6月30日 名曲100選 協奏曲篇・96 ピアノ協奏曲第1番(チャイコフスキー)
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番変ロ長調op.23は、友人でありモスクワ音楽院の院長であったニコライ・ルビンシテインの献呈しようと考えて1874年から75年にかけて作曲されたものです。
草稿の段階でルビンシテインに聴かせたところ、ルビンシテインから「陳腐、演奏不能、書き直した方が良い」と酷評されましたが、チャイコフスキーは献呈先をタネーフに変更して作曲を進めたというエピソードがある曲です。
結局献呈先はハンス・フォン・ビューローになり初演はアメリカで行われました。
最終的にはルビンシテインは指揮者としてモスクワ初演に参加し、その後何度も独奏ピアノを受け持ってこの曲の普及に貢献したという事です。
3楽章の協奏曲構成です。第1楽章は、有名な雄大な序奏から始まりますが、この序奏のテーマは登場するのはここだけ。第1主題はウクライナ民謡のリズムに基づくもの、第2主題はクラリネットによって提示されます。第3主題まであって、最後は第3主題から短いコーダへ進みます。
第2楽章は弦のピツィカートの上をフルートがロシア風のゆったりとしたメロディを吹き、中間部ではフランスの古いシャンソンが元になっている軽快なメロディとピアノのリズムの絡みが美しい楽章です。
第3楽章は自由なロンド形式。ウクライナ民謡に基づく第1主題から始まり最後は怒涛の響きで終わります。
第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンの録音したピアノ協奏曲第1番がビルボードのポップスアルバムチャートで7週連続1位となったという大フィーバーにより、この曲は一躍有名になりました。
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