7月14日 名曲100選 協奏曲篇・98 ピアノ協奏曲第1番(ショパン)
いよいよ各ジャンルのラスト3になります。
ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調op.11は1830年に完成されたピアノとオーケストラのための協奏曲です。
第1番の番号がついていますが、実際は第2番の方が1829年に作曲されています。
ショパンのピアノ協奏曲はオーケストレーションが貧弱と批判される事もあって、実際に管弦楽部分を編曲したものもありますが、それでも大変に魅力的な曲だと思います。
「のだめカンタービレ」で、のだめがロンドンでピアニストとしてデビューした曲として使われています。
構成は通常の急ー緩-急の協奏曲の構成になっています。
第1楽章 協奏風ソナタ形式 オーケストラによってマズルカ風の第1主題とポロネーズ風の副主題、第2主題が演奏された後ピアノが登場。冒頭こそ、ちょっと力が入っている感じはありますが、その後は非常に華やかに展開されていきます。
第2楽章 弱音器をつけた弦楽器の短い序奏の後、美しい主題が現れます。ショパンらしく美しい上にリズミカルな雰囲気を持ち合わせた楽章です。
第3楽章 短い序奏の後、ポーランドの民族舞踊の「クラコヴィアク」を基にした華麗なロンドが展開されます。コーダ部分のアルペジョは高度な技術が要求される最大の見せ場になっています。
ショパンはこの曲をウィーンへ出発するためにポーランドへの告別の意味で作曲したと考えられており、かなり力を入れて作った事が想像されます。