9月1日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・51 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
「ルスランとリュドミラ」は、グリンカが作曲した全5幕のオペラ。1842年に完成されました。
グリンカは近代ロシア音楽の父とも言われる作曲家で、後のロシア五人組などに大きな影響を与えた作曲家として知られています。
「ルスランとリュドミラ」はプーシキンが1820年に発表した物語詩を基にグリンカを含めた5人の共同作業で台本を作成しました。
キエフ大公国のスヴェトザール大公の娘リュドミラ姫と騎士ルスランの婚礼の宴席の途中魔術師チェルノモールがリュドミラをさらっていきます。大公はルスランとその場にいた若者らに、娘を取り戻した者に娘を与えると宣言し、ルスランを含む3人の若者が助けに行きます。
最終的にはルスランが魔術の誘惑やライバルの妨害などを切り抜け、娘を連れ帰り無事に結ばれるというお話。
序曲は、ロシアのオペラを代表する曲で、しばしば単独で演奏されます。ニ長調のソナタ形式で冒頭はトゥッティで忙しく駆けるように奏でられ、婚礼の場で登場する合唱曲「偉大な神々に栄えあれ」の旋律による第1主題が、弦楽器によって怒涛のように奏でられます。
第2主題はルスランのアリア「雷神よ、腕にかなう鋼の刀を我に与えよ」の旋律でヴァイオリンやチェロによって奏でられます。
この曲が有名な理由は、超快速曲という事。勿論ずっと飛ばしっぱなしではありませんが、テンポは終始Presto。モーツァルトの「フィガロの結婚」やスメタナの「売られた花嫁」序曲と並ぶ有名快速曲です。但し、フィガロもルスランも基本的にはユニゾン(全部の楽器が同じ音を弾く)で音程が激しくジャンプする事は無いので、快速の中で掛け合いがある「売られた花嫁」よりは演奏しやすいです。
昔は、この「ルスランとリュドミラ」序曲のテンポの速さを競うような演奏時間の短さを比較したりすることもありましたが、速けりゃ良いってもんじゃないです。私が若い頃はムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルの演奏が最も速い上にきちんとした演奏という評価だったのですが、その後どうなったのかな?
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