12月18日 名曲100選 協奏曲篇・16 ヴァイオリン協奏曲(エルガー)
エルガーのヴァイオリン協奏曲ロ短調op.61は1910年に作曲されクライスラーに献呈されました。
この曲は厳かでロマンティックな作品になっています。形式的にも古典的な形式を用い、第1楽章はオーケストラのみの主題呈示から始まり、その後にヴァイオリン独奏による主題の演奏が続きます。
古典派の協奏曲の多くはこの協奏的ソナタ形式で始まります。ベートーヴェンもピアノ協奏曲第1番では107小節目、2番では92小節目、第3番では112小節目に初めてピアノが登場しますが、4番ではいきなりピアノが主題を提示しますし、第5番はご存知の通りオーケストラの1小節の和音の全奏の後カデンツァが登場します。こうして、ロマン派の協奏曲への橋渡しとなって、ロマン派以降の協奏曲の多くは、独奏楽器が初めの方で登場するようになっていきました。
ロマン派以降の代表的協奏曲でも、シューマンのピアノ協奏曲やメンデルスゾーンやシベリウス、サンサーンスの3番のヴァイオリン協奏曲などがいきなり主題呈示タイプ、グリーグのピアノ協奏曲やブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番などがいきなりカデンツァタイプ、古典的タイプでは、ショパンのピアノ協奏曲第1番は139小節目、ドヴォルザークのチェロ協奏曲は87小節目の登場です。
チャイコフスキー、ラフマニノフといったロシア音楽では独自路線という感じです。
エルガーに話を戻すと、第3楽章ではエルガーが考案したピツィカート・トレモロ(ギターのトレモロのように弾く)など超絶技巧が要求されています。
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