11月18日 名曲100選 協奏曲篇・62 ピアノ協奏曲第3番(ラフマニノフ)
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30は1909年に作曲されました。
ラフマニノフが1909年秋に予定していた第1回アメリカ演奏旅行のために作曲したもので、完成が9月23日になってしまい、ロシア国内で練習する事ができなかったため、アメリカへ向かう船の中で音の出ない鍵盤を持ち込んで練習したという逸話があります。
演奏旅行中の1909年11月28日にダムロッシュ指揮ニューヨーク交響楽団(後にフィルハーモニック・シンフォニー・ソサエティ・オブ・ニューヨークと合併して現在のニューヨーク・フィルハーモニックとなった)でカーネギーホールで初演されました。
技術的に非常に難しく、暫くの間はこの曲を演奏するピアニストは少なく、作品を献呈されたヨゼフ・ホフマンも演奏する事はありませんでした。
そんな中で、この曲を気に入って取り上げたのが、ホロヴィッツとギーゼキングでした。
この曲は一般的な協奏曲の形式を採用しています。
第1楽章は、冒頭から華やかな音楽を展開する第2番のピアノ協奏曲とは異なり、静かで少し陰鬱な雰囲気をもつ主題から始まります。この第1主題は全曲を貫く共通主題となっています。特徴としてカデンツァが展開部から再現部への移行部分に挿入されています。
第2楽章は三部形式と変奏曲の2つを合わせ持つ形式で、間奏曲と題されています。ニ短調-嬰へ短調-変ニ長調-変ロ短調-嬰へ短調-ニ短調と目まぐるしく調性が変化します。中間部は第1楽章の第1主題が変形して登場し、ワルツ風の経過部を過ぎると冒頭の主題が戻り高揚して、アタッカで第3楽章へ入ります。
第3楽章は力強い楽章、ピアノによって第1主題が提示されオーケストラに渡されますが、第2主題もピアノによって抒情的に提示されます。展開部では第1楽章の第1主題を元にした音楽が出て再現部へ突入します。
コーダはテンポを上げて一気にクライマックスを迎えラフマニノフ終止で曲を閉じます。
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