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2024年5月31日 (金)

5月31日 名曲100選 器楽曲篇・39 舟歌(ショパン)

ショパンの舟歌 嬰ヘ長調op.60は1846年に作曲した曲です。
「舟歌」(Barcarolle)はヴェネツィアのゴンドラを模した性格的な小品で、通常は2拍子系の8分の6拍子の作品が多いのですが、この曲は4拍子系の8分の12拍子で作られています。
波を彷彿とさせる伴奏の上に抒情的なメロディが重ねられて始められます。中間部は短調から長調になったり転調を繰り返します。
最後は下降音階で華やかに締め括られます。

2024年5月30日 (木)

5月30日 名曲100選 海外のポップス篇・39 愛の花咲く時

「愛の花咲く時」(A Man without Love)は、エンゲルベルト・フンパーディンクが1968年に発売した曲です。
元々はイタリアの女性歌手アンナ・イデンティチが"Quando m'innamoro"のタイトルで歌ったサンレモ入賞曲で、それにパリー・メイスンが英語の歌詞をつけて歌いました。
英語の題名が  A Man without Love  愛を失った男 なのに邦題が「愛の花咲く時」というのは全く意味不明ではありますが、メロディは失恋の曲には聴こえないので、そういうところから付けられた邦題なのでしょうか?

2024年5月29日 (水)

5月29日 名曲100選 声楽曲篇・39 春への憧れ

「春への憧れ」ヘ長調K.596は、モーツァルトが1791年に作曲した歌曲です。ドイツ・リートの代表作のひとつとしてシューベルトの「菩提樹」やブラームスの「子守歌」などのように民謡のように親しまれています。
子供用の歌曲として「春」K.597と「子供の遊び」K.598と共に作曲され、歌詞はクリスティアン・オーヴァヴェックの「フリッツヒェンの歌」の中から採られたものです。
メロディはピアノ協奏曲第27番の第3楽章のロンド主題から転用したものです。

2024年5月28日 (火)

5月28日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・39 思い出だけではつらすぎる

「思い出だけではつらすぎる」は、柴咲コウの4枚目のシングルで2003年9月に発売されました。
中島みゆき作詞作曲で「Dr.コトー診療所」の挿入歌としても使われました。
なかなか歌詞が難しくて、離れ離れになってしまう歌なのかどうなのかもわかりにくい曲ですね。

2024年5月27日 (月)

5月27日 名曲100選 協奏曲篇・39 ピアノ協奏曲第4番(サン=サーンス)

サン=サーンスのピアノ協奏曲第4番ハ短調op.44は、1975年に作曲されました。
この曲には循環形式が用いられています。
2楽章構成になっていますが、第1楽章が2部、第2楽章が3部構成ととらえることができます。これはサン=サーンスがしばしば採る手法で、交響曲第3番などでも使用されています。
第1楽章は、オーケストラ、その後ピアノによって循環主題(1)が演奏される変奏曲形式の第1部から始まります。第1部はこの循環主題を2つの変奏にしています。第2部は自由なソナタ形式で、コラール風の循環主題(2)が木管によって静かに奏でられ、やがてピアノによって循環主題(3)が出て、展開部はこの2つの循環主題を使いますが、再現部は循環主題(3)のみが拡大されます。
第2楽章はスケルツォに相当する第1部。第3部への序奏とも考えられる第2部は循環主題(3)に基づくフガートで始まり、第3部への伏線として循環主題(2)が現れます。第3部はソナタ形式で循環主題(2)を基にした第1主題が行進曲風に現れ、リズミックな第2主題の後展開部では循環主題(3)が結合していきます。最後はサン=サーンスらしく堂々として華やかな終わりになります。

2024年5月26日 (日)

5月26日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・38 ウィーンの朝・昼・晩

歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」はスッペが作曲した2幕の喜劇で1844年に初演されました。オペラそのものは殆ど忘れ去られてしまいましたが、序曲は現在でも演奏されています。
大袈裟な序奏で始まり、チェロの独奏による哀愁を帯びた旋律が演奏されます。この部分が結構長いです。再び冒頭の全奏が戻ってきて、その後主要部分に入ります。この部分は非常に軽快なものです。
最後はテンポを上げて華やかに終わります。

2024年5月25日 (土)

5月25日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・38 人間の証明

「人間の証明」は1977年に公開された角川映画作品です。
原作は森村誠一で、この後発売された「青春の証明」と「野生の証明」を合わせて証明三部作とも言われた作品の第1作です。
ホテルで殺された黒人青年ジョニー・ヘイワードの犯人捜しがテーマで、現在有名ファッションデザイナーで政治家の妻でもある八杉恭子が、戦後進駐軍向けのバーで働いて、黒人との間に生まれた子供がジョニーであった、という黒歴史を消すために多くの罪を犯してしまうというのがストーリーです。
作品中、西條八十の詩「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね、ええ、碓氷から霧積へ行く道で渓谷へ落としたあの麦藁帽子ですよ・・」を劇中で台詞に使い、この詩がキャッチコピーなどにも使われ、主題歌の冒頭の歌詞にも英訳して使われています。
主題歌はジョニー・ヘイワード役を演じたジョー山中が歌っています。

2024年5月24日 (金)

5月24日 名曲100選 器楽曲篇・38 謝肉祭(シューマン)

「謝肉祭」op.9は、シューマンが1834年から35年にかけて作曲したピアノ曲集で、全20曲からなります。「4つの音符による面白い情景」という副題があり、実らなかった恋の相手フィリッケンの出身地アッシュのドイツ語表記ASCH(As ラ♭-Cド-Hシ)と(Aラ-S=Esミ♭-Cド-Hシ)の音列を第1曲「前口上」と第12曲「ショパン」以外で使用しています。
20曲の中には、ショパン、パガニーニやキアリーナ(クララ・ヴィークのイタリア風の呼び名)などの実名のタイトル曲や架空の「ダヴィッド同盟」の構成員などの名前の曲など実際の謝肉祭とはあんまり関係ないユニークなタイトルの曲が並んでいます。
シューマンとしては多彩な響きを持つ曲なのでグラズノフやラヴェルが管弦楽に編曲したりもしています。

2024年5月23日 (木)

5月23日 名曲100選 海外のポップス篇・38 ダニエル

「ダニエル」(Daniel)は、エルトン・ジョンが1973年に発表した曲です。
作曲はエルトン・ジョン、作詞はバーニー・トービン(エルトン・ジョンの殆どの曲の作詞をしている作詞家)。
全米チャートでは第2位を記録しました。ベトナム戦争を扱った作品で、戦闘の末に視力を失った架空の退役軍人が帰国してから自分を取り巻く状況から逃げ出すためにスペインへ旅立つ様子を弟の目線で見た話として描かれています。

2024年5月22日 (水)

5月22日 名曲100選 声楽曲篇・38 おお、ひばり

「おお、ひばり」は、メンデルスゾーンが作曲した「最初の春の日」という無伴奏混声合唱のための曲集の4つめの曲です。
春の予感、ブリーメル、春の祝い、おおひばり、朝の祈り、秋の歌の6曲からなる曲集です。
原題の「Lerchengesang」は「ひばりの歌」という意味ですが、歌詞の中の、O Lerche, dein Sang!(おお、ひばり、お前の歌は!」から、訳詞者の高野辰之が題名として、定着しました。
日本では天高く舞い上がって歌うひばりから、天の恵み、地の栄えを祝う曲に訳されています。

2024年5月21日 (火)

5月21日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・38 大都会

ムッシュ吉崎と田中昌之のツインボーカルによるロックバンド クリスタル・キングは1976年から活動していましたが、1978年にポプコンで入賞に終わり、その時グランプリを取った円広志の「夢想花」のサビのインパクトに負けただけだと、田中の高音で歌メロが始まれば、審査員も驚くだろうと、再挑戦のために作った曲が「大都会」です。
1979年のポプコンでグランプリを獲得し第10回世界歌謡祭でもグランプリを受賞して再デビューを果たしました。結局118万枚を超えるミリオンセラーを記録し1980年のオリコンチャートでも年間3位となる大ヒットになっています。
「大都会」は佐世保で結成されたクリスタル・キングにとっての大都会「博多」の事だそうです。
何といってもイントロが終わったすぐに出て来る「あ~あ」の高音がインパクト大で、私の音域よりも1オクターヴ以上高い音なんです。

2024年5月20日 (月)

5月20日 名曲100選 協奏曲篇・38 ヴィヴァルディ 四季

ヴィヴァルディの「四季」は正式名称はヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」op.8の中の第1曲から第4曲になります。
ヴィヴァリディ自体はこの曲に「四季」という名称を付けたわけではありませんが、各曲の楽章ごとに短いソネットが書かれていて、そこから春・夏・秋・冬という四季を連想して、そう呼ばれるようになったようです。
・協奏曲集第1番ホ長調RV269「春」
第1楽章 アレグロ あまりにも有名な旋律を主題とした曲。小鳥の声がヴァイオリンのトリルで表現されたり途中で春の嵐が来たりと変化に富んだ曲です。
第2楽章 ラルゴ 伸びやかな旋律で、いかにも春の息吹を感じさせる曲です。
第3楽章 アレグロ 陽気なバグパイプを模した伴奏に伴って奏でられる踊りの音楽です。
・協奏曲集第2番ト短調RV315「夏」
第1楽章 アレゴル・ノン・モルト -アレグロ 想像していた夏と違う物憂げな音楽で始まり、後半は嵐の表現も登場します。
第2楽章 アダージョ ブヨやハエがブンブン音を立て、稲妻と雷鳴が轟いて眠れないような暑さを表現しています。
第3楽章 プレスト いよいよ本当の嵐がやって来ました。激しい音楽で穀物は打倒されていきます。全曲通して夏らしい開放的な雰囲気は全く無く、ヴィヴァルディは夏が嫌いだったんでしょうね。
・協奏曲第3番ヘ長調RV293「秋」
第1楽章 アレグロ 滅茶苦茶明るい踊りの音楽。収穫が終わった農民たちが喜びにあふれて踊りまくります。
第2楽章 アダージョ・モルト お祭り騒ぎでお酒を飲みすぎた人たちは眠りに誘われます。チェンバロのアルペジオに支えられて長い音による旋律が奏でられます。
第3楽章 アレグロ 躍動的な狩の音楽です。
・協奏曲第4番へ短調RV297「冬」
第1楽章 アレグロ・ノン・モルト 刻みによる伴奏は寒さの中で足の冷たさを振り払うために歩き回る厳しい寒さを表現した曲です。リズミカルなメロディも動きを表現したものです。
第2楽章 ラルゴ 大雪の中、暖炉で休息の平和な時間が流れます。この曲集で最も美しいメロディです。
第3楽章 アレグロ 氷の上を滑らないようにゆっくり用心深く歩き、再び厳しい寒さと吹きすさぶ北風が表現されています。

2024年5月19日 (日)

5月19日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・37 喜歌劇「ジプシー男爵」序曲

ヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇「ジプシー男爵」は1885年に初演されています。
「ジプシー男爵」は「こうもり」と並ぶシュトラウスのオペレッタの代表作です。
この2曲の序曲はだいぶ作風が異なっています。「こうもり」の方はワルツ主体の序曲ですが、「ジプシー男爵」はワルツは出てきますがごく短いもので、本格的な序曲になっています。人気は「こうもり」序曲の方が遥かに高いのですが、曲としてはどちらも魅力的な曲です。
「ジプシー男爵」序曲は6つの部分から構成されています。
1つ目は、弦楽器による力強いメロディで始まる序奏。第1幕第12場「ロマ族の合唱」に基づくもの。2つ目はオーボエののどかな独奏で歌われる第1幕第13場の「この土地こそあなたの故郷」に基づきます。3つ目はポルカ風の生き生きとした旋律、第2幕第1場の「だから、すべての石を叩きましょう」に基づきます。4つ目は優雅なワルツ、第2幕第3場の「喜びに満ちた都市ウィーン」に基づく通称「宝のワルツ」として知られる曲です。
5つ目は一転して荒々しいロマの舞曲になります。第1幕第12場のロマ族の人々の登場の場面で演奏されるものです。6つ目は舟歌。第1幕冒頭で歌われる「本当の先導とは言えませんよ」に基づくものです。
その後ワルツが再度登場しチャルダーシュによる盛り上がりを見せてフィナーレを迎えます。

2024年5月18日 (土)

5月18日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・37 南極物語

「南極物語」は1983年公開の作品で南極観測隊の苦難と、そり犬たちの悲劇を描いた実話を基にした作品です。
1957年南極観測隊第1次越冬隊が南極観測船「宗谷」に乗って南極大陸へ赴きました。1958年2月に第2次越冬隊が引き継ぎのため再び「宗谷」で南極大陸に赴きましたが長期にわたる悪天候のため、南極大陸上陸と越冬を断念、その撤退の過程で第1次越冬隊の樺太犬15頭を無人の昭和基地に置き去りにせざるを得なくなりました。極寒の極地に残された犬たちの運命と、犬係の2人の越冬隊員の苦悩を描き、1年後に再会された第3次観測隊に志願した犬係の2人が、南極でタロとジロの兄弟犬に再会するというストーリーです。犬係を演じたのは高倉健と渡瀬恒彦。
音楽は「炎のランナー」でアカデミー賞を受賞したヴァンゲリス。売れっ子でオファーも多かったため音楽を担当する事に難色を示していましたが、映画のデモテープを見て感動して引き受けたという事だそうです。

2024年5月17日 (金)

5月17日 名曲100選 器楽曲篇・37 ピアノソナタ第13番(シューベルト)

シューベルトのピアノ・ソナタ第13番イ長調op.120,D.64は1819年に作曲された曲です。
3楽章構成の小規模ソナタで基本的には短調の楽章を持たない優雅な作品です。
第1楽章 ソナタ形式で、冒頭からCis(ド#)-D(レ)-E(ミ)の連打による進行が繰り返されるのが特徴です。
第2楽章 調性はニ長調の緩徐楽章ですが、途中長調と短調が交錯して陰影を出しています。
第3楽章 明るく軽快なソナタ形式の楽章です。

2024年5月16日 (木)

5月16日 名曲100選 海外のポップス篇・37 白いバラ

「白いバラ」(Lady D'Arbanville)は、イギリスのシンガー・ソングライター キャット・スティーヴンスが1970年にリリースした曲です。
日本でも発売され、イギリスではシングル・チャートの8位となりました。
非常に抒情的な曲で、多くのカバーが生まれています。レイモン・ルフェーブル楽団などによってイージー・リスニング曲にアレンジされたり、フランス語やイタリア語でダリダが、イタリア語でジリオラ・チンクエッティが録音しています。

2024年5月15日 (水)

5月15日 名曲100選 声楽曲篇・37 ミサ・ソレムニス

ベートーヴェンのミサ・ソレムニス ニ長調op.123は1823年に作曲された 晩年の大作です。
ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)は司祭などによる読唱ミサに合唱による歌ミサを伴わせたミサ曲で、特別な機会の典礼のためのミサ曲です。
ベートーヴェンのミサ・ソレムニスはルドルフ大公に献呈されたもので、当初は大公の大司教就任祝いとして書き始められましたが、次第に構想が広がり就任式には間に合わなくなり、完成に5年を費やしました。
この曲は、ミサの歌詞に見合った曲をつけたような旧来型のミサ曲ではなく、交響的な深い表現力を持ったミサ曲です。
ソプラノ、アルト、テナー、バスの独唱と混声四部合唱、コントラファゴットとトロンボーン3本を含む2管編成にオルガンを加えた編成になっています。
キリエ、6部からなるグローリア、壮大なフーガを持つクレド、遅いテンポで静寂なサンクトゥス/旋律が美しいベネディクトゥス、三部形式のアニュス・デイから構成されていて1時間20分ほどの演奏時間になります。

2024年5月14日 (火)

5月14日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・37 桜(コブクロ)

日本人は、ホントに桜が好きで、桜を歌った曲は数えきれない程ありますね。クラシック音楽は欧米が中心だからなのか「桜」を扱った曲は殆どありません。
「サクラ」というタイトルの大ヒット曲(SAKURA、さくら、桜の表記を含む)だけでも思い浮かべるだけで
森山直太朗の「さくら」、ケツメイシの「さくら」、いきものがかりの「SAKURA」、ファンモンの「桜」などが出てきますね。
その中で、今回はコブクロの「桜」です。
2005年に発売されたコブクロ12枚目のシングルで、売上はコブクロのシングルの中では「蕾」に次ぐ2番目の売上となっています。
2006年にはドラマ「Ns'あおい」の主題歌に使われロングヒットとなりました。

2024年5月13日 (月)

5月13日 名曲100選 協奏曲篇・37 フルート協奏曲(イベール)

近代フランスの作曲家イベールのフルート協奏曲は1933年に作曲されたイベールの代表作のひとつです。
この曲は20世紀を代表するフルート奏者のひとりマルセル・モイーズに捧げられたもので、初演も彼の独奏で行われました。
編成は2管編成(クラリネットは1本) で弦楽器は8型か6型で演奏されます。
形式は古典的な3楽章の形式。
第1楽章は、短い序奏の後、独奏フルートで時折変拍子を交えた第1主題、その後穏やかな第2主題、ティンパニの強奏の後展開部に入りクライマックスを作って再現部に入ります。最後は軽妙に終わります。
第2楽章は緩徐楽章の三部形式。弱音器をつけた弦の伴奏でフルートが哀調をこめたメロディを奏でます。再現部ではフルートと独奏ヴァイオリンの二重奏が出てきます。
第3楽章はロンド形式。ABACABAの後カデンツァ、コーダと続きます。

2024年5月12日 (日)

5月12日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・36 スカラムーシュ

シベリウスの劇付随音楽「スカラムーシュ」は1912年に作曲されました。
「スカラムーシュ」は悲劇的パントマイムと呼ばれクヌーセンの台本によるものです。
レイロンという男の妻がせむしのヴィオラ奏者スカラムーシュが誘惑し、怒ったレイロンによって殺されてしまうという内容。
当時のウィーンの劇作家シュニッツラーが書いた「ピエロのヴェール」(音楽はドホナーニ)の模倣とされてしまい、初演は9年後の1922年まで待たなければなりませんでした。
非常に変化に富んだ音楽でシベリウスの最高傑作のひとつとも言われています。

2024年5月11日 (土)

5月11日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・36 戦国自衛隊

「戦国自衛隊」は1979年公開のSF映画です。所謂、原作は半村良で、いわゆるタイムスリップする歴史もののはしりの作品と言えるでしょう。
演習に参加するために移動していた陸上自衛官と海上自衛官21名が近代兵器と共に突然戦国時代にタイムスリップし、千葉真一扮する伊庭三等陸尉が夏木勲演じる長尾景虎と共同で天下を取ろうと画策し、最後には景虎に裏切られ全滅してしまうという話です。その後この作品から派生する映画やドラマが作られましたが、半村良の原作とは離れてしまっています。
また、「本能寺ホテル」「幕末高校生」などの現代人が過去にタイムスリップする作品も作られていきました。
主題歌は松村とおるが歌った「戦国自衛隊のテーマ」です。

2024年5月10日 (金)

5月10日 名曲100選 器楽曲篇・36 朱色の塔

「朱色の塔」は、アルベニスが作曲したピアノ曲集「12の性格的な小品集op.92」の第12曲目の曲です。
原曲はピアノ曲ですが、ギター曲としての方が認知度が高い曲です。
「朱色の塔」とはグラナダにあるアルハンブル宮殿の事。赤土のレンガで作られたアルハンブラ宮殿が夕陽に染まって真っ赤になる事は知られており、アルハンブラという言葉自体アラビア語の「紅い城」という事です。アルハンブラ宮殿を素材にした曲としてはタレガの「アルハンブラ宮殿の思い出」が非常に有名ですが、ギター曲としての難易度はこちらの方が高いようです。
タレガの作品は、アルハンブラ宮殿の外面的な抒情性をたっぷりと歌った曲ですが、アルベニスの方はアラビア風のメロディの曲になっています。

2024年5月 9日 (木)

5月9日 名曲100選 海外のポップス篇・36 愛するハーモニー

ニュー・シーカーズはオーストラリアで結成され「ジョージ・ガール」などのヒットで知られるシーカーズ解散後、メンバーのキース・ポトガーが1969年イギリスで結成したボーカル・グループ。
「愛するハーモニー」(I'd lile to teach the world to sing)は元々イギリスのロジャー・クックとロジャー・グリーナウェイによって書かれた「Ture Love and Apple Pie」という曲を元に、コカコーラのCMソングとして作り替えられたものをヒルサイド・シンガーズとニュー・シーカーズが再録音をして1971年に発売しました。アメリカではヒルサイド・シンガーズ13位、ニューシーカーズ7位と両方ともヒットしましたが、日本ではニューシーカーズのものがオリコン洋楽チャートの1位となる大ヒットになりました。

2024年5月 8日 (水)

5月8日 名曲100選 声楽曲篇・36 早春賦

「早春賦」は1913年に発表された吉丸一昌作詞、中田章作曲の唱歌です。
長野県の大町市から安曇野一帯の早春の情景を歌ったもの。作曲の中田章は、多くの唱歌や合唱曲を作曲した中田喜直の父親です。
歌は、春と言ってもまだ寒さが残る早春の様子を歌ったもの。
①春とは名ばかりの風の寒さ。谷のうぐいすは鳴こうとするが、まだその時ではないと声も出さない
②氷は解けて葦は芽吹く。もう春が来たかと思ったがあいにく今日も昨日も雪模様だ
③春だと聞かなければ気づかなかったのに、聞いてしまったら気がはやる。今頃の時期はこの気持ちをどうしたらいいのか
という内容です。

2024年5月 7日 (火)

5月7日 名曲100選 J-POP、歌謡曲篇・36 マイ・ラグジュアリー・ナイト

「マイ・ラグジュアリー・ナイト」は1977年発売のしばたはつみのシングル曲です。
しばたはつみは父はジャズピアニスト、母はヴォーカリストという音楽一家に育ち9歳の頃から米軍キャンプの将校クラブで歌い始め、15歳頃からはCMソングを歌い1968年に、はつみかんなの芸名でデビューしました。ヒットには恵まれず高校卒業後20歳から2年間アメリカで暮らし、帰国後1974年に「しばたはつみ」として再デビュー。その後ジャズ、R&B、ロップ、ポップスなどあらゆるジャンルの歌を歌いこなせる実力派歌手として活躍していました。
「マイ・ラグジュアリー・ナイト」は来生えつこ作詞、来生たかお作曲という当時の黄金コンビによる作品で、マツダのコスモのCMとしてタイアップされオリコン17位になり、年末には紅白歌合戦にも出場を果たしました。
その後映画「地震列島」や「化石の荒野」、「ルパン三世 ロシアより愛をこめて」の主題歌を歌うなど活躍していましたが、残念ですが2010年に57才で急逝しました。
本当に歌がうまい、技術力・表現力・声量を兼ね備えた昭和から平成世代の女性ボーカリストと聞かれれば、迷わずにしばたはつみと高橋真梨子と答えます。もう一人と聞かれると、朱里エイコか前野曜子、迷うな・・・

2024年5月 6日 (月)

5月6日 名曲100選 協奏曲篇・36 ある貴紳のための幻想曲

「ある貴紳のための幻想曲」はロドリーゴが作曲したギターと管弦楽のための協奏作品です。
アランフェス協奏曲の作曲から15年後の1954年にギターの巨匠セゴビアの依頼で作曲したもので、古典的な形式にとらわれない自由な4楽章の組曲になっています。
17世紀スペインの作曲家でバロック・ギターの名手であったガスパル・サンスの教則本でもある「スペイン・ギターによる音楽教育」の中から6曲を選んでロドリーゴの創意を加えて完成したもので、タイトルの「貴紳」は、このサンスとセゴビア両方を指すとも言われています。
第1楽章 ビリャーノとリチェルカーレ  ビリャーノはスペインで16~17世紀に流行した田園風舞踊、リチェルカーレは16~18世紀の器楽曲の一形式で、元来リュートのような楽器で調弦を試しながら弾く事から始まりました。
第2楽章 エスパニョレータとナポリ騎兵隊のファンファーレ エスパニョレータは16~17世紀のスペイン舞曲のひとつ
第3楽章 たいまつの踊り
第4楽章 カナリオ 16~17世紀のスペインの舞曲のひとつ

2024年5月 5日 (日)

5月5日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・35 アナクレオン序曲

「アナクレオン」はケルビーニによる2幕のオペラで1803年に初演されました。
古代ギリシャの詩人アナクレオンの恋愛を題材とした作品でしたが、現在では殆ど上演されません。
序曲はしばしば演奏されますが、効果的なクレッシェンドが特徴として認められている作品です。

2024年5月 4日 (土)

5月4日 名曲100選 映画音楽(邦画)篇・35 紳士同盟

「紳士同盟」は1986年に公開された映画です。
原作は小林信彦、コンゲームをテーマとした小説「紳士同盟」のモチーフと一部のキャラクターを借用したオリジナル・ストーリーです。
主演は薬師丸ひろ子、共演は時任三郎など
ストーリーは・・・複雑すぎてここで簡潔に書くことは困難ですし、ネタバレにもなるので割愛。
主題歌は薬師丸の歌う「紳士同盟」。作詞阿木燿子、作曲宇崎竜童。
薬師丸の9枚目のシングルとなる曲でオリコン最高位2位となりました。サビの部分がメインの部分と全く異なるコミカルタッチになるのが面白い曲です。

2024年5月 3日 (金)

5月3日 名曲100選 器楽曲篇・35 超絶技巧練習曲集

超絶技巧練習曲集S.139は、リストが作曲したピアノのための12の練習曲集です。1826年に初稿が出版され1840年に「マゼッパ」を改作し、1852年に第3稿が出版されました。現在は、この第3稿が演奏される事が多いようです。
すべて異なる調で書かれていて2曲組で平行調を1組として、2曲ごとに♭がひとつずつ増えて行きます。本来は全ての調性を網羅しようとしていましたが、結局断念して♭5つの変ニ長調、変ロ短調までの12曲としました。従ってこの曲集には#系の調性は登場してきません。
第1曲 ハ長調「前奏曲」Presto
第2曲 イ短調 Molto vivace
第3曲 ヘ長調「風景」 Poco Adagio
第4曲 ニ短調「マゼッパ」 Allegro 後にリストがオーケストラのために交響詩に改作
第5曲 変ロ長調「鬼火」 Allegretto
第6曲 ト短調「幻影」 Lento
第7曲 変ホ長調「英雄」Allegro ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」にこだわり調性も同じ変ホ長調にしています。
第8曲 ハ短調「荒々しき狩」 Presto furioso
第9曲 変イ長調「回想」 Andantino
第10曲 へ短調 Allegro agitato molto
第11曲 変ニ長調「夕べの調べ」 Andantino
第12曲 変ロ短調「雪あらし」 Andante con moto
※テンポは第3稿のテンポです。
非常に演奏が難しい曲で、後にシューマンが第6曲から第8曲を指して「これを弾きこなせる者は世界中探してもせいぜい10人ぐらい。下手な演奏家が弾いたら物笑いの種になるだろう」と評しています。

2024年5月 2日 (木)

5月2日 名曲100選 海外のポップス篇・35 幸せの黄色いリボン

「幸せの黄色いリボン」(Tie a Yellow Ribbon Roiund the Ole Oak Tree)はアメリカのポップスグループ、トニー・オーランド&ドーンが1973年にリリースした曲です。
Billboard週間ランキングでは1位となる大ヒットとなり、年間ランキングでも1位となりました。
歌詞には元ネタとなる伝承があって、刑務所を出所した男が、出所前に故郷に「もし、自分の帰りを赦してくれるのなら、木の幹に黄色いリボンを結んでおいて欲しい」という手紙を送って、故郷に帰り、故郷の近くまで来ますが、男には勇気が無くて、汽車の中で知り合った男に木を見てもらったら、そこにはたくさんの黄色いリボンが結ばれていた、という話です。
ジャーナリストで小説家のピート・ハミルは伝承を元に自分が執筆したコラムに基づく曲だとして提訴しましたが、ハミル以前にもこの伝承に基づく文献があることが証明されて、訴訟は取り下げられたそうです。
ハミルのコラムは出所して妻の元に帰ろうとしていた男が、木に結ばれたたくさんの黄色いハンカチを見るというもので、1977年の映画「幸福の黄色いハンカチ」はこの曲ではなくて、ハミルのコラムが下敷きになっているものです。
トニー・オーランド&ドーンは1971年に「ノックは3回」で全米1位を獲得しましたが、その後暫く低迷が続き、この「幸せの黄色いリボン」で見事復活を遂げました。その後「嘆きのジプシー・ローズ」「いちご畑のサリーちゃん」「夜のブギウギ・パーティ」などのヒットを続出。1977年に一旦は活動を休止しましたが、その後断続的に活動を続けています。

2024年5月 1日 (水)

5月1日 名曲100選 声楽曲篇・35 湖上にて

「湖上にて」D543,op.92-2は、シューベルトが1817年にゲーテの詩に作曲したリートです。
湖や海に限らず、小舟でたゆたう音楽は8分の6拍子が多いようです。ドビュッシーの「小組曲」の「小舟にて」、オッフェンバックの「ホフマンの舟歌」などがそうですし、楽曲の形式の「舟歌」も8分の6拍子が多いようです。静かな波に漂う小舟の雰囲気にぴったりな拍子というわけでしょう。
「湖上にて」も6拍子で美しい自然の中でボートに乗りながら過ぎ去った恋の思い出を自然の中に昇華していく様子が歌われた作品です。
ゲーテの原詩はスイスのルツェルン湖かチューリヒ湖で書いたと言われています。
後半は4分の2拍子になって心情の描写から自然の描写に変わっていきます。

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