5月19日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・37 喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇「ジプシー男爵」は1885年に初演されています。
「ジプシー男爵」は「こうもり」と並ぶシュトラウスのオペレッタの代表作です。
この2曲の序曲はだいぶ作風が異なっています。「こうもり」の方はワルツ主体の序曲ですが、「ジプシー男爵」はワルツは出てきますがごく短いもので、本格的な序曲になっています。人気は「こうもり」序曲の方が遥かに高いのですが、曲としてはどちらも魅力的な曲です。
「ジプシー男爵」序曲は6つの部分から構成されています。
1つ目は、弦楽器による力強いメロディで始まる序奏。第1幕第12場「ロマ族の合唱」に基づくもの。2つ目はオーボエののどかな独奏で歌われる第1幕第13場の「この土地こそあなたの故郷」に基づきます。3つ目はポルカ風の生き生きとした旋律、第2幕第1場の「だから、すべての石を叩きましょう」に基づきます。4つ目は優雅なワルツ、第2幕第3場の「喜びに満ちた都市ウィーン」に基づく通称「宝のワルツ」として知られる曲です。
5つ目は一転して荒々しいロマの舞曲になります。第1幕第12場のロマ族の人々の登場の場面で演奏されるものです。6つ目は舟歌。第1幕冒頭で歌われる「本当の先導とは言えませんよ」に基づくものです。
その後ワルツが再度登場しチャルダーシュによる盛り上がりを見せてフィナーレを迎えます。
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