12月31日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・69 あとひとつ
「あとひとつ」は2010年8月発売のFUNKY MONKEY BABYS(以下ファンモン)の14枚目のシングルです。
第92回夏の高校野球の応援ソングとしも使用され、ジャイアンツに入団が決まった田中将大がジャケットに使用されていました。
夢を叶えるのは簡単ではなく、簡単ではないからこそ輝く。だからあきらめないで、あと一粒の涙で一言の勇気で願いが叶う。そんなときが来ると信じて挑戦しよう、という内容の応援ソングです。
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「あとひとつ」は2010年8月発売のFUNKY MONKEY BABYS(以下ファンモン)の14枚目のシングルです。
第92回夏の高校野球の応援ソングとしも使用され、ジャイアンツに入団が決まった田中将大がジャケットに使用されていました。
夢を叶えるのは簡単ではなく、簡単ではないからこそ輝く。だからあきらめないで、あと一粒の涙で一言の勇気で願いが叶う。そんなときが来ると信じて挑戦しよう、という内容の応援ソングです。
「コル・ニドライ」op.47は、1880年にブルッフが作曲したチェロと管弦楽のための協奏的作品です。
「コル・ニドライ」はユダヤ教の贖罪の日の開始に唱えられる祈りの事でアラム語で「すべての誓いは」を意味するものです。
ブルッフの「コル・ニドライ」はユダヤ教の音楽から2つの旋律を借用しています。1つはこの典礼歌「コル・ニドライ」の旋律でもうひとつがバイロンの詩に基づきアイザック・ネイサンが作曲した哀歌「ああ、彼らのために泣け」です。
但し、ブルッフは様々な民族音楽に興味を持っていて、その一環で作曲したもので、特にユダヤ音楽に特化して作曲するという感覚は無かったようです。
演奏時間は10分程度で、独奏チェロと2管編成のオーケストラ(トロンボーンあり)とハープという編成。前後半に分かれていて前半は「コル・ニドライ」の旋律により、後半は「ああ、彼らのために泣け」が使われています。
舞台神聖祝典劇「パルジファル」はワーグナーが1882年に完成させた全3幕の楽劇です。台本もワーグナー自身に書かれています。
中世のスペインを舞台にした聖杯伝説を題材とした作品ですが、キリスト教的な思想や中世騎士伝説を良く知っていない私などが見てもよくわからないストーリーです。
第1幕への前奏曲は、「愛餐の動機」「聖杯の動機」「信仰の動機」を中心に組み立てられています。そうは言っても、曲の中身は観念的でくぐもったような雰囲気が醸し出されています。
「瞳を閉じて」は、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌として平井堅によって書き下ろされ、歌われた曲です。
映画の原作は片山恭一の恋愛小説ですが、映画では大きく脚色されて内容が変えられていました。
大人になってからの主人公朔太郎(大沢たかお)の視点で物語が描かれており過去と未来を行き来するストーリーになっています。
主演は大沢たかお、柴咲コウですが、朔太郎の高校時代の恋人で白血病で亡くなったアキを演じた長澤まさみが史上最年少で日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞、朔太郎の高校時代を演じた森山未來もブルーリボン賞の新人賞を受賞するなど多くの若手俳優がブレイクするきっかけとなった作品でもあります。
「瞳を閉じて」は平井堅の20枚目のシングルで「アキ」の最期のメッセージへのアンサーソングとして書かれています。
オリコンの週間チャートでは最高位が2位でしたが、2004年度の年間チャートでは1位を獲得しました。
「四季」op.37aはチャイコフスキーが作曲したピアノ曲集です。
サンクトペテルブルクの音楽雑誌「ヌーヴェリスト」の企画依頼で1875年から翌年にかけて作曲され1885年に曲集として出版されました。
12曲全てが各月のロシアの風物を題材にした詩を元にしたものですが、作曲当時はユリウス暦を使っていたため現在の季節感とは若干ずれています。
後にソ連の作曲家ガウクが管弦楽用に編曲しています。
1月 炉端にて プーシキンの詩に基づく
2月 謝肉祭 ヴャゼムスキーの詩による
3月 ヒバリの歌 マイコフの詩による
4月 松雪草(雪割草) マイコフの詩による
5月 白夜(五月の夜) フェートの詩による
6月 舟歌 プレシチェーエフの詩によるもので、この曲集の中ではトロイカと並ぶ有名な作品。
7月 刈り入れの歌(草刈の人の歌) コリツォフの詩による
8月 収穫の歌 コリツォフの詩による
9月 狩の歌 プーシキンの詩による
10月 秋の歌 トルストイの詩による
11月 トロイカ ネクラーソフの詩によるもので最も有名な曲
12月 クリスマス シュコーフスキーの詩による
「ローズ・ガーデン」は、1969年にジョー・サウスが発表したカントリーのスタンダード・ナンバーで、カントリー・シンガーのリン・アンダーソンが歌ったシングルが全米3位、カントリー・チャートでは4週連続第1位を記録する大ヒットとなりました。
「ごめんなさい、私はバラの花園を約束したわけではありません・・・」で始まる歌詞ですが、ローズは処女性や童貞性の喩えとなる隠語で、「処女なんて約束したわけではない」というような隠れた意味があるという事です。
そんな謎めいた歌詞ですが、曲はカントリーらしい軽く明るいメロディに終始しています。
ドイツ・レクイエムop.45は1868年にブラームスが作曲したソプラノ、バリトンとオーケストラと合唱のための宗教曲です。
通常のレクイエムはカトリック教会において死者の安息を願う典礼音楽で、ラテン語の祈祷文に従って作曲されます。
ブラームスはルター派信者であったため、ルター聖書のドイツ語版の文言から、ブラームス自身が選んだ旧約聖書と新約聖書のドイツ語章句を歌詞として使用したものです。
また典礼音楽としてではなく演奏会用作品として作曲された事が大きな特徴になっています。
編成は、ブラームスのどの管弦楽作品よりも大きく、チューバやハープなどが使われています。
ブラームスの代表作のひとつで、この曲によってブラームスの作曲家としての地位が確立されたとも言われる曲です。
「ロマンスの神様」は1993年12月にリリースされた広瀬香美3枚目のシングルです。
スキー用品店アルペンのCMソングに使われて大ヒットとなりウィンターソングの定番となりました。
歌詞を見ると、合コンでイイ男を捕まえたいという女性のしたたかな本音をストレートに表現したもので特に冬を歌ったものでは無いのですが、テレビCMの印象というのは恐ろしいもので、完全に冬の歌というレッテルを貼られてしまいました。
広瀬香美と言えば、国立音大で学び作曲家を目指すとともに、アメリカでヴォイス・トレーニングをして非常に高い音域まで出せる歌手の代表格で、この「ロマンスの神様」も五線譜のず~っと上まで突き抜けるF(ファ)の音まで使っています。
交響的変奏曲嬰へ短調は、セザール・フランクが1885年に作曲したピアノと管弦楽のための変奏曲です。
フランク晩年の作品で、自作の複数の主題が5つの変奏曲で展開されていきます。
主題提示部では3つの主題が次々と提示されます。
第1変奏では主題Aと主題Bが掛け合いやがて主題Cが展開されます。
第2変奏では主題Cが展開され、後半は主題Aと主題Cが展開されます。
第3変奏では主題C、主題Aが使われます
第4変奏では主題Aを用いた軽妙な変奏が行われます
第5変奏では新たな主題が現れ、主題CとAが使われて力強く曲を閉じます。
最も人気の高いオペラと言えばビゼー作曲の「カルメン」でしょう。
メリメの原作を元に1875年に初演された「カルメン」は初演は不評でしたが、お客の評判は決して悪くなくウィーン公演などの依頼があったようです。しかし残念ながらビゼーはこの「カルメン」初演の3か月後急死してしまいました。
ビゼーの親友のギローなどによって管弦楽だけの演奏用に2つの組曲が編まれています。但し、そのうち第1組曲の「セギディーリャ」と第2組曲全曲は元々アリアや合唱入りの曲を管弦楽だけに編曲したものなので、純粋な舞台芸術のための管弦楽曲は第1組曲の4曲のみという事になります。
第1幕への前奏曲の後半部分と第4幕への間奏曲「アラゴネーズ」
第3幕への間奏曲「間奏曲」
第2幕への間奏曲「アルカラの竜騎兵」
第1幕への前奏曲の前半部分「闘牛士」
です。
演奏会では、曲を入れ替えたり第1・第2それぞれから抜粋したりと様々な形で演奏されます。
この「オペラ」は多くの作曲家からも愛された曲で、シチェドリンはバレエ音楽に編曲し、モートン・グールドは全曲から20曲を取り出した抜粋版などの作品がありますし、サラサーテ「カルメン幻想曲」、ホロヴィッツ「カルメンの主題による変奏曲」など室内楽や独奏曲としても多くのアレンジがあります。それ程愛されている曲なわけです。
「めぐりあい」は、アニメ映画「機動戦士ガンダム」三部作の第3作「めぐりあい宇宙編」の主題歌です。
「めぐりあい宇宙編」は、テレビアニメの第31話後半から最終第43話までを再編集した作品です。
ホワイトベースが南米ジャブロー基地を出発するシーンから始まり、ララァとの出会い、スレッガーの戦死などを経て、ジオン軍の最終基地である宇宙要塞ア・バオア・クーでの激戦までを描いたものです。
「めぐりあい」は作詞井荻麟、作曲・編曲と歌唱を井上大輔が担当しています。
ショパンは1838年にピアノ曲集「3つの華麗なる円舞曲」op.34を出版しました。
その中でも特に知られている曲が、曲集の1曲目で、ワルツ第2番(第1番は1832年に作曲された「華麗なる大円舞曲」)です。
この曲は変イ長調で、冒頭の堂々とした序奏から始まる華やかな曲です。序奏の後は7つの部分から構成され第7部は61小節にもわたる長いコーダがあり、全体的に華やかさが前面に出た曲です。
「マイ・クルー」は1973年のリタ・クーリッジの曲です。
リタ・クーリッジはネイティブのチェロキー族の血を引くシンガー・ソングライターで、この曲は大ヒットとはなりませんでしたが日本でもそこそこヒットした曲です。
歌詞はジプシーの歌手の流れ流れる旅路を描いた切ない曲です。韻を踏んだ詩の進行も見事です。
ドイツ・リートの王様シューベルトは600曲もの歌曲を作曲したと言われています。未完成のものや散逸したものもあって正確な数はわかっていません。その中でも広く知られている曲のひとつが「鱒」op.32,D550です。この曲は1817年に作曲されています。詞はシューバルト(シューベルトとは別人)で、有節歌曲形式をとっています。有節歌曲形式はひとつの旋律を何度も繰り返すように曲がつけられる楽曲の形式です。3節(いわゆる3コーラス)で出来ていますが最後の1節は大幅に変化が付けられています。
歌詞の内容はずる賢い漁師が術策を用いて魚を釣り上げる様子を歌ったもので、男はこのようにした女をたぶらかすものだから若いお嬢さんは気を付けなさい、という意味を表現したものです。
シューベルトはこの曲を主題にピアノ五重奏曲「ます」D667を作曲しています。特に第4楽章はこの歌曲の主題による変奏曲になっています。このピアノ五重奏曲は通常のピアノ+弦楽四重奏(ヴァイオリン2,ヴィオラ、チェロ各1)とは異なりピアノ+ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1という独特の編成になっています。
「世界中の誰よりきっと」は、去る12月6日に54歳でお亡くなりになった中山美穂とロックバンドWANDSのコラボレーション曲です。
作詞はWANDSのヴォーカル上杉昇と中山美穂、作曲は織田哲郎。WANDS側は元々歌詞を提供するだけのつもりでいましたが、コーラスもお願いされたそうです。彼らはこれがきっかけのひとつとなってブレイクしました。
ノリの良い曲ですが、2コーラス目の後のリフレインの箇所にバラード調のアレンジが登場し、メリハリの効いた曲になっています。
ご冥福をお祈りしながら聴いてみます。
ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77 は1878年に作曲されたブラームス唯一のヴァイオリン協奏曲です。
ベートーヴェン、メンデルスゾーンと並んで3大ヴァイオリン協奏曲と呼ばれる傑作です。
1877年にサラサーテが演奏するブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番を聴いて自分も作曲したいと考え名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに助言を受けながら作曲され、1879年1月1日にヨアヒムの独奏ヴァイオリン、ブラームス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で初演され大成功に終わりました。
古典的な3楽章の構成になっています。
第1楽章は冒頭から第1主題がオーケストラによって提示され、マズルカ風のリズムが演奏されるとコデッタとなり続いて独奏ヴァイオリンによる第2の提示部に入ります。第2主題は独奏ヴァイオリンで奏でられる流麗な音楽です。カデンツァはブラームスは書いていないので多くのヴァイオリニストが書いていますが演奏される事が多いのはヨアヒムのものやクライスラーのものです。
第2楽章は、ブラームスらしくない非常に美しい主題。オーボエで提示され後にヴァイオリンに継承されます。中間部はヴァイオリンのコロラトゥーラのアリアと呼ばれる旋律です。
第3楽章は重音によっていきなり独奏ヴァイオリンが奏でるジプシー風の主題で始まり、コーダはこの旋律が行進曲風に演奏されて始まり盛り上がって、最後は静かに終わるのかと思わせますが、再度力強く終止音を奏でて終わります。
シューベルトの完成された数少ない舞台芸術のための音楽の中で最も知られているのが、劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」です。
ベルリン出身の受流作家ヘルミーネ・フォン・シェジーの戯曲のために作曲されたものです。
シェジーはウェーバーの歌劇「オイリアンテ」の台本を書いて1823年10月25日に初演されましたが不評で、名誉挽回のために書かれたのが「キプロスの女王ロザムンデ」。音楽を依頼されたシュ^ベルトは12月20日の初演のために2か月弱で10曲からなる付随音楽を書き上げましたが、序曲だけ間に合わずその前年に作曲された歌劇「アルフォンソとエストレッラ」の序曲を転用しました。結果的に上演は失敗し、1820年に作曲した劇音楽「魔法の竪琴」序曲を序曲として差し替え、現在では序曲のみの演奏も多い人気作になっています。
序曲はアンダンテの序奏から始まり快速な主部で構成されています。シューベルトらしい旋律の美しさが印象的な曲です。さらにコーダはイタリア風序曲ニ長調D590を転用しています。
「真っ赤なスカーフ」は宇宙戦艦ヤマトのエンディング・テーマとして、ささきいさおによって歌われました。
行進曲風のオープニングテーマとは全く異なる、旅立つ戦士たちの心情を歌ったバラード曲になっています。
出て行く船を見送くる人が赤いスカーフを振っているが、誰のためだかわからないでが皆自分のためだと思えばいいじゃないか、という内容。
元々お別れに赤いスカーフを振る習慣があったわけでは無く、この映画で登場した情景です。
幻想曲とフーガト短調BWV542は「大フーガ」という名称でも呼ばれるバッハの代表作のひとつです。
幻想曲はフーガに先立って作曲され、フーガは1720年にハンブルクで作曲されました。
ミトロプーロスやストコフスキーが管弦楽に編曲したり、リストがピアノ曲に編曲したり他の楽器でも演奏される機会がある曲です。
「フーガト短調BWV578」と同じ調性を持つため、両者を区別して「大フーガ」と「小フーガ」と呼んでいます。
不協和音を含む激烈な表現や画期的な和声などバッハの才能がはっきりと浮き彫りにされています。
「エレス・トゥ」(Eres tu)は、スペインのフォーク・グループ モセダデスが録音しルクセンブルクで解された1973年のユーロpビジョン・ソング・コンテストで2位となった曲です。アメリカでもヒットしBillboard全米チャートで9位まで上昇しました。元歌はスペイン語ですが、モセダデスは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、バスク語など多言語でリリースし、多くの国でカバーされています。
タイトルは直訳すると、「それは君」。君に対する愛情を長々としつこいぐらいに歌ったラブ・ソングです。
ヴェルナーの歌曲「野ばら」は、ゲーテの同名の詩に曲をつけた歌曲です。同じ詩にシューベルトも曲を付けていますが、どちらも甲乙つけがた名曲と言えるでしょう。
シューベルトの「野ばら」は原詩のとおり少年が野ばらを手折る様子が少年らしく溌剌としたメロディになっていますが、ヴェルナーの「野ばら」は流麗なメロディで物語を刻んでいます。
この二人の共通点は、早逝したこと。ヴェルナーが32歳、シューベルトが31歳没でした。但しシューベルトは歌曲だけでなく交響曲やピアノ曲、室内楽曲など多くのジャンルの曲を多数残しましたが、ヴェルナーは、この曲が唯一有名になった作品でした。
後に参議院議員にもなり、多彩な才能と活動をしている中山千夏のデビュー曲が「あなたの心に」です。
我々の世代では、NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」の主人公である博士の声優やアニメ「じゃりんこチエ」のチエの声優としても知られていますし、テレビドラマやバラエティにも出演したり、ウーマンリブ運動や反戦運動をやったりと、とにかく精力的に活動していた才女でした。
「あなたの心に」は作詞中山千夏、作曲は都倉俊一。都倉俊一の作曲家としてのデビュー曲でもありました。
やさしい歌声と力強さが調和した素敵な曲でした。
「森の静けさ」B173は、ドヴォルザークが作曲した4手のためのピアノ曲集「ボヘミアの森から」の第5曲をチェロ独奏と管弦楽のための作品に作者自身が編曲した協奏的作品です。
夢見るような変ニ長調の主題と軽やかな嬰ハ短調の間奏で構成されています。
編成は独奏チェロとフルート1、クラリネット、ファゴット各2、ホルンと弦楽合奏という小編成の6分程度の作品です。
「皇帝に捧げた命」はロシアの作曲家グリンカが作曲した5幕のオペラで、ロシア初の本格的オペラと言われる作品です。
17世紀初め、ロマノフ王朝の祖となったミハイル・ロマノフをポーランドの干渉軍から守るため、農夫のイワン・スサーニンが自らを犠牲にしたという伝説に基づくものです。
帝政ロシア時代には非常に高い人気を得た作品ですが、ロシア革命後は一時的に上演されなくなりました。そこで帝政に言及した箇所を「ロシアの大地」と民衆への賛辞に書き換えて、スターリン時代には愛国心高揚に利用されました。
チャイコフスキーの大序曲「1812年」では、後半に出てくるロシア帝国国家がソ連時代に演奏禁止となり、「皇帝に捧げた命」のフィナーレの合唱に置き換えられています。更に、このオペラのタイトル自体も「イワン・スサーニン」とされて「皇帝」という名称が外されていました。
序曲は、冒頭の序奏の後はオーボエの朗々としたソロではじまるロシア的な音楽です。
「サーフ天国、スキー天国」は1987年公開のホイチョイ・プロダクション原作の映画「私をスキーに連れてって」の主題歌です。
「私をスキーに連れてって」は総合商社勤めの冴えない商社マン(実はスキーはプロ級の腕前)とたまたまゲレンデで会って、同じ会社に勤めている事を知った女性池上優の恋と、万座温泉スキー場でのスキー用品メーカーの新製品のお披露目会で製品が届いていないトラブルを解決するために志賀高原から万座へスキーで向かう二人を描いた作品。
当時はスキーブームの兆しが見られる頃で、この作品のヒットをきっかけに空前絶後のスキーブームがやって来ることになりました。
その頃は、人気のスキー場では土日のリフトは1時間待ちは当たり前という状況。金曜日ともなると、多くのスキーバスが新宿などから出発し、JRもシュプール号という夜行列車を増発するという状況。
私も、2月の連休の時に群馬県の武尊のスキー場へ行くために車で朝6時に関越の練馬インターに乗って、到着したのが夕方の5時。そのスキー場はナイターをやってなかったので行った日は全く滑れず、帰りも混雑を見越して早めに帰路につくため、2回リフトに乗って終わったという経験がありました。
音楽は松任谷由実の曲が効果的に使われています。主題歌の「サーフ天国、スキー天国」は元々は1978年に川崎龍介への提供曲として作られた「サマー・ブリーズ」が原曲。1980年にリリースされた松任谷由実の10枚目のアルバム「SURF&SNOW」に収録されました。さらにこのアルバムからは「恋人がサンタクロース」が劇中歌として使用され、その他のアルバムから「ロッヂで待つクリスマス」や「BLIZZARD」が使われています。「恋人がサンタクロース」は特にシングル化されなかったにもかかわらず松田聖子が1982年にアルバムでカバーしたり、この映画の影響もあって、クリスマスソングの定番曲として松任谷由実の代表曲のひとつにもなっています。
「乙女の祈り」はポーランドの作曲家バダジェフスカが1851年に発表した日本で最も有名なピアノ小品曲のひとつです。
有名な曲なのですが、芸術的な評価は低く、ロマンチックなメロディが好まれる一方感傷的なサロン風の駄作とも言われています。
中級向けの難易度の作品で、アマチュアの発表会などでは好まれて演奏されますが、プロがコンサートなどで弾くことは滅多にないのもそのあたりが原因だと思われます。
確かに、メロディは素敵なのですが構成的に同じパターンの繰り返しなので変化は無いです。でも日本では愛されていて、様々な場面でこのメロディが使われています。
「悲しき天使」(Those were the days)は、元々ポドレフスキーの詩にボリス・フォーミンが作曲した「長い道を」というロシアの曲をイギリスで活躍したジーン・ラスキンという歌手が英語版の詩をつけてアレンジした曲を、イギリスのフォーク歌手メリー・ホプキンが1968年にリバイバルさせて全英チャート1位、全米チャート2位を獲得した曲です。
英語の原題は訳すと「あの頃は良かった」という意味で壮年期の人間が青春時代を思い返して美化している場面を描いたものですが、当時日本では「悲しき・・・」という邦題の洋楽曲が常套手段だったため(悲しき初恋、悲しき雨音、悲しきジプシー等)つけられた内容とは全く関係のないタイトルです。
メリー・ホプキンスはビートルズのポール・マッカートニーがプロデュースした歌手でアップル・レコードから発売されていました。
「諸国民の讃歌」(Inno delle Nazioni)は、ヴェルディが1862年にロンドン万国博覧会のために作曲したカンタータです。作詞はオペラ作曲家やヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」や「オレロ」、「ファルスタッフ」の台本作家としても知られるボーイトです。
諸国民の讃歌というタイトル通り、後半からはフランスの「ラ・マルセイエーズ」、イギリス「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」、イタリア「イタリアの兄弟たち」の3つの国歌が使われています。
「熱くなれ」は1996年7月リリースの大黒摩季14枚目のシングル。NHKのアトランタオリンピックのテーマソングに採用され、オリコン1位のヒットとなりました。
歌詞、メロディともに力強い、オリンピックのテーマに相応し曲でした。
ストラヴィンスキーの室内オーケストラのための協奏曲変ホ長調「ダンバートン・オーックス」は新古典派主義時代の1938年に作曲された室内楽編成の合奏協奏曲です。
1937年にバレエ「カルタ遊び」の初演のためにアメリカ合衆国を訪れた際にワシントンD.C.在住の政治家ブリス夫妻から結婚30年の祝賀おんがくとして委嘱されたもの。「ダンバートン・オークス」は、当時の夫妻の邸宅で現在はハーバード大学の研究機関や博物館、庭園などになっています。
フルート、クラリネット、ファゴットが各1、ホルン2、ヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ2、コントラバス2。3つの楽章が連続して演奏されます。
それぞれの楽器が曲の進行に応じて独奏楽器として扱われます。
グリーグの劇音楽「ペール・ギュント」は1875年に作曲されています。
「ペール・ギュント」はノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが1867年に作った劇詩。落ちぶれた豪農の息子ペール・ギュントが放浪の末年老いて故郷に戻り、ペールを慕い続けたソルヴェイグに看取られて死んでいくお話。
5幕の劇音楽ですが、グリーグが2つの組曲に編曲してオーケストラでも演奏されます。
第1組曲は
第1曲 朝 第4幕への前奏曲。ペール・ギュントの代名詞のような曲です。
第2曲 オーゼの死。第3幕への前奏曲。ペールの母親オーゼが亡くなる場面の音楽で弦楽合奏のみで演奏される悲しい音楽です。
第3曲 アニトラの踊り。第4幕に登場するアラビア女性の踊りで弦楽合奏とトライアングルのみで演奏されます。
第4曲 山の魔王の宮殿にて。第2幕で演奏される不気味な音楽で、原曲では合唱が入ります。
第2組曲
第1曲 イングリッドの嘆き。第2幕冒頭で、結婚式でペールが元恋人のイングリッドを略奪し、イングリッドが嘆き悲しむ音楽です。
第2曲 アラビアの踊り 第4幕でアニトラの踊りの前にアラビアの女性たちが踊る音楽。原曲では女声二部合唱が加わります。
第3曲 ペール・ギュントの帰郷 第5幕冒頭で年老いたペール・ギュントが帰郷する音楽。
第4曲 ソルヴェイグの歌 第4幕後半で原曲では舞台裏で女声歌手が歌いますが、組曲では他の楽器に置き換えてオーケストラのみで演奏されます。
You Tubeは第1・第2組曲の他数曲劇音楽から抜粋された曲が加わっています。