4月30日 名曲100選 J-pop,歌謡曲篇・35 永遠(とわ)
「永遠(とわ)」はシンガー・ソングライターのしおり(現在は金城しおりに改名)が2008年に発売した曲で、テレビドラマ「おみやさん」の主題歌に使われていました。
ダイナミックなメロディと、前向きな歌詞がとっても素敵な曲です。
« 2024年3月 | トップページ | 2024年5月 »
「永遠(とわ)」はシンガー・ソングライターのしおり(現在は金城しおりに改名)が2008年に発売した曲で、テレビドラマ「おみやさん」の主題歌に使われていました。
ダイナミックなメロディと、前向きな歌詞がとっても素敵な曲です。
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」op.43は1934年に作曲された、ピアノとオーケストラのための変奏曲形式による協奏作品です。
ロシア革命の混乱の中祖国を離れアメリカで生活するようになったラフマニノフはピアニストとしての名声を獲得する反面、演奏活動に多くの時間が割かれ、さらに母国を喪失した思いからの想像力の枯渇などで作曲活動が滞っていました。そんな中夏の休暇を過ごすためにスイスのルツェルン湖畔の別荘で作曲をしたのがこの曲です。
主題はパガニーニがヴァイオリン独奏のために作曲した「24の奇想曲」の第25番「主題と変奏」の「主題」を用いています。
序奏部分に主題が部分動機として現れ、オーケストラによる第1変奏があり、その後ピアノが主題を演奏するという一般的な変奏曲とは少し異なるスタイルで始まります。変奏は、24変奏まであります。
第7変奏にはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」が使われ、「怒りの日」は第10変奏まで連続的に使われます。
特に有名なのが第18変奏。単独で演奏される事もあり聞いただけでは最初の主題を想起するのが難しいほどロマンティックなメロディになっているのですが、このメロディの冒頭は主題の反行形になっています。
第24変奏はスケルツァンド風の跳躍の多い曲ですが、金管楽器によって「怒りの日」が短く戻ってきて、最後はピアノが主題の断面をあっさりと弾いて曲を閉じます。
ヴェルディの歌劇「海賊」はバイロンが1814年に発表した詩「海賊」に基づきピアーヴェが書いた台本による3幕のオペラで、1848年に初演されました。
エーゲ海のギリシャの島とトルコの都市コロネを舞台にした海賊団の船長コッラードと、恋人メドラの悲恋を描いたもの。
作品としては成功作とは言い難く、ヴェルディが初演に立ち会う事も無かったし、生涯このオペラの上演を見ることは無かったようです。
序曲は激しい冒頭の音楽が終わると静かなメロディが流れ、勇ましい音楽に変わると最後には再び静けさという3分程度の短い曲にも関わらず変化に富んだ曲になっています。
「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」は2010年に公開された映画。
不況にあえぐ日本一の紙の街 愛媛県四国中央市の県立三島高校書道部の部員たちが街を盛り上げようと、地元のイベントやショッピングモールなどで書道パフォーマンスをはじめ、地元のテレビ局で取り上げられ、全国放送でも放送されるようになり、地元の祭りの中で書道パフォーマンス甲子園が開催される事になったという実話をもとに映画化された作品です。
キャストは成海璃子、桜庭ななみ、山下リオ、高畑充希など。
音楽は岩代太郎が担当。主題歌は FUNKY MONKY BABYSの「大切」。挿入歌としてアンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ」などが使われました。
「水の戯れ」(Jeux d'eau)は、ラヴェルがパリ音楽院在学中の1901年に作曲したピアノ曲です。
七の和音、九の和音、並行和声が多用されていて当時は斬新な響きの作品だったと思われます。
水の運動とその様子を描いた作品で、初演当時は一緒に演奏された「亡き王女のためのパヴァーヌ」に比べて耳障りとか複雑すぎると評価が低かったのですが、現在では印象派の幕開けの作品として高い評価を得ています。
「バタフライ」はフランスのシンガー・ソングライター ダニエル・ジュラールが1971年にリリースした曲です。
フランス語だけでなく、英語やドイツ語、スペイン語、イタリア語や日本語など複数の言語で録音され世界で700万枚を売る大ヒットとなりました。
日本語バージョンはなかにし礼が作詞しています。
日本でも岸辺シロー、天地真理など複数のアーチストがカバーしました。
「海の詩」は広瀬量平が1975年に作曲した混声合唱のための組曲です。
1975年度のNHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の課題曲として「海はなかった」を作曲し、東洋大学混声合唱団の委嘱により「海はなかった」をもとに全5楽章の組曲として完成したものです。
作詞は「鉄道員(ぽっぽや)」や「植村直己物語」などを手掛けた脚本家の岩間芳樹。
日本の合唱曲としては非常に人気の高い曲で、男声合唱や女声合唱へも編曲されました。
第1曲 海はなかった 前奏は無調的な不協和音ですが、歌が始まるとガラリと変わってメロディックで力強い曲となります。
第2曲 内なる怪魚(シーラカンス) クラスター書法による図形楽譜で書かれている曲。水をストローで吹いて出すブクブクという擬音が加わっています。
第3曲 海の子守唄 歌詞の無いヴォカリーズ
第4曲 海の匂い 海を書けば日本の今の状況を表現できるという広瀬の考え方を直接的に表現した曲。自然破壊、乱獲などの問題点を表現しています。
第5曲 航海 非常に動きのある終曲に相応しい曲です。
「つばさ」はキャンディーズ解散後の1978年11月に発売された18枚目のシングルです。
元々はファンクラブ団体全キャン連の歌った「3つのキャンディー」に対するアンサー・ソングとして解散発表後に発売されたアルバム「CANDIES 1676 DAYS ~キャンディーズ1676日」に収録されていたものを解散後に発売したため、本来の意味では最後のシングルでは無いようですが、解散コンサートの一番最後に歌われた大切な曲には変わりありません。
作詞は伊藤蘭で、キャンディーズの誕生、成長、そして旅立ちが鳥になぞらえて歌われています。途中長い台詞があって解散の心境とファンへの感謝が語られます。
モーツァルトは自分の作品にあまりフルートを使いたがらなかったようです。それは音色が嫌いだったとかではなくて、当時のフルートはまだ楽器の構造が不完全で音が不安定で演奏が難しかったからと言われています。
そんなモーツァルトですがフルートのための協奏曲を2曲作っています。但し第2番は既存のオーボエ協奏曲の焼き直しなので、オリジナルは第1番ト長調 K.313(285)だけです。
フルート協奏曲第1番はオランダの東インド会社の勤務医でフルートの愛好家であったドゥジャンという人物の注文で作曲されたものです。同時にフルート四重奏曲も3曲作曲しました。
フルート協奏曲第1番の編成は独奏フルートとオーボエ2本、ホルン2本と弦5部。但し第2楽章はオーボエの代わりにフルートを指定していますが、当時はオーボエ奏者とフルート奏者は兼務というのが普通だったようです。
3つの楽章からなっていて、第1楽章は協奏風ソナタ形式、第2楽章は緩徐楽章でソナタ形式、第3楽章はメヌエット風のロンド形式になっています。
組曲「バレンシアの寡婦」は、1940年に初演された同名の劇音楽から、ハチャトゥリアン自身が1952年に6曲を選んで管弦楽組曲にしたものです。
「バレンシアの寡婦」はスペインのバレンシアの街に住む、美しく裕福な寡婦レオナルダを手に入れようとする2人の男が策を巡らせますが、最後にレオナルダが選んだのは2人のどちらでもなく第3の男だったというお話。原作はスペインの劇作家ロペ・デ・ベガの17世紀初頭の戯曲です。
第1曲 イントロダクション ちょっとハチャトゥリアンらしくない明るく闊達なイントロから始まります。中間部はメランコリックなメロディになります。
第2曲 セレナード セレナードと言っても美しいメロディではなく、くぐもったクラリネットのソロから始まります。後半はシンバルの合図とともに激しい音楽になります。
第3曲 歌 こちらはクラリネットのソロによる美しいメロディが印象的
第4曲 こっけいな踊り ハチャトゥリアンの真骨頂のような曲。目まぐるしく変化する舞踏曲です。
第5曲 間奏曲 この曲の主題は後の作品「スパルタクス」にも使われています。
第6曲 舞曲 テンポの速い舞曲。短調なんだか長調なんだかわからない主題が激しく演奏されます。
「上海バンスキング」は斎藤憐の戯曲を1984年に映画化したものです。
日中戦争開戦前後の上海を舞台にした音楽劇で、軍国主義が広まりつつある日本から自由にジャズをできる上海に逃れてきたクラリネット奏者の波多野四郎と妻まどかを中心とするストーリーです。
2人を迎えたトランペット奏者松本とクラブのオーナーの愛人リリーの恋の成就も束の間、日中戦争がはじまり、日本軍の侵略の手が上海にも伸びてきて、自由もジャズも消えて行き、戦争が終わって自由が戻ってきたときには波多野は阿片中毒で廃人となり、戦争に駆り出された松本は帰国の途中で死んでしまう、というストーリー。
映画では、波多野を風間杜夫、まどかを松坂慶子、松本を宇崎竜童、リリーを志穂美悦子が演じていました。
監督は深作欣二。
映画ではジャズのスタンダードなど既成曲が多く使われていましたが、まどかとリリーの歌う「月光価千金」が代表的な挿入歌として扱われています。
月光価千金は"Get out and get under the moon"という原題で1928年に出版されたアメリカのポピュラー・ソング。多くの歌手やジャズバンドなどによって録音されています。日本でもエノケンなど複数の歌手に歌われてきた曲です。
メンデルスゾーンの「春の歌」は、無言歌集第5巻op.62の6曲目の曲で、無言歌集の8巻全48曲中で最も知られた曲です。
無言歌集は、原題ではLieder ohne Worte(言葉の無い歌)で、それぞれが性格を持つ小品集で曲想が明るく優美な上、技巧的にも難しくない事もあって多くの人に愛されてきました。
全ての曲に表題がありますが、実際はメンデルスゾーンが自ら付けたのは第1巻の「ヴェネツィアの舟歌第1」、第2巻の「ヴェネツィアの舟歌第2」、第3巻の「デュエット」、第4巻の「民謡」、第5巻の「ヴェネツィアの舟歌第3」だの5曲だけで、それ以外は出版社などが曲想から付けたものです。「春の歌」も同様ですが、楽譜の冒頭に発想記号として「春の歌のように」(Fruhlingslied genannt.)と書かれているのでメンデルスゾーンが付けた表題と見て差し支え無さそうです。
冒頭から春らしい明るく流麗なメロディが出てきて途中一瞬短調になってくぐもったような雰囲気になりかけますが、すぐに明るさを取り戻し、冒頭のメロディの断片を弾きながら曲を閉じます。
無言歌集は技術的に難しくないと書きましたが、この曲は左手も右手も装飾音が滅茶苦茶多くて、それをスムーズに弾かないと曲の性格を失ってしまうので、比較的難しい部類に入る曲のようです。
悲しきフェルナンドは、スウェーデンのABBAが1976年に発売した曲です。
元々はベニー・アンダーソンとビヨルン・ウルヴァースによって、グループのメンバー アニー=フリッド・リングスタットのために書かれた曲で1975年に彼女のアルバムに収録されました。
翌年ABBAによって再録音されて1976年にリリースされ全米では13位止まりでしたが、欧州各国やオーストラリアなどの国では1位か2位という大ヒットを記録し、ダンシング・クイーンと並んでABBAの曲の中では全世界で最も売れた曲のひとつとなりました。
元々がアニーのために書かれたのでABBAの新録音でもメイン・ボーカルはアニーが務めています。
歌詞は米墨戦争の戦士たちの誇りを歌った曲で、邦題の悲しみは全く出てきませんが・・・
「われ喜びて十字架を担わん」はヨハン・セバスティアン・バッハが作曲した教会カンタータ。第56番のカンタータでバスの独唱用の楽曲です。
マタイ福音書第9章1-8節を主題としたもので、5つの曲で構成されています。
第1曲 アリア「われ喜びて十字架を担わん」、第2曲 レチタティーヴォ「わが地上のさすらいは」、第3曲 アリア「遂に、遂にわが枷は」、第4曲 レチタティーヴォ「わが備えは成りて」、第5曲 コラール「来たれ、おお死よ、眠りの兄弟よ」です。
「ZUTTO」は永井真理子が1990年に発売した12曲目のシングルです。
永井真理子は1987年にデビューして、ボーイッシュな雰囲気が人気を得て、そこそこのヒットを続けていましたが1989年の9枚目の「ミラクル・ガール」がTVアニメ「YAWARA!」の主題歌に使われて初のオリコン一桁順位の第9位となり、1990年には、「ZUTTO」がフジテレビ系「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」のエンディングテーマとなってオリコン最高位2位となり、12週間ベスト10圏内というロングヒットとなりました。
「ZUTTO」はそれまでの永井真理子の元気系楽曲からガラリと変わってしっとりと歌いこむ曲で永井真理子の新たな魅力を引き出した曲です。
曲は、男女の理想的な恋愛関係を歌った曲です。
シューマンのチェロ協奏曲イ短調op.129は1850年に作曲されています。
チェロ協奏曲自体あまり多く無いので、圧倒的に有名なドヴォルザークのチェロ協奏曲に次いで演奏される機会が多い曲です。
初演はシューマンの死後1860年でした。
シューマンが何故チェロ協奏曲を作曲したかははっきりしていません。
だいたいロマン派以降の協奏曲の場合は、ヴィルトーゾからの委嘱か、楽器の名手に弾いてもらいたくて作るか、自分でソロを弾くという場合がほとんどです。
チェロ協奏曲も、例えばドヴォルザークはチェロ奏者ヴィハーンからの依頼、サンサーンスの1番はパリ音楽院のチェロ教授トルベック、第2番はチェロ奏者オルマンのため、といった具合ですが、この曲はそういう経緯がありません。シューマンがチェロの音色を好んでいたという事で作られたという話もありますが、シューマンは突如こういう曲を作りたいと思うと作るという事があったので、そういう事なのでしょう。
3つの楽章で出来ていますが、全楽章切れ目なく演奏されます。
シューマンは楽器の特性への理解が不足気味だったため、多くの曲で特定の楽器に無理を強いる場合も少なくないのですが、この曲もチェロを熟知していないが故に、技巧的には大変な難曲です。高音域が多く指板の限界の音なども出て来る、重音が多用されるなど今でも難曲として知られています。
歌劇「エフゲニ・オネーギン」は、プーシキン原作の同名小説を1878年にチャイコフスキーがオペラ化した作品です。
ロシアの農村の姉妹タチアーナとオリガ、オリガの婚約者レンスキーとその友人オネーギンによる愛憎を描いた作品。タチアーナはオネーギンを愛するが、オネーギンは妹のオリガを誘惑し、レンスキーとの決闘になってしまいレンスキーを殺してしまいます。オネーギンはその罪の呵責の念から放浪生活をして、数年後にタチアーナに再会。タチアーナは結婚して気品に満ちた女性になっており、オネーギンは彼女に惹かれるが拒絶され呆然としたところで幕が下ります。
第3幕で舞踏会の会場で演奏されるのがポロネーズ。非常に有名な曲で、単独でも演奏されます。
「里見八犬伝」は江戸時代後期に曲亭馬琴によって書かれた小説「南総里見八犬伝」を翻案した鎌田敏夫の「新・里見八犬伝」を映画化した作品です。
ストーリーは次のとおり。
毒婦玉梓の色香に迷って暴虐の限りを尽くした蟇田領主を討ち取った里見吉実に対し、玉梓は呪いの言葉を遺します。そのためか里見は隣国に攻められ力尽き最後に飼い犬の八房に「敵将の首を討ち取れば娘の伏姫を嫁として与える」と言います。敵将を討ち取り伏姫と山奥へ去った八房を伏姫を取り戻そうとした里見の兵が射撃し、八房をかばった伏姫が死んでしまいます。姫の死の直前に姫の体から仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの霊玉が飛び出し、伏姫は「百年後、この光の玉は八人の犬士となって蘇り、里見の姫を奉じて玉梓の呪いに打ち勝つ」と言い残します。
百年後、妖怪として蘇った玉梓と息子素藤は里見家を攻め滅ぼしますが、ただひとり生き残った静姫が玉梓を討つ決意をします。
その静姫の前に次々と現れる八人の犬士の助けを得て玉梓を滅ぼすというのがストーリーです。
静姫を薬師丸ひろ子、八犬士を真田広之、千葉真一らが、玉梓を夏木マリが演じました。
主題歌はジョン・オバニオンが歌う「里見八犬伝」(I Don't Want This Night To End)です。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番ニ短調op.31-2「テンペスト」は1801年から1802年にかけて作曲されました。
「テンペスト」という副題は弟子のシンドラーがこの曲の解釈について尋ねた時に、ベートーヴェンが「シェイクスピアのテンペストを読め」と答えたという逸話によっています。
この曲は革新的で劇的な曲で、3つの楽章全てがソナタ形式で作曲されているという特徴があります。
4拍子の第1楽章は冒頭1小節+3拍がLargo、その後1拍+3小節がAllegro、1小節がAdagio、次いでLargoに戻って1小節+3拍、4拍目からようやく Allegroで曲が流れていくという緊張感あふれる始まりになっています。
第2楽章は展開部を欠くソナタ形式でAdagioの緩徐楽章。
第3楽章は熱気あふれる激しい動きの楽章。馬車の走行から着想を得たと言われる有名な主題によって始まります。この3楽章を聞いていると、ベートーヴェンらしい曲だなと感じてしまいます。
「行かないでパパ」(Daddy don't you walk so fast)は、1972年にウェイン・ニュートンが発売した曲で全米4位のヒットとなった曲です。
元々はその前年にダニエル・ブーンが発売したのですが殆どヒットせず、カバーしたウェイン・ニュートンのものが大ヒットしたわけです。
その後も多くの歌手にカバーされています。
妻と別れて行く男を追いかける娘の姿を見て揺れる男の心を描いた歌詞になっています。
個人的にはチャーリー・リッチが歌ったものが好きなので、You Tube はチャーリー・リッチ盤を使いました。
高い丘の歌は、ディーリアスが作曲した管弦楽とヴォカリーズの合唱による曲で1920年2月に初演されました。
ディーリアス自身の説明によると「私は高い山々での楽しみ、有頂天な感情の表現、そして頂上において広大な視界の広がりの中にいる寂しさ、憂鬱の描写を試みた。声楽パートは、大自然の中にいる人間を象徴しているのである」とあります。
ディーリアスの音楽は理論的というよりは、非常に感覚的な音楽で、親交の深かったノルウェーの作曲家グリーグの影響を強く受けて、大自然を描いた曲となっています。
編成も3管編成でティンパニも3人、チェレスタにハープ2本という大規模な編成になっています。
「レイニー・ブルー」は1986年1月に発売された徳永英明のデビュー・シングルです。
徳永英明がバイト先で知り合った大木誠と作った楽曲。作詞大木誠、作曲徳永英明です。
19歳で上京しミュージシャンを目指しますがプロデビューは25歳直前の時でした。
1987年の4枚目のシングル「輝きながら・・・」が「富士フィルム」のCMソングに採用されオリコンの4位にランクされ、それ以降はコンスタントにヒットを生むようになったのですが、デビュー曲はオリコンの90位にとどまりました。しかしながら、個人的には最も好きな曲です。
失恋ソングで、女性目線で別れた相手に心を残している感情が伝わる曲です。
なお、この曲は1997年に Rainy Blue ~1997 Track というタイトルでアレンジを変えて再発売されオリコンの31位になっています。
サン=サーンスのハバネラop.83は1887年に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための作品です。並行してピアノ伴奏版も書かれたため、こちらも頻繁に演奏されます。
サン=サーンスが1885年にヴァイオリニストのラファエル・ディアス・アルベルティーニと共に演奏旅行に出かけた際に着想した曲で、アルベルティーニがキューバ出身だったことからハバネラを書くことになりました。曲はアルベルティーニに献呈されています。
曲は9分程度の小品でハバネラのリズムによる3つの主題で構成されています。
第1主題は甘美な民謡風の旋律、第2主題はメランコリックな旋律、第3主題は4拍子となっています。
終盤にはカデンツァに代わるものとして無伴奏ヴァイオリンによるハバネラのリズムを演奏する場面があります。
技巧的な作品で、高速のダブルストップやハーモニクスの連続による旋律、重音のグリッサンドなどが用いられています。
喜歌劇「美しきガラテア」はスッペによって作曲され1865年に初演されました。
彫刻家ピグマリオンが製作中の石像「ガラテア」は美しく、思慮深く、上品なピグマリオンの理想の女性。唯一の欠点は石像だという事。美術収集家のミダスがこの像を狙っていました。ピグマリオンは「ガラテア」を自分だけの物にしたいと考え、ヴィーナスに石像を生きた女性に変えてほしいと願い、それがかなってガラテアは人間の女性になります。
ところが、人間となったガラテアは、留守に召使と火遊びはするしミダスから宝石を貰って着飾るし、ピグマリオンは彼女が理想の女性ではなく、ごく一般的な女の欠点を持つ、普通の女性だと知るところとなりゼウスに頼んで再び石像に戻してもらい、ミダスに売ってしまうというお話です。
冒頭の勇ましいメロディは、全国ラジオネットワーク加盟33曲の共同制作番組「ニュース・パレード」で1959年から1978年までテーマ曲として使われていました。主部は勿論ワルツ。楽しい曲です。
今年、アメリカのアカデミー賞でアジア作品として初の視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」の原点となったのは勿論1954年に公開された「ゴジラ」です。モノクロ映画で、度重なる水爆実験で安住の地を追われたジュラ紀の生物が日本を襲い、科学者芹沢博士が作ったオキシジェン・デストロイヤーによってゴジラを倒すまでを描いた作品でした。ゴジラは大人気となり、その後東宝はラドンやモスラなどを映画化していきますが、結局はゴジラを中心に日本の特撮映画は進んでいく事になりました。
最初は人間対ゴジラという単純な作品でしたが、やがて人間の味方或いは地球を守るという位置づけで、宇宙からの飛来生物などと戦っていく子供向けの路線になっていきましたが、1975年の第15作の「メカゴジラの逆襲」を最後に休止となり、1984年から始まるシリーズでは原点の人間対ゴジラに戻り、現在まで続いています。
第1作から現在まで使われているのが伊福部昭が作曲した「ゴジラのテーマ」です。元々はゴジラに立ち向かう人間のテーマ曲として作られましたが今ではゴジラのテーマとして知られています。
ドシラ ドシラ ドシラソラシドシラというメロディで、ゴジラ ゴジラ・・・なんて歌ってました。
「ハンガリー舞曲集」WoO.1はブラームスがハンガリーのロマ音楽に基づいて編曲した全21曲の舞曲集で、1872年に4手のピアノ用に書かれました。
作品番号が付与されていないのは、ブラームスの作曲ではない事を考慮しての事ですが、第7曲など4曲は完全にブラームスが創作したものです。
この曲は管弦楽曲として知られていますが、実際にブラームス自身が管弦楽編曲したのは第1曲、第3曲と第10曲の3曲のみで、他の曲は他の多くの作曲家が編曲しています。特に1番、5番、6番が良く知られています。
「ザナドゥ」は、オリヴィア・ニュートン=ジョンとエレクトリック・ライト・オーケストラによる楽曲で、同名の映画のサウンドトラックの為に制作された曲です。
映画は、地上に最高の音楽の殿堂を創るために集まる人々を描いたミュージカル・ファンタジー映画で当時大人気だったオリヴィアと往年のミュージカル・スター ジーン・ケリーが競演しました。
映画は商業的にも評価的にも失敗に終わりましたが、サウンドトラックアルバムはBillboard全米4位となるヒットとなりました。
また、5枚のシングル曲が全米20位以内にチャートインしました。
その中で全米1位になったのは、オリヴィアの「マジック」でしたが、全米8位ながらドイツ、イギリスなど多くの国で第1位となったのが「ザナドゥ」です。
「岬の墓」は1963年に團伊玖磨が作曲した合唱曲です。
中部日本放送の委嘱によって、堀田善衛が書き下ろした詩に團伊玖磨が混声合唱とピアノのために作曲したもので、1963年度第18回音楽部門芸術祭賞を受賞しました。
この曲は組曲ではない1曲だけの作品ですが演奏時間は15分を要します。
白い墓=過去・海に漂う舟=現在・水平線の彼方に光る未来を俯瞰するスケールの大きな曲です。
冒頭はア・カペラによるスキャットで始まり、中間部にもアカペラの部分があります。
「漂流者へ」は尾崎亜美が、高橋真梨子に楽曲提供した曲です。
尾崎亜美自身もセルフカバーしてアルバムに収録されていますが、高橋真梨子の6枚目のアルバム「Dear」に収録された曲です。
高橋真梨子のソロ・デビュー曲「あなたの空を飛びたい」も尾崎亜美作詞作曲でしたね。
女性の目から見た男性は、現実的な女性と異なり、まるで漂流者のように旅をしてひとところに留まっていない。女はそんな男の夢をこわそうとするけれども、それでも旅してほしい。ただ、私もいつかはあなたの歩く道にたどり着くから、道しるべをください。という内容の歌です。
華麗なるポロネーズ第1番op.4は、ポーランドのヴァイオリンの名手であり作曲家でもあるヘンリク・ヴィエニャフスキーが作曲したピアノと管弦楽のための曲です。ピアノ伴奏版もありますが、冒頭のファンファーレがピアノでは今一つなので、圧倒的に管弦楽伴奏版の人気が高い曲です。
冒頭のファンファーレが終わるとすぐにヴァイオリンによる華麗なるメロディが始まります。ヴァイオリンのヴィルトーゾの手による曲なので勿論技巧的にも非常に優れた曲です。短調の中間部を挟んで軽快な躍動感のあるポロネーズが奏でられる5分程度の小品です。