずしもヒットしていたわけではないので、今でも聞く事ができる曲の中から選んでいます。
取り上げなかった曲の中には、安全地帯の「悲しみにさよなら」、岩崎宏美「聖母たちのララバイ」、コブクロ「ここにしか咲かない花」、小林明子「恋におちて」、沢田知可子「会いたい」、スキマスイッチ「全力少年」、徳永英明「輝きながら」「僕のそばに」など名曲がまだたくさんあります。
昔好きだった曲を今聞いてみてください。良い曲がいっぱいありますよ。

2025年8月 4日 (月)

8月4日 名曲100選 協奏曲篇・番外編

交響曲がオーケストラの演奏会の王様であれば、協奏曲は王妃様。一人から数人のソロ奏者とオーケストラが技術を競いながらひとつの音楽世界を完成させていくものです。
アマチュア・オーケストラでは費用の制約や練習場の制約(例えばピアノ協奏曲の場合、グランドピアノが置いてある練習場が必須となります)があって、なかなか頻繁に取り上げる事が難しいので、私個人としても過去演奏した曲は10曲程度に過ぎませんが、とても魅力的な曲の多い分野です。
曲の構成よりも、やはりメロディやテクニックが重要視されるので、交響曲とは異なる魅力があります。
ヴィヴァルディを含めたバロック時代の協奏曲は、あまり取り上げませんでしたが良い曲もいっぱいあります。
その他、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、モーツァルトのホルン協奏曲第2番、第4番なども大変に素敵な曲です。
少しでも多くの曲をお聞きいただければ幸いです。

2025年8月 3日 (日)

8月3日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・100 歌劇「タンホイザー」序曲

2021年9月から掲載してきた名曲100選もいよいよ今日で最終回です。紹介できなかった曲にも名曲に相応しい曲はまだまだたくさんあるし、個人的には入れたい曲もあったのですが、あまりマイナーな曲はご遠慮頂いて(それでも結構マイナーな曲が入っていますが)200週、約4年間続けて来ました。
最後の曲はワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲です。
歌劇「タンホイザー」は1845年に完成した3幕のオペラです。正式な名称は「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」です。
中世ドイツを舞台に、吟遊詩人として歌う騎士たちのストーリー。騎士のひとりタンホイザーはテューリンゲンの領主ヘルマンの姪エリーベトと恋仲でしたが、ふとした事から官能の愛を望むようになり異教の女神ヴェヌスが棲む異世界のヴェヌスブルクで肉欲の世界に溺れるようになっていました。
やがて、望郷の思いが沸いて帰国。仲間やエリザーベトからどこへ行っていたかと聴かれても曖昧な返事しかしませんでした。ちょうど歌合戦が開催されますが、他の騎士たちが女性への奉仕的な愛を歌うのに対し、自由で官能的な愛を主張して観衆の反感をかったタンホイザーはとうとう「ヴェヌス賛歌」を歌い出してしまい、反省したものの領主から追放されてしまいます。タンホイザーが戻ってくるためにはローマに巡礼に行き教皇の赦しを得る必要があり、彼は巡礼の旅に出ます。
月日が経ち、ローマから巡礼団が戻って来ますが、そこにタンホイザーはおらず、彼が赦されなかった事を悟ったエリザーベトは自分の死をもってタンホイザーの赦しを得る決意をし去っていきます。
そこへ教皇の赦しを得られずボロボロになったタンホイザーが戻ってきて、ヴェヌスブルクへ戻ろうとすると目の前にヴェヌスブルクが現れたところにエリザーベトの葬列が現れ、タンホイザーは我に帰り異世界は消滅。タンホイザーはエリザーベトの亡骸に寄り添いながら息を引き取ります。
ちょうどそこへ、ローマから特赦の知らせがやって来たところで幕が下ります。
「タンホイザー」にはいくつかの版があります。初版はドレスデン版と言われ終幕でヴェーヌスが登場しなかったりエリザーベトの死も暗示に留まっていて結末が理解しにくいという事で上記のような結末に書き換えられた第2版が現在はドレスデン版と呼ばれています。通常「タンホイザー」序曲といえば、このドレスデン版を指します。
その後パリで上演するにあたって当時流行していたグランドオペラにならって冒頭にバレエ音楽(バッカナール)を入れて1861年改訂されたパリ版がありますが、これは近年は殆ど演奏されません。
さらに1875年にウィーン上演に際し序曲から切れ目なく第1幕のバッカナールへ移行するような改訂を施しました。これが「ウィーン版」で、「パリ版」として上演される際にはほとんどがこの「ウィーン版」を使用しています。
「タンホイザー」序曲は歌劇の中の様々なモティーフが組み合わされてできています。冒頭は「巡礼の合唱」のフレーズではじまり、懺悔の動機に移行。その後は曲調が変わってヴェーヌス讃歌、最後にはまた巡礼の合唱の音楽が拍子を変えて出てきて曲を閉じます。(ドレスデン版です)

2025年8月 2日 (土)

8月2日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・100 宿命

「宿命」は1974年に製作された映画「砂の器」のクライマックスで演奏される音楽です。
「砂の器」の原作は松本清張ですが、この映画作品は、かなり原作と異なる内容になっています。というのも原作は、松本清張にしては比較的本格推理小説に近い内容になっていて、そのままでは映画化に適さないと判断されたためです。
原作では、犯人の和賀は、父親がハンセン病だった事による差別という運命は背負っているものの、かなり自分勝手な殺人者として描かれていますが、映画ではハンセン病の父を持った宿命に抵抗した悲劇の殺人者的な部分をかなり前面に押し出しています。
そして、原作では和賀はヌーボーグループという新進の芸術家集団に属する前衛音楽の作曲家という設定ですが、映画では本格的なクラシック音楽の作曲家という設定になっています。この設定にしたからこそ、「宿命」というピアノ協奏曲もどきの音楽が生まれたわけです。
そして映画では、和賀、本名本浦秀夫と父本浦千代吉が、故郷を追われ、亀嵩の三木巡査に拾われるまでの長い放浪の旅を後半のメインに置いて描いています。
「宿命」は芥川也寸志の協力の下、菅野光亮が作曲したもの。
まあ、当時をときめく芳賀英良が精魂込めて作曲したピアノ協奏曲だとすると、ちょっとハテナな曲ではありますが、映画音楽と考えると映像が目に浮かぶ傑作だと思います。

2025年8月 1日 (金)

8月1日 名曲100選 器楽曲篇・100 練習曲op.10-3(ショパン)

練習曲作品10-3ホ長調などと書くと、100選最後の曲なのに何の曲だ?と思われてしまうかもしれませんが、通称「別れの曲」と言えば「はは~ん」となる程有名な曲です。
ショパンは練習曲という名称の曲集を3つ作曲しています。作品番号10が12の練習曲、作品番号25も12の練習曲、3つの新しい練習曲です。
有名な曲としては作品10の第5番「黒鍵」、第12番「革命」、作品25の第9番「蝶々」、第11番「木枯し」などがあげられますが、ダントツで知られているのがこの「別れの曲」です。
「別れの曲」というタイトルは日本のみのp愛称で1934年のドイツ映画「別れの曲」で使用されて広まった事によるもの。海外では「悲しみ」や「憂鬱」を意味する"Tristesse"の愛称で呼ばれる事があるようです。練習曲としては旋律とポリフォニーの練習と中間部は様々な度数の重音跳躍の練習曲になっています。
ショパン自身「一生のうち二度とこんな美しい旋律を見つけることはできないだろう」と語ったと言われるほどの美しい旋律は、左手の淡々とした
伴奏に乗って歌われます。この旋律のクライマックスはstretto e piu cresc.「畳みかけるように、かなり音を大きくしていく」という指示で頂点に達した後、静かに引いていきます。
中間部は、ややテンポを上げて重音によるメロディが弾かれ、合間では不協和音を含めた和音の連打が出てきます。中間部の終わりは、この和音の連打から最初のメロディが導きだされ、もう一度クライマックスを築いた後、テンポを遅めながら消えるように曲を閉じます。
多分、主部の美しいメロディだけだったら、100選の最後に紹介する曲にはなっていなかったと思いますが、この中間部と合わせて最高の曲となったと思います。

« 2025年7月 | トップページ | 2025年9月 »