5月27日 名曲100選 協奏曲篇・39 ピアノ協奏曲第4番(サン=サーンス)
サン=サーンスのピアノ協奏曲第4番ハ短調op.44は、1975年に作曲されました。
この曲には循環形式が用いられています。
2楽章構成になっていますが、第1楽章が2部、第2楽章が3部構成ととらえることができます。これはサン=サーンスがしばしば採る手法で、交響曲第3番などでも使用されています。
第1楽章は、オーケストラ、その後ピアノによって循環主題(1)が演奏される変奏曲形式の第1部から始まります。第1部はこの循環主題を2つの変奏にしています。第2部は自由なソナタ形式で、コラール風の循環主題(2)が木管によって静かに奏でられ、やがてピアノによって循環主題(3)が出て、展開部はこの2つの循環主題を使いますが、再現部は循環主題(3)のみが拡大されます。
第2楽章はスケルツォに相当する第1部。第3部への序奏とも考えられる第2部は循環主題(3)に基づくフガートで始まり、第3部への伏線として循環主題(2)が現れます。第3部はソナタ形式で循環主題(2)を基にした第1主題が行進曲風に現れ、リズミックな第2主題の後展開部では循環主題(3)が結合していきます。最後はサン=サーンスらしく堂々として華やかな終わりになります。
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