3月15日 名曲100選 器楽曲篇・28 「ネル・コル・ピウ」の主題による変奏曲
パガニーニの「ネル・コル・ピウ」の主題による変奏曲ト長調op.38は、1920年頃に作曲された無伴奏ヴァイオリンのための独奏曲です。
「ネル・コル・ピウ(Nel cor piu non mi sento)= うつろな心」はパイジェッロが1789年に作曲した歌劇「美しい水車小屋の娘」の中のアリアですが、多くの作曲家に愛され様々な形で引用されています。
その中でもベートーヴェンのピアノ曲「パイジェッロの歌劇「水車屋の娘」の二重唱「わが心もはやうつろになりて」による6つの変奏曲」と並んで知られているのが、パガニーニのこの作品です。
導入部はカデンツァのようにテンポを持たず情熱的に歌われ、主部に入るとピチカートに乗って主題が演奏されます。もう既に左手でピチカートをしながら弦を押さえ、右手は弓で演奏するという超絶技巧が出てきます。第1変奏は音の跳躍や下行、上行のスケール、第2変奏はトリルの連続のような伴奏とメロディを同時に演奏。第3変奏はフ高い音域のメロディ、第4変奏はピチカートによる高速の分散和音と弦4本を使ったアコードの連続、第6変奏はテンポを落としてたっぷりG線を使って歌いこむ変奏曲で後半はA線を使ったフラジオを含んだ高音で、まるで口笛を吹いているかのように聞こえ、第7変奏は非常に速いテンポの上下の分散和音で、そのままコーダへ突入します。
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