8月18日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・50 天国と地獄序曲
歌劇「天国と地獄(黒いオルフェ) 」はオッフェンバックが1858年に初演したオペレッタ。ギリシア神話の「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディとして作られたものです。
神話とは異なり、オルフェオとエウリディーチェの仲は冷め切っていて、オルフェオは農夫アリステと密会するエウルディーチェを毒蛇によって殺してしまいます。実はアリステは冥界の神プリュトンが化けていた人で死んだエウリディーチェを冥界に連れて行ってしまいます。勿論妻を連れ戻す気など全くなかったオルフェオでしたが、世間体を考えて(世論という登場人物になっています)神々の王ジュピターによって、エウリディーチェを連れ戻すように命じられてしまい、渋々天国へ向かうという話。実は主人公のひとつが「世論」という奇想天外な作品なのです。
ところで、この「天国と地獄」の序曲が誰でも知っているメロディを含んでいます。
元々はこのオペレッタには序曲はありませんでしたが、ウィーン初演のためにカール・ビンダーが劇中の曲を編曲して序曲を作成。それがオッフェンバック作曲の「天国と地獄」序曲と言われる曲になりました。
序曲は3部構成で、第1部はなんだかドタバタした雰囲気の軽妙な曲で始まり、やがてクラリネットのカデンツァの後オーボエが羊飼いの主題を奏でます。その後チェロの独奏でゆったりとしたメロディが奏でられます。
第2部は嵐のような序奏に続いてヴァイオリン独奏によって始まるワルツ調のパートです。
第3部が最も有名な部分「カンカン」と呼ばれる部分で、日本では運動会の徒競走のBGMや文明堂のCMに使われるなど誰でも知っている曲です。
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