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2024年10月31日 (木)

10月31日 名曲100選 海外のポップス篇・59 風に吹かれて

「風に吹かれて」(Blowin' in the Wind)は、ボブ・ディランが1963年に発売したセカンド・アルバムに収録されシングル発売された曲です。
ピーター・ポール&マリーがカバーしてBillboardの最高位2位を獲得してボブ・ディランの名前も一躍知られるようになりました。
1960年代アメリカの公民権運動の賛歌として歌われ、内容からもプロテストソングの代表的な歌になっています。
「どれだけの道を歩けば 一人前の男とみなされるのだろう」から始まる問いかけの歌詞は、「どれだけの砲弾が飛び交えば撃つことを止めることができるのだろう」「人々が自由になるまでに人は何度顔をそむけるのだろう」「人はどれくらいの耳があれば悲しみが聞こえるのだろう」「どれぐらいの人が死ねば あまりに多くの人々が死んだことに気づくのだろう」・・・という問いかけが延々と続き、答えは「風に吹かれている」とあいまいな表現で、ひとりひとりが考えて行かなければならないというニュアンスを導き出しています。

2024年10月30日 (水)

10月30日 名曲100選 声楽曲篇・59 おお、愛するがいい、愛しうる限り

「おお、愛するがいい、愛しうる限り」(O lieb so lang du lieben kannst) S.298はフランツ・リストがドイツの詩人フライリグラートの同名の詩に作曲した作品です。この曲は後に他の2つの歌曲(「高貴な愛」S.307と「私は死んだ」S.308)と共にピアノ曲に編曲され「愛の夢」S.541というタイトルがつけられリストの代表作のひとつともなりました。「おお、愛するがいい、愛しうる限り」はこの「愛の夢」の第3番に当たる曲ですが、あまりにも有名になったため、単に「愛の夢」というとこの第3番を指すようになっています。
内容は、愛しうる限り愛しなさい、愛は簡単に失われるものです。ですから愛せる時に愛せる限り愛しなさい、というものです。

2024年10月29日 (火)

10月29日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・59 You're the only・・・

「You're the only・・・」は、小野正利が1992年に発売したソロとしての3枚目のシングルです。ロックバンドのボーカルとして活動していた小野正利がソロ活動を始めた年で、フジテレビ系のドラマ「君のためにできること」の主題歌となって大ヒットをして、レコード大賞の最優秀新人賞などを受賞しました。
小野正利の歌はよく通るハイトーンが特徴で、なかなかカラオケなんぞでは歌いこなすのが難しい歌でした。

2024年10月28日 (月)

10月28日 名曲100選 協奏曲篇・59 ピアノ協奏曲第24番(モーツァルト)

モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491は1786年、ウィーンで作曲されました。
モーツァルトの数少ない短調のピアノ協奏曲のひとつですが、もう1曲の第20番は第3楽章では短調で始まりますが最後は長調で終わります。
第24番は第2楽章は長調ですが、両端の楽章は短調で、短調で始まり短調で終わる曲になっています。
第1楽章はハ短調で4分の3拍子のソナタ形式です。第1楽章の跳躍する音は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番の出だしに雰囲気が似ていますね。
第2楽章は変ホ長調のラルゲットの穏やかな楽章です。第20番はロマンスと題された映画「アマデウス」でも使われた有名な曲ですが、こちらのメロディはもっと可愛らしい感じのものです。
第3楽章は主題と8つの変奏からなる変奏曲です。2分の2拍子ですが、最後は8分の6拍子に変わって短調のまま激しく曲を閉じます。

2024年10月27日 (日)

10月27日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・58 歌劇「ミニヨン」序曲

19世紀フランスのオペラ作曲家アンブロワーズ・トマの代表作が歌劇「ミニヨン」です。
原作はゲーテの小説「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」ですが、原作とはかなり内容が違ったものになっています。
ヴィルヘルムが遍歴の途中で出会った薄幸の少女ミニヨンは原作では突然死んでしまうのですが、トマも初演では原作に忠実にミニヨンの死で終わるのですが、オペラ・コミックではハッピーエンドが定石であったため評判が悪く、ミニヨンとヴィルヘルムが結ばれる短縮版も作られ、両方が演奏されるようになりました。
序曲は8分程度の曲で、クラリネットのおどけたような旋律から始まり、それに他の木管楽器がからんで進んでいきます。やがてハープのソロが入り幻想的な雰囲気の中ホルンが、この曲の有名なアリア「君よ知るや南の国」のメロディが奏でられます。序奏部が終わるとワルツが始まり盛り上がって行き華麗なエンディングを迎えます。
あまり演奏される機会は多くはありませんが、とても素敵な曲です。

2024年10月26日 (土)

10月26日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・58 道行のテーマ(八墓村)

横溝正史の推理小説「八つ墓村」は、1951年、1977年、1996年の3回映画化されています。
今回取り上げる「道行のテーマ」は1977年の作品の主要テーマ曲です。
「八つ墓村」は、横溝正史の金田一耕助シリーズの中でも非常に人気が高い作品です。
1976年に東宝が映画化した「犬神家の一族」は市川崑監督、石坂浩二を金田一耕助にして大ヒット、1977年の「悪魔の手毬唄」「獄門島」を映画化していきました。それに対抗する形で松竹が1977年に映画化したのが「八つ墓村」です。監督は野村芳太郎、金田一耕助は渥美清が演じましたが、どちらかと言えば、多治見家の跡継ぎとなる寺田達弥を演じた萩原健一が主人公となる作り方をしていました。
「八つ墓村」は、戦国時代に毛利との戦で敗れた尼子氏の家臣だった8人の落武者が財宝を持って逃げ延びてきた中国地方の寒村で、毛利氏の捜索が厳しくなる中、後の災いを憂いた事と財宝に目がくらんで村人たちが武者たちを皆殺しにしてしまいました。大正時代になって武者殺しの首謀者の子孫多治見要蔵が狂って村人32人も殺害してしまい、落武者の呪いと恐れられていました。(ここから「祟りじゃ~」というセリフが流行しました。)そして現代になって、祟りを装った連続殺人が起きるわけです。
音楽を担当したのが、野村監督の「砂の器」の音楽監督をした芥川也寸志でした。
道行のテーマは、映画の最終盤、鍾乳洞の中を逃げる達弥と小川真由美演じる森美也子の道行の際に流れる音楽です。

2024年10月25日 (金)

10月25日 名曲100選 器楽曲篇・58 森の情景

「森の情景」op.82は、シューマンが1849年に作曲したピアノ曲です。
全9曲で、全て変種調(♭がついた調)で作曲されています。
1.森の入り口 変ロ長調 三部形式 ゆったりとした曲で、静かに森に入っていく様子が描かれています。
2.待ち伏せる狩人 ニ短調 序奏と二部形式 
3.寂しい花 変ロ長調 優雅な雰囲気を持つ曲
4.気味の悪い場所 ニ短調 冒頭にヘッペルの詩が掲げられています。晩年のシューマンの暗さを持つ曲です。
5.なつかしい風景 変ロ長調 三部形式の速いテンポの曲
6.宿屋 三部形式
7.予言の鳥 ト短調 緩やかに、きわめて柔らかにという指示がある、ゆったりとした曲
8.狩の歌 変ホ長調 三部形式 テンポの速い力強い曲
9.別れ 変ロ長調 長いコーダを持つ三部形式 森を去って元の場所へ帰るという意味で、本来の別れという哀愁感はありません。

2024年10月24日 (木)

10月24日 名曲100選 海外のポップス篇・58 アメリカの歌

1970年サイモン&ガーファンクルとしての活動を休止して、ソロ活動に専念しはじめたポール・サイモンが1973年にが発売したのが「アメリカの歌」(American Tune)でした。Billboard全米チャートで35位(収録されていたアルバム「ひとりごと」はアルバムチャートの2位)を記録しています。
この曲はアメリカの経験を瞑想したもので、讃美歌「傷ついた聖なる頭よ」のメロディに基づいた曲になっています。この曲は、J.S.バッハのマタイ受難曲の15番(旧全集では21番)の「我を知り給え、わが守り手よ」と酷似したメロディです。
「何度も何度も間違いを犯し」から始まる歌詞はポール・サイモンによるもので、メイフラワー号の乗ってやってきた現代アメリカ人のルーツを思い起こしながら現代までのアメリカを歌った曲です。

2024年10月23日 (水)

10月23日 名曲100選 声楽曲篇・58 シェヘラザード

ラヴェルの歌曲集「シェヘラザード」は1904年に作曲された管弦楽伴奏による歌曲集です。
詞はトリスタン・クリングによるもので、ソプラノ用の3曲から構成されています。
第1曲「アジア」11分を要するこの曲集のほとんどの時間を占める長い曲です。徹底的にアジア趣味を歌った曲です。
第2曲「魅惑の笛」伴奏の主役はフルート。舞台はある中東の街の昼下がり。ミステリアスな曲調ですが第1曲に比べるとフランス音楽らしさが出ています。
第3曲「つれない男」恋を失う女の嘆きが描かれています。

ラヴェルは「シェヘラザード」というタイトルで演奏会用序曲も作曲していますが、序曲の方は「千一夜物語」に基づくものですが、こちらは直接は千一夜物語とは直接関係のないものです。

2024年10月22日 (火)

10月22日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・58 最後の一葉

「最後の一葉」は1976年9月に発売された太田裕美の6枚目のシングルです。
太田裕美といえば、「木綿のハンカチーフ」「赤いハイヒール」など物語性の強い曲で知られていますが、この「最後の一葉」はO.ヘンリーの短編小説「最後の一葉」を元にした曲です。
原作では、ニューヨークの古びたアパートに住む貧乏画家のジョンジーが肺炎を患ってしまい生きる気力を失ってしまい、窓の外に見えるレンガの壁を這う蔦の葉が全て落ちた時に自分も死ぬと言い出します。彼女の階下に住む老画家のベアマンは「いつか傑作を描いてみせる」と豪語しながら酒浸りの毎日。ジョンジーの話を聞いたベアマンは激しい嵐で残り1枚になってしまった蔦の葉を見てレンガの壁に精緻な葉を1枚描くが、冷たい風雨にさらされて自ら肺炎で亡くなってしまいます。
嵐が去った翌日になっても最後の一葉になっても壁にとどまっている葉を見たジョンジーは生きる気力を取り戻します。
というお話。
これをほぼそのまま歌にしたのが、この「最後の一葉」です。作詞は松本隆、作曲は筒美京平です。絵を描いたのが老人ではなくて恋人であるという事が大きな違いでしょうか。

 

2024年10月21日 (月)

10月21日 名曲100選 協奏曲篇・58 オーボエ協奏曲(マルチェルロ)

アレッサンドル・マルチェルロは17世紀イタリアの作曲家で、器楽作品特にバロックの協奏曲で知られた作曲家です。
中でもとりわけ知られているのがオーボエと弦楽合奏のための協奏曲ニ短調です。
バッハはこの作品をチェンバロ独奏曲である協奏曲第3番BWV974に編曲しています。
特に出し2楽章のアダージョが有名でイタリア映画「ベニスの愛」のラストシーンに使われ更に人気が出た作品です。
バロック時代の管楽器を独奏とする協奏曲といえば、殆どがオーボエとフルートの協奏曲ですが、当時はまだ現代のフルートが一般的ではなくフルート=リコーダーでした。そのため高い表現力を必要とする管楽器の協奏曲といえばオーボエ協奏曲だったわけです。
この曲もオーボエの特徴である甘く切ない音が活かされた曲になっています。

2024年10月20日 (日)

10月20日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・57 歌劇「売られた花嫁」序曲

オーケストラの演奏会の一番オーソドックスなパターンは前プロ、中プロ、休憩を挟んでメインという3曲プロです。メイン曲がマーラーとかブルックナーなどの長い曲の場合、前半1曲とか、メイン曲1曲のみというプログラムもありますが、アマチュア・オーケストラの場合団員全員が演奏できなければならないという原則があるので、1曲のプログラムは難しいですね。
アマチュア・オーケストラでは管楽器(特にフルート、クラリネット、トランペットなど)の団員が多くて、弦楽器が足りないという団体がかなり多いのですが、これにはいくつかの理由があります。ひとつは、オーケストラの管楽器奏者は中学校や高校でブラスバンドを経験して大学でオーケストラに入ったという人が多く、弦楽器奏者は高校以前から楽器を弾いていた人が非常に少ない事。弦楽器は1曲について例えばバイオリン奏者が14人以上の奏者がステージに乗れますが、管楽器奏者は2,3人が普通(ホルンは4人の場合も少なくないです)。なので、ある程度曲数が無いと全員がステージに乗ることができないわけです。
3曲プロの場合、前プロは序曲や前奏曲、中プロは協奏曲や組曲など、メインは交響曲というのがオーソドックスですが、協奏曲は通常のオーケストラの団員がソロを弾くのはまず無理なので、プロの奏者を招かなければならなくてコストがかかります。なので、協奏曲の替わりに短い交響曲を入れる場合もありますが、交響曲2曲は結構聴く側は退屈なものなので、組曲(バレエや劇付随音楽などの抜粋) が多くなるわけです。

長々と書きましたが、ここからが本題。3分から10分程度の前プロとなる序曲も色々な曲を演奏して来ましたが、個人的に2度と演奏したくないワースト3曲はニールセンの「ヘリオス」序曲、メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」そして、今回取り上げる歌劇「売られた花嫁」」序曲です。理由は・・・難しすぎる・・・聴く分にはどれも名曲ですが。
「売られた花嫁」序曲は、弱音で細かい音符をウネウネと長時間演奏しなければならない事。速いテンポで細かい音符が続く曲はグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲やモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲がありますが、どれも強い音のユニゾンなので誤魔化しが効く。「売られた花嫁」の場合は弱音で他の楽器と違う動きなので、誤魔化せないのです。
まあ、聴いてみてください。

2024年10月19日 (土)

10月19日 名曲100選 映画音楽(邦楽)篇・57 野獣死すべしのテーマ

「野獣死すべし」は1958年に発表された大藪春彦の処女作です。この作品以降大藪春彦の作品に多く登場するキャラクター伊達邦彦を主人公としたハードボイルド小説で、この作品をベースに1980年に製作されたのがこの映画です。
伊達邦彦を演じた松田優作の鬼気迫る演技が話題となりましたが、原作とは少しストーリーが異なっていてハードボイルドよりも伊達邦彦の内面がより濃く出ていました。
音楽はたかしまあきひこが担当し、主題曲は岡野等のトランペットをフィーチャーした荒川バンドが演奏しています。

2024年10月18日 (金)

10月18日 名曲100選 器楽曲篇・57 4つの即興曲(シューベルト)

シューベルトは4つの即興曲という作品を2つ遺しています。今回取り上げるのは1827年に作曲されたop.90,D899のものです。
御多分に漏れず全部の曲が生前に出版されず、第3番と第4番はシューベルトの死後29年が経過してから出版されています。
自由な旋律美を優先させていて、彩りある曲集になっています。
第1番ハ短調は自由な変奏曲形式で「ソ」の音の5オクターヴの内4音の強打から始まります。主題は直ぐに単旋律で寂しげに奏でられて始まります。その後4つの変奏曲が演奏されコーダではハ長調の主和音が最弱音で鳴らされて静かに終わります。
第2番 変ホ長調は複合三部形式で、練習曲のような三連符の無窮動を主題としています。
第3番変ト長調は三部形式の落ち着いたメロディをアルペジオが装飾する構造になっています。
第4番変イ長調は複合三部形式で変イ短調から変イ長調へと変異していきます。

2024年10月17日 (木)

10月17日 名曲100選 海外のポップス篇・57 グレイテスト・ラヴ・オブ・オール

グレイテスト・ラヴ・オブ・オールはホイットニー・ヒューストンが1986年にリリースしたシングルで、勿論全米チャート1位となっています。
オリジナルは1977年にジョージ・ベンソンが発売し、「グレイテスト・ラブ」という映画の主題歌に使われました。当時もヒットしましたが、ホイットニーのヒットによって更に有名になった曲です。
文法的には最上級を表す-estが付く単語は theが冠詞としてつくのですが、この曲のタイトルではそれが省かれています。
ここで歌っている愛は男女間の愛情の事ではなく、子供たちへの愛、もっと普遍的な愛を歌ったスケールの大きい曲なんですね。

2024年10月16日 (水)

10月16日 名曲100選 声楽曲篇・57 グラゴル・ミサ

グラゴル・ミサはヤナーチェクが1927年に作曲した合唱曲です。
教会スラヴ語の典礼文に曲をつけた独唱、合唱と管弦楽のための作品ですが、宗教的な目的ではなく、民族主義の発揚をめざして作られたもので、厳粛というよりは劇的な作品になっています。
「グラゴル」はスラヴ人が使った最古の文字グラゴル文字をさしています。
入祭文、キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイ、後奏曲(オルガン独奏)、イントラーダの8つの楽章から構成されています。
最初の楽章と最後の楽章には華麗なファンファーレがあり、第7楽章はドラマティックなオルガンソロが置かれています。

2024年10月15日 (火)

10月15日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・57 生きるものの歌

永六輔は作詞家として数多くのヒット曲を世に出しました。特に作曲家の中村八大とのコンビでは「夢であいましょう」「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」など昭和を代表する曲を作っています。
1974年に歌手として「六輔その世界」というアルバムを出しましたが、歌は決して上手とは言えなかったものの中村八大とのコンビで作り上げた曲は素晴らしい曲で特に「生きているということは」と「生きるものの歌」は対になる曲としてシングル発売されました。
さらに、野坂昭如、小沢昭一と中年御三家を結成して日本武道館でコンサートを行ったりもしています。

「生きるものの歌」はその後NHKの「世界史漫遊」の挿入歌として半年間使われたり、加山雄三、デューク・エイセスなど多くの歌手がカバーし、2016年にはさだまさしが前年に亡くなった永六輔を偲んで「永縁 さだまさし永六輔を歌う」でこの曲を歌っています。歌詞の本当の意味はわかりにくい抽象的なものですが、2コーラス目に長いセリフが入っていて、そこでこの歌の言いたいことがわかると思います。

2024年10月14日 (月)

10月14日 名曲100選 協奏曲篇・57 フルートとハープのための協奏曲

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299(297c)は1778年に作曲されています。
フランスの貴族で外交官でもあったギーヌ公の家で、娘の作曲などの家庭教師をしていたモーツァルトが、彼女の結婚式で演奏するためにギーヌ公から依頼されて作曲したもの。娘はハープ、父親はフルートの愛好家だったことからオーケストラをバックに父娘がソリストとなって演奏するという事で作曲したものです。(実際に演奏されたかどうかは記録が無いようです)
そういう経緯で作曲したものなので、高度な演奏技術を使わず全楽章ハ長調であり、親しみやすいメロディに溢れた曲になっています。
結婚式の演奏用ですから、全楽章長調の非常に明るい曲調になっています。

2024年10月13日 (日)

10月13日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・56 アブハッサン序曲 

「アブ・ハッサン」はウェーバーが1811年に完成させた1幕のオペラです。
「千夜一夜物語」を題材にした作品で、序曲は3分程度の短いものですがオペラの主要旋律が盛り込まれた生き生きとした曲になっています。
「魔弾の射手」「オベロン」「オイリアンテ」ほど知られていませんが、非常に華やかな曲です。

2024年10月12日 (土)

10月12日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・56 あしたかせっ記

1997年に公開されたスタジオジブリの映画「もののけ姫」は193億円の興行収入で当時の日本映画の歴代1位となる大ヒットとなりました。
日本の中世を舞台に、自分たちを守るために自然を破壊する人間と森を守る神やもののけとの戦いを描いた長編アニメで、人間側のヒーロー アシタカと山犬に育てられたヒロインのサンとの絡みを交えて描いたものです。
昨今、人間による森林破壊や気候変動を一因とした、クマやイノシシなどの野生動物が人里近くに出没して被害が出ていますが、そんな状況がかぶって来る作品です。
音楽は久石譲が担当した、フルオーケストラによるもので、主題歌はカウンターテナーの米良美一が歌った「もののけ姫」ですが、今回はオープニングとエンディングに使われた「あしたかせっ記」を取り上げました。
サウンドトラックはオリコンアルバムチャートの9位を獲得し、レコード大賞の企画賞を受賞しています。

2024年10月11日 (金)

10月11日 名曲100選 器楽曲篇・56 パッサカリア(ゴドフスキー)

ポーランドのユダヤ人ピアニスト レオポルド・ゴドフスキーは数々のピアノ曲を作曲していますが、どちらかと言えば編曲作品の方が有名になっています。ヨハン・シュトラウスの「こうもり」「芸術家の生活」やサンサーンスの「白鳥」などをピアノ用に編曲した作品が愛されていますが、今回はオリジナル作品のご紹介です。
パッサカリアは、正式名称を「シューベルトの「未完成交響曲」の冒頭主題による44の変奏とカデンツァとフーガ」というもので、チェロとコントラバスで演奏される未完成交響曲の冒頭の8小節に基づく変奏曲になっています。但し、変奏の数は楽譜に明記されておらず、小節数を圧縮したものもあるので、正確に数えるのは難しいそうです。
この曲は、名手ホロヴィッツが演奏に何度もとん挫して「演奏には6本の手が必要で2本ではとても足りない」と言った程演奏が困難な曲です。

2024年10月10日 (木)

10月10日 名曲100選 海外のポップス篇・56 悲しみのヒーロー

「悲しみのヒーロー」(Billy Don't be a Hero)は1974年にイギリスでペーパー・レースがヒットさせ、数か月後にアメリカでボー・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズがヒットさせた曲です。
ペーパーレース版はイギリスで第1位のヒットを記録しましたが全米B illboardでは96位でした。ボー・ドナルドソンとヘイウッズ版は全米Billobardで1位を記録する大ヒットとなっています。
内容は、婚約者が軍隊に志願した恋人ビリーに、ビリー、英雄にならないで、自分の人生を無駄にしないで、私の元に戻ってきて結婚してください、と懇願するものです。行進曲風の軽快な曲ですが、最終コーラスでは静かな伴奏になり、援軍を呼んでくる任務に志願したビリーが戦死した事が歌われます。
この曲がヒットしたのはベトナム戦争の最中ですが、曲が何の戦争だかは明確になっていません。冒頭のマーチングバンド風の雰囲気から南北戦争では無いかという意見が有力のようです。
こちらがペーパー・レースの曲。

こちらが、ボー・ドナルドソンとヘイウッズの曲です。

 

2024年10月 9日 (水)

10月9日 名曲100選 声楽曲篇・56 最初のワルプルギスの夜

「最初のワルプルギスの夜」op.60は、メンデルスゾーンがゲーテの詞をもとに1832年に完成させたカンタータです。
ゲーテの詞の内容は、5月の森の中で祭儀を行うドルイド(ケルト人社会の祭司)が、キリスト教の聖職者に邪魔をされないために人々に悪魔の扮装をさせ、キリスト教徒はこれら狼男やドラゴン女たちを見て震え上がるというもの。
序曲と9曲で構成されていて、おどろおどろしい雰囲気や、キリスト教たちが震え上がる様子が音楽として見事に表現されています。

この曲、実は演奏する機会があって練習していたのですが、本番の日の一週間前に東日本大震災が発生して中止になったという、私にとってはいわくつきの曲です。

2024年10月 8日 (火)

10月8日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・56 PRIDE

「PRIDE」は1996年に発売された今井美樹の12枚目のシングル曲です。
作詞作曲は、現在の夫布袋寅泰。
フジテレビ系ドラマ「ドク」の主題歌に採用され今井美樹の最大のヒット曲となりました。最終的には売上160万枚を超える大ヒットとなって3作目のオリコンチャート1位の曲となりました。
歌詞は、恋をした女性が「今は恋人を愛することが私のプライド」と考えて生きて行くという内容。肩を張らない今井美樹の淡々とした歌い方が逆に情感を引き立てるように感じます。

2024年10月 7日 (月)

10月7日 名曲100選 協奏曲篇・56 ブランデンブルグ協奏曲第2番

J.S.バッハはブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに6曲の協奏曲を献呈しています。
ブランデンブルグ協奏曲です。6曲は、3番と6番以外は複数の独奏楽器と合奏によって編成されています。
第2番ヘ長調 BWV1047は、トランペット、リコーダー、オーボエとヴァイオリンを独奏楽器にして、合奏は弦楽器と通奏低音という編成になっています。
第2楽章はトランペットは全休なのですが、他の楽章では、トランペットの響きが印象的な曲です。

2024年10月 6日 (日)

10月6日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・55 夜明けとジークフリートのラインへの旅

「夜明けとジークフリートのラインへの旅」は、ワーグナーのニーベルンクの指環の最終作「神々の黄昏」の序幕で演奏される音楽です。
序奏の後エルダの娘で「運命の女神」である3人のノルンが大地の下に姿を隠した後から始まるのが「夜明け」の音楽です。「ブリュンヒルデの愛の動機」を中心に演奏され、ブリュンヒルデとジークフリートが登場。ブリュンヒルデが愛馬グラーネをジークフリートに贈り、新たな勲を求めてライン川に向けて旅立つジークフリートをブリュンヒルデが岩山に残って見送る音楽で、第1幕への間奏曲となる曲です。

2024年10月 5日 (土)

10月5日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・55 麻雀放浪記

「麻雀放浪記」は阿佐田哲也の「麻雀放浪記」の第1巻「青春篇」を1984年に映画化した作品です。
ドサ健との出会いをきっかけに賭博の世界に足を踏み入れた主人公の坊や哲が麻雀にのめり込んで行く姿を描いたもので、坊や哲を真田広之、ドサ健を鹿賀丈史、麻雀仲間の出目徳を高品格が演じていました。
主題曲に使われたのが岡晴夫の「東京の花売り娘」で、これは昭和21年のヒット曲で、戦後の日本の荒廃の中を明るくリードした曲のひとつです。

2024年10月 4日 (金)

10月4日 名曲100選 器楽曲篇・55 音楽の玉手箱

「音楽の玉手箱(おどけたワルツ)」はロシアの作曲家リャードフが作曲したピアノ小品です。
リャードフと言えばロシア五人組より少し後に出てきた作曲家ですが、どちらかというと「バーバ・ヤガー」とか「キキーモラ」といったような神話を基にした濃~い管弦楽曲で知られていますが、この曲は全く違う雰囲気を持つ曲です。管弦楽にも編曲されていますが、原曲はピアノ曲で、オルゴールっぽい雰囲気を持つ愛らしい三部形式の曲です。

2024年10月 3日 (木)

10月3日 名曲100選 海外のポップス篇・65 遠い初恋

「遠い初恋」(Make Believe It's You First Time)は、ボブ・モリソンとジョニー・ウィルソンによって作られ1979年にボビー・ヴィントンがリリースして全米78位となった後1979年から80年にかけてカレン・カーペンターによってレコーディングされましたが当時はリリースされず1996年にアルバム「カレン・カーペンター」として発売されました。
その間1981年に再度レコーディングされましたが、結局1983年にカレンが亡くなった後カーペンターズのアルバム「ヴォイス・オブ・ザ・ハート」に収録されると共に、シングルとして発売されBillboard のアダルトコンテンポラリー・チャートの7位になっています。
長い間恋をし続けちょっと倦怠期を迎えたような彼に対して、過去は過去、大切なのは今、これが初めてというつもりになってみて・・・
という内容の恋の歌です。

2024年10月 2日 (水)

10月2日 名曲100選 声楽曲篇・55 蚤の歌

「蚤の歌」は、ムソルグスキーが1879年に作曲した歌曲で、正式名は「アウエルバッハの酒場でのメフィストフェレスの歌」です。元々はアルト歌手による歌唱を想定して作曲されましたが、現在ではもっぱらバス歌手のレパートリーになっています。
ゲーテの「ファウスト」から取られた詞によるものですが、曲のあちこちに現れるメフィストフェレスの笑い声はムソルグスキー自身のアイデアだそうです。
内容は、ある時一人の王様が蚤と一緒に住んでいて、王様は兄弟よりも蚤をかわいがり、蚤に高級な服を着せて自由に振舞わせていました。
王様は蚤を大臣にして勲章を与え、仲間の蚤もみんな召し抱える有様。
妃も女官も蚤には手出しできず生きた心地もしませんでした。メフィストは「俺たちだったらすぐに潰してやる」と最後を締めくくっています。

2024年10月 1日 (火)

10月1日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・55 出逢い

「出逢い」は2002年7月10日に発売された安全地帯24枚目のシングルです。
1993年に活動休止して以来9年ぶりとなる新曲でオリコン最高位は20位でした。
約3分で歌詞の文字数も少ない簡潔な楽曲ですが、想いが溢れて来るバラード曲になっています。
「火曜サスペンス劇場」の主題歌にも採用されました。
別れた恋人へ呼びかける曲で、出逢えたよろこびをいつまでも忘れずに愛していると歌った曲です。

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