4月29日 名曲100選 協奏曲篇・35 パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」op.43は1934年に作曲された、ピアノとオーケストラのための変奏曲形式による協奏作品です。
ロシア革命の混乱の中祖国を離れアメリカで生活するようになったラフマニノフはピアニストとしての名声を獲得する反面、演奏活動に多くの時間が割かれ、さらに母国を喪失した思いからの想像力の枯渇などで作曲活動が滞っていました。そんな中夏の休暇を過ごすためにスイスのルツェルン湖畔の別荘で作曲をしたのがこの曲です。
主題はパガニーニがヴァイオリン独奏のために作曲した「24の奇想曲」の第25番「主題と変奏」の「主題」を用いています。
序奏部分に主題が部分動機として現れ、オーケストラによる第1変奏があり、その後ピアノが主題を演奏するという一般的な変奏曲とは少し異なるスタイルで始まります。変奏は、24変奏まであります。
第7変奏にはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」が使われ、「怒りの日」は第10変奏まで連続的に使われます。
特に有名なのが第18変奏。単独で演奏される事もあり聞いただけでは最初の主題を想起するのが難しいほどロマンティックなメロディになっているのですが、このメロディの冒頭は主題の反行形になっています。
第24変奏はスケルツァンド風の跳躍の多い曲ですが、金管楽器によって「怒りの日」が短く戻ってきて、最後はピアノが主題の断面をあっさりと弾いて曲を閉じます。
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