1月26日 名曲100選 器楽曲篇・21 ピアノソナタ「月光」
ベートーヴェンのピアノソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2「幻想曲風ソナタ」は1801年に作曲されました。ベートーヴェンの死後音楽評論家で詩人のルートヴィヒ・レルシュターブが「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現した事で「月光ソナタ」と呼ばれるようになり、今ではそちらの方がすっかり定着しました。
この曲は映画でも知られるようになった「不滅の恋人」と考えられている一人伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディに献呈されました。
この曲は「幻想曲風ソナタ」という表題のとおり、従来のソナタの形式から逸脱した曲になっています。3つの楽章で構成されていますが、Adagioの第1楽章から始まり、楽章が進むにしたがってテンポが速くなります。
第1楽章はAdagio sostenuto 2/2拍子 嬰ハ短調の三部形式の楽章です。「月光」の名の由来になった楽章になります。楽譜の冒頭に「全曲を通して可能な限り繊細にまたsordino(ダンパーペダル)を使用せずに演奏する事」と記されています。現在は「サスティンペダルを踏み込んだ状態で」と解釈されているようです。冒頭から左手は3連符のリズムを刻み続けます。右手はベース音を奏で、やがて左手にメロディが加わります。3連符のリズムは最後まで途切れることなく続きます。
第2楽章はAllegretto 3/4拍子 変ニ長調の複合三部形式の楽章。第1楽章とは打って変わって明るい弾むような楽章です。トリオは二部形式でやや重く演奏されます。
第3楽章はPresto agitato 4/4拍子 嬰ハ短調のソナタ形式の楽章。心に迫って来るメロディの連続で緊張感あふれる楽章になっています。
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