1且15日 名曲100選 協奏曲篇・20 ロココの主題による変奏曲
「ロココの主題による変奏曲」イ長調op.33はチャイコフスキーが1877年に作曲したチェロと管弦楽のための作品です。
主題はチャイコフスキーの自作によるロココ風の主題で、トランペットや打楽器を含まない小規模な2管編成になっています。
序奏と主題から始まり、全部で8つの変奏曲からなりますが、実はこの曲にはフィッツェンハーゲン版という版が存在しています。
フィッツハーゲンはチャイコフスキーの親友であったチェリストで、この曲を献呈した人物ですが、彼はチャイコフスキーに無断で構成を変更して初演をしています。チャイコフスキーは苦々しく思ったものの、この曲の評価を高めたフィッツハーゲンに配慮して原典版となる自分の版は出版しませんでした。1955年に原典版が復元され、それ以降は原典版による演奏も増えているようです。
フィッツハーゲン版は原典版の序奏と主題、第1変奏、第2変奏、第7変奏、第5変奏、第6変奏、第3変奏、第4変奏と第8変奏のコーダという構成になっています。
確かに原典版は第8変奏が終曲っぽく無いので演奏効果的にはフィッツハーゲン版の方が優れているように感じますが、オリジナルはオリジナルですし、組み替えただけでなく第8変奏の本体を削除しているというのは問題あるのかなとも思います。
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