ホームページ

ウェブページ

紹介した音楽

2025年11月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 2025年4月 | トップページ | 2025年6月 »

2025年5月31日 (土)

5月31日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・91 道化師のソネット

「道化師のソネット」は1980年に公開された映画「翔べイカロスの翼」の主題歌です。
「翔べイカロスの翼」は、大学卒業後写真家を目指していたがなかなか芽が出ず、命がけの芸に生きるサーカス団員を取材するうちに、彼らの世界を内側から撮りたいという思いに駆られ、キグレサーカスに入団した栗原徹の実話を草鹿宏が書いた同名のノンフィクション作品を原作とした映画。栗原徹は熱意と努力でピエロを目指しパントマイムやアクロバットの技術を身に着け、綱渡りにも挑戦し、ピエロのクリちゃんとして人気者になりましたが、水戸の興行で20代の若さで事故死してしまいました。
 「翔べイカロスの翼」は栗原にパントマイムを教えたヨネヤマ・ママコが常識に挑むかのように短い生涯を駆け抜けた栗原を、蝋で固めた翼によって自由に飛べるようになったが太陽に近づきすぎて蝋が解け翼を失い墜落死してしまうというギリシャ神話のイカロスに例えた事によります。
主題歌は、主演として栗原を演じたさだまさしの「道化師のソネット」。映画自体はインディーズだったためヒット作品とはなりませんでしたが、主題歌はオリコン最高位2位(1位は海援隊の「贈る言葉」)の大ヒット曲となりました。
ソネットは14行からなるヨーロッパの定型詩で、さだが詩を完成させたところ偶然14行になったため、タイトルにソネットをつけたそうです。

2025年5月30日 (金)

6月は演奏会だらけ~ その1

今年の6月は、演奏会が重なってしまいました。今まで同月に2回というのはありましたが、3回というのは初めて。混乱しないで乗り切れるように切磋琢磨しております。全部開演時間は14:00です。

6月1日(日) 和光市民オーケストラ第35回定期演奏会  会場 和光市民文化センターサンアゼリア
指揮 佐藤宏充
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
グリーグ 劇音楽「ペール・ギュント」第1組曲
シベリウス 交響曲第2番ニ長調
という北欧プログラムです。
「フィンランディア」は、1899年に作曲された曲。フィンランドは1809年までスウェーデン王国に属していましたがスウェーデンが第二次ロシア・スウェーデン戦争に敗れたため、ロシアがフィンランドを併合しフィンランド大公国を建国しました。19世紀半ばすぎからのナショナリズムの高まりと、ロシア語の強制などによる圧政にフィンランド人の不満は高まり独立運動が起こっていたというのが19世紀末から20世紀初頭にかけての状況下でした。そんな中で新聞社から依頼されたフィンランドの歴史劇の最終曲として作曲されたのが「フィンランド人は目覚める」という曲。それが改題されたものが「フィンランディア」です。
 「フィンランディア」は2つの序奏と三部形式の主部の3つの部分から構成されています。序奏Aではロシアの圧政を表現したと思われる金管楽器の重苦しい音楽から始まり悲痛な叫びが木管、弦楽器と引き継がれていきます。
序奏Bは闘争の音楽。ティンパニのトレモロに乗って金管楽器と打楽器が激しい音楽を奏でます。
主部は最初に序奏Bから派生した快活な音楽が鳴り響き、中間部では後の「フィンランディア賛歌」として第二の国歌とも呼ばれる荘厳なメロディが演奏され、最後に高らかに勝利を歌って曲を閉じます。
 この曲は表面的には演奏が難しい曲ではありませんが、クレッシェンドを多用した激しいダイナミックスの変化と、その場面場面での音の表現力が要求されるので、巧く聴かせるのは簡単では無い曲です。

「ペール・ギュント」の第1組曲は、小学校の教科書にも掲載されている超有名曲。イプセンの原作による身分不相応な大きな夢を抱いた村を飛び出したペール・ギュントの冒険談の劇音楽。朝、オーゼの死、アニトラの踊り、山の魔王の宮殿で の4曲からなります。朝と山の魔王の宮殿はオーケストラ曲ですが、オーゼの死は弦楽合奏曲、アニトラの踊りは弦楽合奏とトライアングルのみ。山の魔王の宮殿は原曲では男声合唱が入ります。

シベリウスの交響曲第2番は、シベリウスの代表作のひとつ。4楽章の構成ですが、第3楽章から第4楽章は続けて演奏されるように作曲されています。
この曲の難しさは目まぐるしく変化する曲調と、やたらに多いクレッシェンドとスフォルツァンド。第2楽章冒頭ではコントラバスは裸でピツィカートを弾き続けます。個人的にはピツィカートの連続はキライ。ピツィカートは弦を押さえる左手の指が少しでも緩んだらまともな音にならないので、物凄く疲れます。他の弦楽器に比べてコントラバスの弦は太いので、しっかり押さえるのに結構力が必要。弓で弾く場合よりきっちり押さえる必要があるのです。
まあ、でも一度は演奏してみたかった曲なので、本番も楽しみます。
ちなみに、「ペール・ギュント」は2回目、「フィンランディア」は4回目ぐらい。
   to be continued

5月30日 名曲100選 器楽曲篇・91 ジムノペディ第1番

「ジムノペディ」はサティが1888年に作曲したピアノ曲です。
全部で3曲で、どの曲も4分の3拍子のゆっくりとしたテンポで、装飾のない簡素な曲になっています。
但し、それぞれに演奏上の指定があり第1番「ゆっくりと苦しみをもって」、第2番「ゆっくりと悲しさをこめて」、第3番「ゆっくると厳粛に」となっています。
「ジムノペディ」という名称は、青少年たちが古代ギリシャのアポロン、バッカスなどの神々を讃える祭典「ギュムノパイディア」に由来したもので、サティはこの祭りの様子を描いた古代の壺を見て曲想を得たと言われています。特に1番はサティの代表作と言われる曲です。
友人のドビュッシーがこの第1番と第3番を管弦楽に編曲しています。
この曲には気分を落ち着かせるヒーリング効果があるとされ、病院の血圧測定中に緊張をほぐすBGMとして流されたり、精神科の音楽療法の一部として使用されるなどBGMとして使わる機会の多い曲です。

2025年5月29日 (木)

5月29日 名曲100選 海外のポップス篇・91 イエスタディ・ワンス・モア

「イエスタディ・ワンス・モア」はカーペンターズが1973年に発売したシングルで、ジョン・ベティス作詞リチャード・カーペンター作曲の楽曲です。Billboard 全米チャートの最高位は2位。
内容は昔ラジオで聴いていたオールディーズを懐かしむという曲。アルバム「ナウ・アンド・ゼン」のB面は、この曲から始まり、オールディーズのカバー・メドレーに続き、最後に「イエスタディ・ワンス・モア」の冒頭部分が繰り返しリプライズされるという構成になっていました。
日本とイギリスではカーペンターズ最大のヒット曲となりオリコン洋楽チャートでは26週連続1位を記録しました。

2025年5月28日 (水)

5月28日 名曲100選 声楽曲篇・91 レクイエム(フォーレ)

フォーレのレクイエム ニ短調op.48は、1888年に第1稿が初演されました。
その後1892年には第2稿が、そして現在一般的に演奏される第3稿が1900年に初演されています。
この曲は特定の人物や事柄を意識して書いたものではなく、一般的な音楽として作曲されたものです。
第3稿は全7曲で通常の典礼文とはかなり異なる構成になっています。レクイエムで通常入れられている「怒りの日」や「ベネディクトゥス」が無く、涙の日(ラクリモーサ)も一部のみが「ピエ・イエズス」として入れられています。
また編成も、かなり特殊な編成で、木管楽器はオーボエを欠き、フルートとクラリネットも第4曲のみ、ティンパニは第6曲のみ、その他の金管楽器やハープも1~3曲のみの登場となっています。
また、弦楽器はヴィオラとチェロが2パートに分かれ、ヴァイオリンはほぼ1パートで第1・2・4曲には使われていません。
声楽もボーイ・ソプラノと男声合唱・少年合唱かソプラノと男声合唱・女声合唱という組み合わせが通常のパターンになります。
曲の構成は
第1曲 イントロイトゥスとキリエ(入祭唱とキリエ)
第2曲 オッフェルトリウム(奉献唱)
第3曲 サンクトゥス(聖なるかな)
第4曲 ピエ・イエズス
第5曲 アニュス・デイ(神羊誦)
第6曲 リベラ・メ(赦祷文)
第7曲 イン・パラディスム(楽園へ)  出棺・埋葬時に歌われる曲で、通常のレクイエムには含まれていません。
「怒りの日」も無いため、他のレクエイムに比べると全体が非常に美しい曲になっています。

2025年5月27日 (火)

5月27日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・91 ひだまりの詩

「ひだまりの詩」は夫婦ユニットLe Couple(ル・クプル)の5枚目のシングルで1997年5月に発売されました。
これまで、ヒットに恵まれませんでしたが、テレビドラマ「ひとつ屋根の下2」の挿入歌として使われオリコン最高位2位の大ヒットとなりました。
ロングヒットとなり年間チャートでも第3位というLe Coupleの代表曲となりました。
別れた恋人の良さが時を経て、わかるようになったという曲。後悔ではなくて、昔を懐かしんだ暖かい雰囲気の歌です。

2025年5月26日 (月)

5月26日 名曲100選 協奏曲篇・91 ピアノ協奏曲第20番(モーツァルト)

いよいよ今週から最後の10曲になります。勿論独断と偏見ですが、一応ベスト10という事で・・・
モーツァルトという作曲家は、あまり短調の音楽が好みでは無かったのか、性格的に頭に浮かぶのが長調の音楽が多かったのか定かではありませんが、27曲あるピアノ協奏曲の中で短調はわずか2曲。(41番まである交響曲の中でも短調はたった2曲)この20番と24番だけです。
短調といっても、情熱的でドラマチックな展開の曲です。
ベートーヴェンはこの曲を大変気に入っていて、第1楽章と第3楽章にあるカデンツァを書き残しています。他にもフンメル、クララ・シューマン、ブラームスなどもカデンツァを残しましたが、現在の演奏会ではベートーヴェンのカデンツァが使われる事が圧倒的に多いようです。
特に第2楽章のロマンツェが有名で、モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも最も美しい楽章とも言われています。映画「アマデウス」のエンディングにも使われた曲です。

2025年5月25日 (日)

5月25日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・90 歌劇「イドメネオ」バレエ音楽

モーツァルトの歌劇「イドメネオ」は1791年に作曲された3幕のオペラです。
正式なタイトルは「クレタの王イドメネオ、またはイリアとイダマンテ」というトロイア戦争後のクレタ島を舞台としたオペラ・セリアです。
この歌劇の初版の途中と結末に上演するバレエ音楽は、20分を超える長大なもので、現在はオペラ本体を上演する際には省かれる事が多いですが、逆に独立した曲として演奏される事も多く、ケッヘル番号もオペラ本体がK.366であるのに対し、K.367という独立した番号が与えられています。
バレエはシャコンヌ、パ・スール、パスピエ、ガヴォット、パッサカリアの5曲からなっています。

2025年5月24日 (土)

5月24日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・90 sign

JUJUが歌った「sign」は、映画「麒麟の翼」の主題歌として起用されました。
「麒麟の翼」は、東野圭吾原作の加賀恭一郎シリーズの映画化作品。加賀恭一郎シリーズで映画化されたのはこの「麒麟の翼」と「祈りの幕の下りる時」の2作品です。
加賀恭一郎が練馬署から日本橋署に異動してきた「新参者」に続く2作目で2012年に公開されました。ミステリー作品なので内容の説明は省きます。
主題歌はJUJUの20枚目のシングル、「sign」で作詞牧穂エミ、作曲川口大輔です。

2025年5月23日 (金)

5月23日 名曲100選 器楽曲篇・90 別れのワルツ

ショパンのワルツ第9番変イ長調op.69-1は1835年に作曲されました。
1835年にポーランドからパリへ戻る際に一週間ほど滞在したドレスデンで、かつてピアノを教えた事があるショパンより9歳下のマリア・ヴォジンスカの成長した姿を見て恋をしたショパンがドレスデンを去る際にマリアへ贈った曲。翌年にショパンはマリアに結婚を申し込みましたが、マリアがまだ若すぎた事やショパンの健康状態の悪化などによって無期限の延期となって結局1837年に婚約は破棄されてしまったというエピソードがあります。
ゆっくりとしたテンポのワルツですが、動きのある少し憂いを含んだ美しい曲です。

2025年5月22日 (木)

5月22日 名曲100選 海外のポップス篇・90 朝焼けの少女

「朝焼けの少女」(The Most Beautiful Girl)は1973年にチャーリー・リッチがリリースしてBillboard全米チャートの1位となった曲です。
元々は1968年にビリー・シェリルが発表した「Hey Mister」を作り直した曲。
チャーリー・リッチはジャズやブルース、ロックン・ロールを歌っていましたがパットせず、1973年にカントリー風の「愛の扉」(Behind Closed Doors)が全米15位のヒットとなり脚光を浴び、それに続くシングルとして発表した「朝焼けの少女」が大ヒットとなったわけです。
邦題の「朝焼けの少女」は内容とは殆ど関係ない題名で、曲の内容は失恋ソング。この世で一番美しい娘への未練を歌った曲です。

2025年5月21日 (水)

5月21日 名曲100選 声楽曲篇・90 アヴェ・マリア(シューベルト)

シューベルトの「アヴェ・マリア」は、「アヴェ・マリア」というタイトルから宗教曲と誤解される事が多いようですが、実はウォルター・スコットの叙事詩「湖上の美人」を元にした歌曲で、正式なタイトルは、「エレンの歌」第3番です。
非常に美しい旋律で知られるシューベルトの代表作のひとつです。

2025年5月20日 (火)

5月20日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・90 あなたを・もっと・知りたくて

「あなたを・もっと・知りたくて」は1985年に発売された薬師丸ひろ子5枚目のシングルです。
角川映画から独立し、自身の主演映画とは関係のない初めてのシングル。民営が直後のNTTキャンペーン・ソングに使用されました。
電話のコール音や、セリフが入るラブ・ソング。作詞松本隆、作曲筒美京平で、オリコン最高位2位のヒットとなりました。

2025年5月19日 (月)

5月19日 名曲100選 協奏曲篇・90 ヴァイオリン協奏曲ホ短調(メンデルスゾーン)

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64は1844年に作曲された3大ヴァイオリン協奏曲のひとつと称される曲です。
メンデルスゾーンがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の常任指揮者だった時にコンサート・マスターのフェルディナント・ダヴィットのために助言を受けながら作曲したものです。
約30分の曲は、3つの楽章で出来ていますが、切れ目なく演奏されます。と言っても各楽章の楽想は完全に独立しています。
第1楽章は序奏が無く弦楽器の分散和音の上で独奏ヴァイオリンによって有名な旋律の第1主題が奏でられます。第2主題は木管楽器で提示されそれを独奏ヴァイオリンが引き継ぐ展開になっています。カデンツァはコーダの前ではなく展開部の終わりに挿入され、この時代としては珍しく作曲さ自身が全ての音符を譜面に書きこんでいます。
カデンツァの後に再現部があり、その後長いコーダではヴァイオリンの技巧的な音楽が繰り広げられます。
第2楽章は、第1楽章からのファゴットの持続音に乗って独奏ヴァイオリンが優美な主部主題を演奏します。中間部は若干重々しい音楽です。
第3楽章は第2楽章の中間部に基づく序奏があり第1主題の断片の軽快な動機を独奏ヴァイオリンが4回奏でた後、第1主題に入ります。第1主題も軽快で快速な音楽です。第2主題は力強い音楽で最後は華やかに曲を閉じます。

2025年5月18日 (日)

5月18日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・89 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲

「アルジェのイタリア女」はロッシーニが1813年に作曲した2幕物のオペラです。
オスマン帝国の治世下のアルジェリアのアルジェを舞台にしたもので、太守ムスタファが妻エルヴィラに飽き、難破したイタリア船の乗組員のイタリア女イザベルラを物にしようとしますが、イザベルラはそこで行方不明になっていた恋人のリンドーロが奴隷となっている事を発見し知恵を絞って脱走に成功し、ムスタファもイタリア女に手を出したことを懲りて妻エルヴィラに詫び、元の鞘に収まったというストーリー。
序曲は弦楽器の弱音のピッツィカートとオーボエによるゆったりとした序奏の後、明るく躍動感あふれるソナタ形式の主部に続きます。

2025年5月17日 (土)

5月17日 名曲100選 映画音楽(邦画篇)・89 さびしんぼう

「さびしんぼう」は1985年に公開された大林亘彦監督の映画です。尾道三部作のひとつで、主演は富田靖子と尾美としのり。
原作は、山中恒の「なんだかへんて子」。
尾道を舞台にした少年のノスタルジックな恋物語。
「さびしんぼう」は大林監督の造語で、広島弁で悪ガキを意味する「がんぼう」に対する女の子の呼び名が無いので考えた言葉。
主人公のひろきの周りに現れる2人の「さびしんぼう」とひろきの間の感情を中心に展開していきます。
主題歌は、ショパンの「別れの曲」に売野雅勇が詞をつけた「さびしんぼう」で富田靖子が歌っています。ショパンの「別れの曲」はひろきの母の憧れの曲です。

2025年5月16日 (金)

5月16日 名曲100選 器楽曲篇・89 夏の名残のばらによる変奏曲

オーストリアのヴァイオリニスト ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンストが1865年に作曲した無伴奏ヴァイオリンのための6つの練習曲の最後の6曲めの曲が、「夏の名残のばら」による変奏曲です。
「夏の名残のばら」は日本では「庭の千草」として親しまれた曲ですが、元々はアイルランドの詩人トーマス・ムーアが書いた詩にアイルランド民謡の「ハイド城」という曲の旋律をつけて歌われるようになった曲です。
クラシック界でも多くの作曲家に愛された曲で、ベートーヴェン、ジュリアーニ、メンデルスゾーンなどによって素材として使われています。
エルンストの夏の名残のばらによる変奏曲は、無伴奏のヴァイオリンのために書かれた曲で、聴きなれた旋律とヴァイオリンの技巧が相まって素晴らしい曲となっています。

2025年5月15日 (木)

5月15日 名曲100選 海外のポップス篇・89 ウィザウト・ユー

「ウィザウト・ユー」はイギリスのロックバンド バッド・フィンガーのピート・ハムとトム・エヴァンスによって作詞作曲された曲です。
1970年にリリースされたバッド・フィンガーのアルバム「ノー・ダイス」に収録され翌1971年にハリー・ニルソンがシングル発売し、全米シングルチャートで4週連続1位の大ヒットとなりました。その後マライア・キャリーなど多くのアーチストに取り上げられるスタンダード・ナンバーとなっています。
曲の内容は、シンプルはラヴソングで、サビの部分で I can't live (私は生きていけない)が4回繰り返されます。
君無しでは生きていけない、君にはもうこれ以上何も与えられないという歌詞を2度繰り返すサビは、ニルソンの絶叫のような歌と共にとても印象に残ります。

2025年5月14日 (水)

5月14日 名曲100選 声楽曲篇・89 山に祈る

合唱組曲「山に祈る」は1960年に清水脩が作曲した男声合唱組曲です。後に混声合唱へも編曲されています。
昭和34年秋、長野県警察本部が山での遭難事故の頻発に業を煮やし、遭難者の遺族たちの手記を集めた「山に祈る」という小冊子を発行して遭難防止を訴えました。
ダークダックスが、その巻頭に掲載された上智大学山岳部の飯塚揚一氏の遭難を、彼の残した日誌と彼の母親の手記によって合唱組曲を作る企画を立て、作詞作曲を清水脩に依頼して出来上がったのが合唱組曲「山に祈る」でした。元々は小管弦楽の伴奏ですが、ピアノ伴奏版もあります。
昭和33年3月、北アルプス登山を目指して先発隊を2人の部員が追いかけました。飯塚さんの同行者は前泊の燕山荘で体調を崩し登山を断念し、飯塚さんは単独で合流地点へ向かいますが、天候が急変し遭難、凍死してしまいました。
この事実を基に、若干の脚色を交えて作られた曲です。曲と曲の間には一部母親の朗読という形でモノローグが入ります。
アルプホルン風の短い前奏の後
第1曲 「山の歌」 山への憧れや登山の楽しみを歌った曲
第2曲「リュックサック」 重たいけれど頼りになるリュックサックへの想いを歌った曲
第3曲 「山小屋の夜」 山小屋から空を見上げる感傷的な曲です
第4曲 「山を憶う」 なぜ山に登るのか、なえ山を憶うのかを通して山の厳しさを歌った激しい曲です
第5曲 「吹雪の歌」 激しい吹雪を表現した強烈な曲です。
第6曲 「お母さんごめんなさい」 死を目前にした手記。実際の手記の最後の一節「山でうぬぼれず、つねに自重する事」の朗読を挟んで「お母さん、ごめんなさい」で曲を閉じます。

2025年5月13日 (火)

5月13日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・89 ジョニィへの伝言 

「ジョニィへの伝言」は、1973年にリリースされたペドロ&カプリシャス4番目のシングル曲です。
ペドロ&カプリシャスのボーカルが高橋真梨子(当時高橋まり)に変わって最初の作品です。
当初はあまり売れず、オリコンチャートも最高位24位どまりですが、42週間100位以内にチャートインするロングヒットとなりました。
作詞は阿久悠、作曲は都倉俊一。
態度のはっきりしない恋人を待ちくたびれて愛想尽かしをして町を出て行く踊り子の女の子の心情を歌ったもので、友人に自分の気持ちの伝言をお願いするという内容の曲。別れの曲ですが、前のヒット曲「別れの朝」の悲しい別れと違って、前を向いて出て行く様子が明るく歌われています。

2025年5月12日 (月)

5月12日 名曲100選 協奏曲篇・89 神聖な舞曲と世俗的な舞曲

「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」はドビュッシーが1904年に作曲したハープ独奏と弦楽合奏のための協奏的作品です。
この曲は、プレイエル社が開発した半音階ハープのために作曲されました。従来のハープが全音階に調律され半音階はペダル操作を必要としたのに対し弦の数を増やして半音階の演奏をしやすくしようと開発されたものですが、結局この楽器は普及せず、エラール社の開発したダブル・アクション方式のペダル・ハープが現在のハープの原型となりました。
発明当時は半音階ハープは注目を集め、プレイエル社は普及のためドビュッシーに作曲を依頼して完成したものです。現在は勿論ペダル・ハープで演奏されます。
緩やかな神聖な舞曲とテンポの速い世俗的な舞曲が続けて演奏されます。

2025年5月11日 (日)

5月11日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・88 友人フリッツ間奏曲

歌劇「友人フリッツ」はマスカーニが1891年に作曲した3幕のオペラです。
有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」に比べると遥かに知名度も低く上演回数も少ない作品ですが、いくつかのアリアや間奏曲は単独で演奏される曲になっています。
悲劇的な結末となる「カヴァレリア・ルスティカーナ」とは内容も作風も異なり、主人公である頑固な独身主義者の農場主フリッツと農場の管理人の娘スゼルが司祭や友人たちの策略や協力でめでたく結婚するという話です。
間奏曲は第2幕と第3幕の間の音楽で、オペラの内容よりも重厚な音楽です。そういえば、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲はあの悲劇的で暗い内容の歌劇のものとは思えない美しい音楽で、この人こういう捻りをするのが好きだったのでしょうか。

2025年5月10日 (土)

5月10日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・88 海の見える街

「海の見える街」は、ジブリアニメ「魔女の宅急便」のサウンドトラックの1曲。
主人公の魔女キキが初めて物語の舞台となる港町に降り立つシーンで演奏される音楽です。作曲は久石譲。
弦楽器のピツィカートで始まる印象的なメロディが、やがて管楽器、弦楽器のアルコと形を変えて美しい響きを出しています。
「魔女の宅急便」のオープニング・テーマとエンディング・テーマは松任谷由実の「ルージュの伝言」と「やさしさに包まれたなら」ですが、映画の中の音楽は久石譲が担当しています。
ジブリ・アニメの多くは久石譲が音楽を担当しています。主題歌はこの「魔女の宅急便」や「紅の豚」、「ハウルの動く城」「風立ちぬ」など久石譲が作曲していないものも少なくありませんが、サウンドトラックはどれも素敵な曲です。
中でも、「風の谷のナウシカ」「魔女の宅急便」「千と千尋の神隠し」は本当に名曲揃いのサウンドトラックだと思います。


2025年5月 9日 (金)

5月9日 名曲100選 器楽曲篇・88 舞踏への勧誘

「舞踏への勧誘」変ニ長調op.65は、1819年にウェーバーが作曲したピアノ曲です。
ベルリオーズが編曲したオーケストラ版が有名ですが、原曲はピアノ独奏のための曲です。
曲は、大きく2つの部分に分かれています。
最初に登場するModeratoの部分は、男性が女性を舞踏へと誘う部分。低音のメロディは男性が誘い、高音のメロディは女性がそれに答えるというもの。これは最後に、別れを名残惜しんでお辞儀をして別れるというストーリーで登場します。
真ん中のAllegro vivace は、華やかなワルツ。いくつかのワルツのメロディが次々と流れて行きます。

2025年5月 8日 (木)

5月8日 名曲100選 海外のポップス篇・88 あなたしか見えない

「あなたしか見えない」(Don't  Cry Out Loud)は1978年にリリースされたメリサ・メンチェスターのヒット曲です。
元々は、ピーター・アレンとキャロル・ベイヤー・セイガーが1976年に作ってザ・モーメンツがリリースした曲。その時は全米チャートで79位までしか上がりませんでしたが、メリサ・マンチェスターが歌って全米10位のヒットになりました。
その後1979年にリタ・クーリッジが歌って東京音楽祭でグランプリを受賞し、多くのカバー曲が生まれています。
日本では当初は「悲しみは心に秘めて」というタイトルでしたが、リタ・クーリッジや伊東ゆかりのカバーが「あなたしか見えない」のタイトルでヒットしたため変更されました。


2025年5月 7日 (水)

5月7日 名曲100選 声楽曲篇・88 野ばら(シューベルト)

「野ばら」はゲーテの詩にシューベルトやウェルナー、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどが曲をつけた歌曲です。
中でも日本ではシューベルトとウェルナーの曲が有名。近藤朔風によって訳詞がつけられ音楽の教科書にも掲載され広く知られるようになりました。
シューベルトの「野ばら」は初期の傑作と言われる軽快な作品。ウェルナーの「野ばら」は流麗なメロディの作品という対照的な曲になっています。ウェルナーの「野ばら」はこちら

 

2025年5月 6日 (火)

5月6日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・88 真夜中のギター

「真夜中のギター」は1969年に発売された千賀かほるのデビューシングル。フォークソングの名曲として多くの歌手にカバーされています。
作詞は吉岡治、作曲は河村利夫。オリコン最高位4位のヒットとなり、千賀かほるは、この曲で日本レコード大賞の新人賞を受賞しました。
失恋ソングなのですが、悲壮感は無く、こういうときは孤独で辛いものだから黙って夜明けまでギターを弾こうよ、という歌です。
この頃は、猫も杓子もギターを爪弾く時代だったので、こういう曲が出来たのでしょう。

2025年5月 5日 (月)

5月5日 名曲100選 協奏曲篇・88 トランペット協奏曲(フンメル)

フンメルのトランペット協奏曲ホ長調は1803年に作曲されました。
ウィーンのトランペットのヴィルトゥオーゾで有鍵トランペットの発明者アントン・ヴァイディンガーのために作曲したもの。フンメルはこの翌年に、ハイドンの後任でエステルハージ宮廷楽団の楽長に就任しています。
現在の変ロ長調のトランペットで演奏しやすいように、半音下げた変ホ長調で演奏される機会が多くなっています。
古典派のトランペット協奏曲としては、ハイドンの協奏曲と並ぶ名曲とされています。

2025年5月 4日 (日)

5月4日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・87 魔の炎の音楽

「魔の炎の音楽」は、ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」の第3幕第3場で演奏される曲です。
「ワルキューレ」は「ニーベルンクの指環」の2作目(第1夜)の楽劇です。
ヴォータンに、ジークムントに死をもたらすように命ぜられたワルキューレのブリュンヒルデは、ジークムントとジークリンデの兄妹愛に心打たれ、ジークムントを救おうとしますがジークムントは殺されてしまいます。命に背いたブリュンヒルデは、自分への罰としてヴォータンに「自分の周りに火を放ち臆病者を近づけないようにしてほしい」と嘆願し、岩山に横たえたブリュンヒルデの周りに火を放つ場面の音楽が「魔の炎の音楽」です。

2025年5月 3日 (土)

5月3日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・87 セーラー服と機関銃

「セーラー服と機関銃」は1981年に公開された角川映画。原作は赤川次郎、主演は薬師丸ひろ子。
ヤクザの組長が突然亡くなり、高校生の娘が組長となって敵対する組へ殴り込みをかけるというお話。
薬師丸ひろ子が機関銃を撃って「カイカン」としゃべるセリフが流行となりました。
主題歌は、この曲が歌手としてのデビュー曲となった薬師丸ひろ子が歌っています。
当初は作曲者の来生たかおが「夢の途中」というタイトルで歌う予定でしたが、当時はまだ無名だった来生たかおから薬師丸ひろ子に変更。
来生側が突然の降板に激怒しましたが、両方ヒットさせるとキティ・レコードの多賀社長が約束し、説得したという事でした。
結局、薬師丸の「セーラー服と機関銃」と来生たかおの「夢の途中」はほぼ同時期にリリースされ、「セーラー服と機関銃」はオリコン5週連続1位の大ヒット、「夢の途中」もオリコン4位のヒットとなり、来生たかおは一躍売れっ子となりました。

2025年5月 2日 (金)

5月2日 名曲100選 器楽曲篇・87 「スペイン」

「スペイン」Op.165は、アルベニスが1880年に作曲した全6曲のピアノ曲です。
アルベニスには似たような名称の作品がたくさんあって「スペイン舞曲」op.37とか組曲「スペイン」第1番op.47、第2番op.97、スペインの歌op.232など紛らわしいのですが、op.165は、第2曲に「アルベニスのタンゴ」として有名な曲がある組曲です。
「スペイン」はプレリュード、タンゴ、マラゲーニャ、セレナータ、カタルニア奇想曲、ゾルツィコの6曲。
タンゴは、ギターソロにも編曲されています。冒頭からタンゴのリズムに乗った清々しいメロディの曲が展開されていきます。

2025年5月 1日 (木)

5月1日 名曲100選 海外のポップス篇・87 オー・シャンゼリゼ

「オー・シャンゼリゼ」は、パリのシャンゼリゼ通りをモチーフにフランスの歌手ジョー・ダッサンの曲として1969年に発売されました。
元々は、イギリスのサイケデリック・バンド ジェイソン・クレストによって1968年に発表されたロンドンの「ウォータールー通り」を舞台にした楽曲でしたが、フランスの作詞家ピエール・ドラノエによって差し替えられたもの。「ウォーター・ルー」は、ベルギーのワーテルロー、ナポレオンがイギリスに敗れた戦場の名称と同名だったため、そのままではフランスでは発売できないため、差し替えられたそうです。
1971年にダニエル・ビダルが歌って日本では大ヒットしたため、日本ではシャンソンとして扱われています。
後に岩谷時子が日本語に訳して越路吹雪などが日本語で歌ってカバーしました。

« 2025年4月 | トップページ | 2025年6月 »