1月31日 名曲100選 声楽曲篇・22 女の愛と生涯
「女の愛と生涯」op.42はシューマンがシャミッソーの詩を元に1840年に作曲した連作歌曲集です。
1840年はシューマンの歌曲の年と言われている年です。9月にクララ・ヴィークとようやく結婚する事ができた充実した年で「リーダークライスop.24」」「ミルテの花」「リーダースクライスop.39」「女の愛と生涯」「ロマンスとバラード第1集、第2集」「詩人の恋」といったシューマンの主要歌曲は全てこの年に作曲されています。
シャミッソーの詩は夫に尽くす妻の視点を詩としたもので、裁判の末勝ち取ったクララとの結婚とは切り離せない作品です。
この歌曲集の特徴はピアノが伴奏ではなく独立性の高い対等な立場を取っているところです。
曲は「彼に会って以来」「彼は誰よりも素晴らしい人」「分からない、信じられない」「私の指の指輪よ」「手伝って、妹たち」「やさしい人、あなたは見つめる」「私の心に、私の胸に(はじめて子をもうけた母の情愛を歌う)」「今、あなたは初めて私を悲しませる(夫の詩に際して)」の8曲で、夫との出会いから死別までを描いた曲です。原作では最後の詩「かけがえのない日々の夢も」(年老いた女性が花嫁となる孫娘の人生について語る)がありましたがシューマンはそれをカットし、あくまでも「夫婦」を描いた曲にしたようです。
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