2月25日 名曲100選 舞台芸術のための管弦楽曲篇・25 前奏曲と愛の死
ワーグナーの楽劇「トリズタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲と楽劇の最後の曲でイゾルデのアリアである「愛の死」を声楽を省いて繋げて演奏する曲です。
「トリスタンとイゾルデ」は中世ケルトの説話を元にワーグナー自身が台本を書いて作曲した楽劇です。
コーンウォールのマルケ王に嫁ぐアイルランドの王女イゾルデを迎えに行った船の舵取りでマルケ王の甥トリスタンはイゾルデの元婚約者を殺した仇で、侍女ブランゲーネに毒薬を用意するように命じます。トリスタンは毒薬の入った杯を飲み、イゾルデも自分も死ぬつもりで飲むが、実はその薬はブランゲーネが媚薬とすり替えたもので、ふたりはたちまち恋に落ちてしまいます。
不実を犯したトリスタンをマルケ王の従臣に襲われ瀕死の重傷を負いイゾルデの腕の中で息を引き取り、イゾルデも遺骸の上に崩れ落ちてしまいます。という内容。
前奏曲は、作品の主要動機がいくつか紹介されていきます。始まってすぐに出て来るFB♭D#G#の和音がトリスタン和音と呼ばれるもので、劇中のあちらこちらで現れてきます。それに続いてチェロによって優しいメロディ「眼差しの動機」が奏でられ、その後も様々な動機が登場してオペラではそのまま第1幕へと入っていきますが、演奏会用の「前奏曲と愛の死」ではチェロとコントラバスの斉奏及び2発のピッチカートの後「イゾルデの愛の死」が始まります。オペラでは最後にイゾルデが死んでしまうかどうか明白にされていないため演出によって異なりますが、最後に登場する愛の死のメロディはワーグナーの音楽の中でも最も劇的なもののひとつでしょう。
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