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2025年3月24日 (月)

3月24日 名曲100選 協奏曲篇・82 ブランデンブルク協奏曲第5番

J.S.バッハは6曲から成る合奏協奏曲集を作曲しました。1721年3月にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈されたため、ブランデンブルク協奏曲とよばれる曲です。作曲された順番は第6番、第3番、第1番、第2番、第4番、第5番の順ですが、バッハは数多い協奏曲の中から6曲を選んで、編成の大きい物から順番に番号をつけたと考えられています。
第5番は、独奏楽器にはフルート、ヴァイオリンとチェンバロが指定され、通奏低音が協奏曲集の中で唯一存在していない曲です。
第1楽章にチェンバロの長大なカデンツァがあり、第2楽章は独奏楽器群のみの演奏、第3楽章はフーガ風に曲が展開されていきます。
第1楽章冒頭は、曲集の中で代表的な旋律のひとつとして知られています。

2025年3月23日 (日)

3月23日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・81 ポロヴェッツ人の踊り

「ポロヴェッツ人の踊り」(ダッタン人の踊り)は、ボロディンが作曲した歌劇「イーゴリ公」の第2幕で演奏される音楽です。
ポロヴェッツ人の捕虜となったイーゴリ公と息子のヴラヂーミルがポロヴェッツ軍の野営地で余興を見る場面で展開される音楽で、その前にだったん人の娘の踊りが演奏される事もあります。
序奏から始まり、非常に艶っぽい娘たちの踊り、激しい男たちの踊り、勇壮な全員の踊りなどが次々に展開されていきます。
オペラでは、合唱が加わりますが、オーケストラの演奏会で演奏される場合は合唱は省かれる事が多いです。
「ストレンジャー・イン・パラダイス」などのポピュラー音楽にも引用されるクラシック音楽の中でも特に愛される音楽のひとつです。

2025年3月22日 (土)

3月22日 名曲100選 映画音楽(邦画)編・81 HANA-BI

「HANA-BI」は北野武が監督しビートたけしが主演した1998年の映画です。
部下が銃撃を受けて死傷者を出して責任を感じて退職した刑事が、不治の病に冒された妻に不自由な生活をさせないうようにヤクザから金を借りて返済に滞り銀行強盗をして借金を返済し最後の旅に出る。銀行強盗をした事に気づいたヤクザや、彼の行動を不審に思って追いかける元部下たちに追い詰められていく、というストーリーです。
音楽は久石譲。北野武から「アコースティックなきれいな音楽」というう要望があり弦楽主体の音楽となっています。

2025年3月21日 (金)

3月21日 名曲100選 器楽曲篇・81 子供の領分

「子供の領分」はドビュッシーが当時3歳だった娘のエンマ(愛称シュシュ)のために作曲されたピアノ曲です。
子供が演奏する事を意図したものではなく、大人が子供らしい気分に浸ることを目的とした作品です。
全6曲から成っています。
第1曲 グラドゥス・アド・パルナッスム博士  クレメンティの練習曲「グラドゥス・アド・パルナッスム」のパロディで、練習曲に挑戦する娘の姿を描いたもの。
第2曲 象の子守歌 五音音階の旋律と2度の和音による異国情緒豊かな曲です。
第3曲 人形へのサレナード 象の音楽同様五音音階による主題に基づくもの
第4曲 雪は踊っている 静かに降る雪を飽きずに眺めている子供たちと、雪の妖精たちの踊りを表現しています。
第5曲 小さな羊飼い 付点のリズムの単旋律が静かに奏でられます
第6曲 ゴリウォーグのケークウォーク  ゴリウォーグは黒人の男の子人形のキャラクター。ケークウォークは黒人のダンスの一種。この曲の中で最も有名な曲。中間部にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の冒頭の動機部分が引用されています。

2025年3月20日 (木)

3月20日 名曲100選 海外のポップス篇・81 君の友だち

「君の友だち」(You've Got a Friend」は1971年にアメリカのシンガー・ソングライターのキャロル・キングが発表した曲で、1972年のグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞した曲です。
「君の友だち」は、キャロル・キングの最高傑作と言われるアルバム「つづれおり」に収録されている曲で、「つづれおり」からは「イッツ・トゥー・レイト」がシングルカットされました。
この曲はジェームス・テイラーもカバーして、シングルでも発売し、Billboard Hot100の1位を獲得して、グラミー賞の最優秀男性ポップ・ボーカル賞を受賞しました。
また同年にロバータ・フラックとダニー・ハサウェイのデュオがシングルとしてカバーしこちらはBillboardの29位となっています。
その他アンディ・ウィリアムズ、アン・マレー、マイケル・ジャクソンなど多くのアーティストにカバーされています。
歌詞は、何か困った事があったり、支えが欲しい時には僕を呼んでくれれば、すぐに会いに行くよ。君には友だちがいるじゃないか、という内容の曲です。

2025年3月19日 (水)

3月19日 名曲100選 声楽曲篇・81 選ばれた乙女

「選ばれた乙女」L.62は、ドビュッシーが1888年に作曲したソプラノ、アルトの独唱と女声合唱及び管弦楽のためのカンタータです。
ロセッティの絵画「祝福された乙女」から発想を得て作曲されたもので、ロセッティ自身は詩人でもあり、絵画のテーマの基になった詩を自ら作っていて、それをバブリエル・サザランがフランス語に訳したものがテキストとして使われています。
オーケストラは3管編成の大きな編成で、ハープも2本必要としています。
祝福され昇天した乙女が天国の黄金の欄干にもたれかかって、地上の恋人のことを想い、彼と天国で永遠に結ばれる事を祈ります。願いは受け入れられず、乙女は欄干に腕を投げかけて両手に顔をうずめて泣くという内容です。
曲は、静かな前奏曲、「選ばれし乙女」が天国の欄干に佇んで地上の恋人を想い、愛を分かち合いたいという情景が歌われている女声合唱だけの部分、続いて「選ばれし乙女」が恋人との再会を願う場面、最後は絶望に泣き出し消え入るように終わります。

 

2025年3月18日 (火)

3月18日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・81 秋の一日

「秋の一日」はシンガー・ソングライター下成佐登子のデビュー曲です。1978年高校2年で出場した第15回ヤマハポピュラーソングコンテスト九州大会で歌って、長渕剛の「巡恋歌」と共にグランプリを受賞。本選では入賞を逃しましたが、ヤマハ音楽振興会から記念の1枚という事でレコーディングのお誘いがありビクターからデビューし、その後も「星になりたい」や、多くのアニメ主題歌などを歌っています。
片想い(と思われる)のもどかしさを切なく歌った曲で、とても高校2年生とは思えない曲です。

2025年3月17日 (月)

3月17日 名曲100選 協奏曲篇・81 ヴァイオリン協奏曲第2番(パガニーニ)

パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調op.7は、その第3楽章から「ラ・カンパネッラ」として知られる曲です。
パガニーニは自作曲の譜面を外に出すことは無く、出版もしなかったこともあって作曲の年代は不明です。
研究家による諸説はあるものの、いまだに初演された年もわかっていません。
パガニーニは後の作曲家やピアニストに多大な影響を及ぼしたヴァイオリンのヴィルトゥオーゾで、、特にフランツ・リストは、彼の演奏を聴いて感銘を受け自身も超絶技巧のピアニストを目指したという話は有名な話です。リストは「パガニーニの超絶技巧練習曲集」「パガニーニによる大練習曲集」などを作曲していますが、特に「ラ・カンパネッラ」は超絶技巧練習曲集や大練習曲集に取り入れたほか、「パガニーニの鐘による華麗な大幻想曲」というピアノ曲に引用されています。
曲は3楽章で構成され、第1楽章は自由な形式の曲で、前奏と間奏以外はオーケストラは殆ど伴奏に近い扱いになっています。
第2楽章は歌謡風な緩徐楽章、第3楽章が「鐘のロンド」と言われるフラジオレットによる鐘の模倣とオーケストラの鐘(実際は鉄琴)の掛け合いが繰り返されます。

2025年3月16日 (日)

3月16日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・80 歌劇「ベンヴェヌート・チェルリーニ」序曲

「ベンヴェヌート・チェルリーニ」op.23は、1838年にベルリオーズが作曲した2幕のオペラです。
ベンヴェヌート・チェルリーニは、イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家で、奔放な生涯を送った人物です。
序曲は、ベルリオーズの代表作のひとつとして、単独でも演奏されます。
自由奔放な内容を彷彿とさせる明るく激しい曲になっています。

2025年3月15日 (土)

3月15日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・80 借りぐらしのアリエッティ

「借りぐらしのアリエッティ」は2010年に公開されたジブリ映画です。
原作はイギリスの児童文学作家メアリー・ノートンの「床下の小人たち」。
人間に見られてはいけないという掟の下、人間の生活品を借りながら郊外の古い屋敷で暮らす小人一家の女の子アリエッティが、その家へ療養に来ていた人間の少年翔に見つかってしまい、一家でこの家を去るというストーリー。
主題歌は、フランスのシンガー・ソングライター セシル・コルベルの「Arrietty's Song」。ジブリの大ファンという手紙と自身のCDをジブリに送った事がきっかけで採用されました。作詞作曲、歌とハープ演奏も担当慕います。

2025年3月14日 (金)

3月14日 名曲100選 器楽曲篇・80 バラード第1番

バラード第1番ト短調op.23は、ショパンが4曲作曲したバラードの最初の作品で、初期の代表作のひとつです。
パリ滞在中の1831年から35年にかけて作曲され、1836年に出版されました。冒頭のラルゴのレチタティーヴォ風の印象的な序奏で始まる曲です。冒頭のひっそりとして雰囲気から、一度クライマックスをつくり、その後スケルツァンド風の軽快なパッセージを経て、最後は第1主題が回帰しますが、やがてドラマティックな展開になり激しく曲を閉じます。

2025年3月13日 (木)

3月13日 名曲100選 海外のポップス篇・80 ラスト・ソング

「ラスト・ソング」(Last Song)は、カナダのトロントを拠点に活躍したポップ・ロック・グループ エドワード・ベアが1972年にリリースした曲です。
エドワード・ベアというグループ名は、A.A.ミルンの「くまのプーさん」に由来してつけた名前です。
「ラスト・ソング」は彼らの最大のヒット曲でBillboard Hot100の最高位3位で18週間ランクインしました。カナダでは1位を獲得しています。
別れた彼女に未練を残し、眠るときもずっと灯りをつけたまま、僕が起きていることがわかって君が戻ってこないかと期待をして待っていたけれど、これが君のために書く最後の歌です。という切ない男心を歌ったバラードです。

2025年3月12日 (水)

3月12日 名曲100選 声楽曲篇・80 夏の夜に水上で歌われる2つの歌

ディーリアスの「夏の夜に水上で歌われる2つの歌」(To be Sung of a Summer Night on the Water)は、1917年に作曲された無伴奏の歌詞無しの合唱曲です。
2曲には表題もついておらず、1曲目は「ゆっくりと、しかしだれずに」、2曲目は「陽気に、しかし速くなく」という指定があるのみです。
1曲目は、我々が夏について感じる雰囲気とは異なる、静かでどこか神秘的な響きのする音楽です。2曲目はテノールの独唱による陽気なメロディなのですが、バックのコーラスは1曲目に比べると明るめではあるもののディーリアス得意の神秘的な響きは失っていません。
ア・カペラでヴォカリーズなので、巧妙な和声の変化を楽しめる曲です。

2025年3月11日 (火)

3月11日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・80 初恋のメロディ

「初恋のメロディ」は小林麻美の1972年のデビュー曲です。
オリコン18位を記録し、その後も年1枚程度のシングルをリリースしましたがヒットせず、モデルや女優業に軸足を移しました。
1984年にガゼボの「I Like Chopin」のカバー「雨音はショパンの調べ」をリリースして大ヒットとなりました。
「初恋のメロディ」は当時18歳にもかかわらず、他のアイドル歌手と比較して大人びた陰のある雰囲気がありましたね。

2025年3月10日 (月)

3月10日 名曲100選 協奏曲篇・80 トランペット協奏曲(ハイドン) 

ハイドンのトランペット協奏曲変ホ長調Hob.Ⅶe:1は1796年に作曲されました。初演当時は不評でその後忘れ去られていましたが、1899年にウィーンのトランペット奏者によって自筆譜が発見され、少しずつ知られるようになり1929年にようやく出版された曲です。
この曲はハイドンの友人であり有鍵トランペットの発明者でもあったヴァイディンガーのために作曲されました。
それ以前のトランペットはヴァルヴが無かったので自然倍音しか出せなかったため高い音域の旋律を奏でるしかありませんでしたが、ハイドンの協奏曲は低い音域の旋律も要求されています。

2025年3月 9日 (日)

3月9日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・79 レオノーレ序曲第3番

 ベートーヴェンは生涯ただ1曲、オペラを完成しています。それが歌劇「フィデリオ」です。
 原作は、ジャン・ニコラ・ブイイの同名小説ですが、ベートーヴェンの作品中最も難産に見舞われた曲として知られています。
 主人公レオノーレが「フィデリオ」という名で男性に変奏して監獄に潜入して、政治犯として拘禁されている夫フロレスタンを救出する物語です。
 このオペラは成功を収めるまでにいくつもの版に書き直されていて、その序曲も数回書き直されています。
この物語は、1798年にガヴォーが「レオノール」というタイトルで作曲され、1804年にフェルディナンド・パエールが「レオノーラ」というタイトルで作曲しているため、ベートーヴェンは「レオノーレ」というタイトルで上演したがりましたが、混同を避けるため劇場は「フィデリオ」のタイトルで上演する事にしてアン・デア・ウィーン劇場で初演されましたがナポレオンのウィーン侵攻の影響で観客の大半がフランス人だったためドイツ語を理解できず大失敗に終わりました。この時の序曲は現在レオノーレ序曲第2番とされているものです。
 その後2幕物のオペラに改作され1806年に第2稿が初演されましたが興行主のブラウン男爵との金銭トラブルからその後演奏される事はありませんでした。この時の序曲が、最も有名な「レオノーレ」序曲第3番とされているものです。但し、第3番はあまりに内容が濃密すぎたためその後、もっと軽い序曲へと変更され、この第3番は演奏会用の序曲として演奏されるようになりました。
 1810年頃からベートーヴェンの人気が高まり、劇場主などから「フィデリオ」の上演を盛んに打診されるようになり、1814年に上演されたのが最終稿になります。但し、初演の5月23日には序曲の作曲が間に合わず、「アテネの廃墟」序曲で代用し5月26日の上演から「フィデリオ」序曲が演奏されるようになり、現在に至っています。
 実は序曲はもう1つ存在していて、1807年にプラハで上演される際に序曲を書き直しています。これがレオノーレ序曲第1番とされている曲です。
 「レオノーレ序曲第3番」は4曲の序曲の中で演奏会で単独に演奏される事が最も多い曲ですが、多くの指揮者が歌劇「フィデリオ」の中で使いたがり、マーラーが1904年にフィデリオを指揮した時に第2幕第2場への間奏曲として「レオノーレ序曲第3番」を演奏して以降、そのやり方を踏襲する演奏も少なくないようです。

 

3月9日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・79 レオノーレ序曲第3番

 ベートーヴェンは生涯ただ1曲、オペラを完成しています。それが歌劇「フィデリオ」です。
 原作は、ジャン・ニコラ・ブイイの同名小説ですが、ベートーヴェンの作品中最も難産に見舞われた曲として知られています。
 主人公レオノーレが「フィデリオ」という名で男性に変奏して監獄に潜入して、政治犯として拘禁されている夫フロレスタンを救出する物語です。
 このオペラは成功を収めるまでにいくつもの版に書き直されていて、その序曲も数回書き直されています。
この物語は、1798年にガヴォーが「レオノール」というタイトルで作曲され、1804年にフェルディナンド・パエールが「レオノーラ」というタイトルで作曲しているため、ベートーヴェンは「レオノーレ」というタイトルで上演したがりましたが、混同を避けるため劇場は「フィデリオ」のタイトルで上演する事にしてアン・デア・ウィーン劇場で初演されましたがナポレオンのウィーン侵攻の影響で観客の大半がフランス人だったためドイツ語を理解できず大失敗に終わりました。この時の序曲は現在レオノーレ序曲第2番とされているものです。
 その後2幕物のオペラに改作され1806年に第2稿が初演されましたが興行主のブラウン男爵との金銭トラブルからその後演奏される事はありませんでした。この時の序曲が、最も有名な「レオノーレ」序曲第3番とされているものです。但し、第3番はあまりに内容が濃密すぎたためその後、もっと軽い序曲へと変更され、この第3番は演奏会用の序曲として演奏されるようになりました。
 1810年頃からベートーヴェンの人気が高まり、劇場主などから「フィデリオ」の上演を盛んに打診されるようになり、1814年に上演されたのが最終稿になります。但し、初演の5月23日には序曲の作曲が間に合わず、「アテネの廃墟」序曲で代用し5月26日の上演から「フィデリオ」序曲が演奏されるようになり、現在に至っています。
 実は序曲はもう1つ存在していて、1807年にプラハで上演される際に序曲を書き直しています。これがレオノーレ序曲第1番とされている曲です。
 「レオノーレ序曲第3番」は4曲の序曲の中で演奏会で単独に演奏される事が最も多い曲ですが、多くの指揮者が歌劇「フィデリオ」の中で使いたがり、マーラーが1904年にフィデリオを指揮した時に第2幕第2場への間奏曲として「レオノーレ序曲第3番」を演奏して以降、そのやり方を踏襲する演奏も少なくないようです。


2025年3月 8日 (土)

3月8日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・79 メリークリスマス・ミスター・ローレンス

「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は1983年に公開された日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド合作映画「戦場のメリー・クリスマス」の主題曲です。
原作は南アフリカの作家ローレンス・ヴァン・デル・ポストの自身のジャワ島での日本軍俘虜収容所体験に基づく短編。大島渚監督の作品で、戦争映画ではありますが戦場のシーンは全く登場せず、収容所での出来事が描かれたものです。
デヴィッド・ボウイ、坂本龍一という日英を代表するミュージシャンが主演し、ビートたけし、トム・コンティなどが共演しました。
音楽は坂本龍一が担当し、英国アカデミー賞のの作曲賞、日本アカデミー賞の優秀音楽賞などを受賞しています。
坂本龍一の代表作のひとつとして、東洋でも西洋でもない不思議な響きのする曲として高い評価を得ています。

 

2025年3月 7日 (金)

3月7日 名曲100選 器楽曲篇・79 アラベスク(シューマン)

シューマンの「アラベスク ハ長調op.18」は1839年に発表された曲です。
「アラベスク」はアラビア風という意味で、一般的にはイスラム美術の幾何学的な装飾模様を指す言葉です。
シューマン以降、ドビュッシーなども同名の曲を作曲していますが、最初にアラベスクという名の曲を発表したのはシューマンでした。
曲は、ABACA+コーダのロンド形式で作曲されていて優美で繊細なテクスチュアを持つ音楽になっています。

2025年3月 6日 (木)

3月6日 名曲100選 海外のポップス篇・79 秋はひとりぼっち

「秋はひとりぼっち」(Forever Autumn)は、イギリスのジェフ・ウェイン、ゲイリー・オズボーン、ポール・ヴィグラスが作詞し、ジェフ・ウェインが作曲した曲で1972年にヴィグラスとオズボーンのデュオでリリースされ何故か日本でヒットしました。元々CM用の短い曲だったものをアルバム「Queues」録音の際に書かれた曲です。
日本では、オリコンインターナショナルシングルチャートの2位となるヒットを記録しましたが、他の国では殆ど売れませんでした。昔は、こういう日本だけでヒットした洋楽が結構あったのですが、グローバル化が進んで、今の日本の洋楽は全て海外でヒットした曲やアーチストしか売れなくなってしまいました。ジェリー・ウォーレスの「男の世界」(マンダムのCMソングとして使われてヒット)、ABBAの前身ビヨルン&ベニーの「木枯しの少女」、オリヴィア・ニュートン・ジョンの「カントリー・ロード」、ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」、メッセンジャーズの「気になる女の子」などが海外ではヒットせず、或いはシングル発売もされなかった曲。カーペンターズの「トップ・オヴ・ザ・ワールド」なんかは日本でヒットしたのを見て、アメリカで発売する際にリテイクして発売しヒット。日本でもリテイクバージョンも発売されたという例もあります。
「秋はひとりぼっち」は日本人ならではの四季に対する感情が琴線に触れたのだと思います。
 なお、イギリスでは1978年にムーディー・ブルースのジャスティン・ヘイワードが歌ってチャートの5位に入るヒットとなりました。

 

2025年3月 5日 (水)

3月5日 名曲100選 声楽曲篇・79 島よ

「島よ」は大中恩が1970年に文化庁芸術祭参加作品としてニッポン放送の委嘱により作曲した混声合唱曲です。
作詩は伊藤海彦です。
島は特定の島を意図したものではなく、人間の、特に男の宿命を全て担っているかのように見える島を描いたものという事です。
単一の楽章による曲ですが、全体的に同音の連続が特徴的な曲です。構成は6つの節に分けられています。
第1節 ピアノの同音の連続音で始まり、広大な海と空に見守られる孤島を表現した音楽です。
第2節 自由に海を泳ぎ、空をはばたく事を夢見るものの、それらは叶わず虚しさが訪れます。
第3節 降りしきる雨に身を削られながらも耐える苛立ちと悲しみを歌った曲。
第4節 空を赤く染めるマグマは海をも煮えたぎらせる太古の記憶を力強く歌っています。
第5節 同音の連続は孤独なホ短調の響きになっています。
第6節 孤島が人間そのものではないかという問いかけは、冒頭から豊かな響きで始まり人間ドラマとして完成されます。

2025年3月 4日 (火)

3月4日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・79 愛という名の勇気

「愛という名の勇気」は1993年1月にリリースされた岩崎宏美(益田宏美名義)の48枚目のシングルです。
日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」の主題歌として使われました。岩崎宏美自身としては「聖母たちのララバイ」以降6作目の主題歌になります。作詞は大津あきら、作曲は阿部恭弘。
人間は誰でも過ちを繰り返して生きて行くもの。夢だけは捨てないで、次への一歩を踏み出すたびに何度も倒されそうになるけれども、「愛という名の勇気」を失わず信じ続けたい、という応援歌になっています。

2025年3月 3日 (月)

3月3日 名曲100選 協奏曲篇・79 ピアノ協奏曲イ短調(シューマン)

シューマンが生涯で唯一完成させたピアノ協奏曲、イ短調op.54は1845年に作曲されました。
元々は1841年に作曲した「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を改作して第1楽章として、間奏曲とフィナーレを加えてピアノ協奏曲として発表したものです。
演奏時間は約30分で第2楽章から第3楽章へは切れ目なく演奏されます。
第1楽章は、イ短調の属音のホ音(ミの音)が強奏され、続いてピアノが付点のリズムを刻んで短い前奏が始まります。すぐに第1主題が木管によって提示されます。楽章全体は元々が幻想曲だったために比較的自由に展開されていきます。
第2楽章は、間奏曲と題された暗めの楽章。最後に第1楽章の第1主題が短調と長調で現れ、第3楽章へ続いて行きます。
第3楽章は、非常に軽快な音楽になっています。

2025年3月 2日 (日)

3月2日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・78 歌劇「軽騎兵」序曲

「軽騎兵」は、スッペが1866年に作曲した2幕の喜歌劇です。
オペレッタそのものは、殆ど演奏される事がありませんが、序曲は頻繁に演奏されます。
序曲自体に物語性があり、なかなか変化に富んだ序曲になっています。
最初はトランペットによる荘重なファンファーレが奏でられます。続いて短調になってテンポの速いメロディが繰り広げられ、有名な馬のギャロップを模したメインテーマが登場します。
続いて再び短調になりジプシー風の哀愁をこめたメロディが出てきます。再度ギャロップ風のメロディが戻り、最後に冒頭のファンファーレが形を変えて再登場してきます。
この曲は、私が楽器を弾き始めて最初の演奏会の前プロ・・・つまり生まれて初めて人前で演奏した曲です。

2025年3月 1日 (土)

3月1日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・78 時には昔の話を

「時には昔の話を」は、1992年公開のジブリ作品「紅の豚」のエンディング・テーマです。
作詞作曲及び歌唱は加藤登紀子。映画用に作られた曲では無く、元々1987年にリリースされた加藤登紀子のアルバム「MY STORY/時には昔の話を」の中の曲で、同年に発売された加藤登紀子のヒット曲「百万本のバラ」のカプリング曲に使われた曲を採用したものです。

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