10月9日 名曲100選 協奏曲篇・6 ピアノ協奏曲イ短調(グリーグ)
三大交響曲「未完成」「運命」「新世界より」、三大ヴァイオリン協奏曲「ベートーヴェン」「メンデルスゾーン」「ブラームス」、三大レクイエム「モーツァルト」「フォーレ」「ヴェルディ」というのはありますが、あまり三大ピアノ協奏曲というのは定説がありません。
上記の交響曲もヴァイオリン協奏曲もちょっと昔の基準という感じがしますし、その時代であれば「チャイコフスキーの1番」「ベートーヴェンの皇帝」「グリーグ」あたりかもしれませんね。現在であれば「ラフマニノフの2番」が頭抜けた人気曲という感じがします。
そうは言っても、グリーグのピアノ協奏曲はピアノ協奏曲の中でも人気の高い曲のひとつです。グリーグは抒情組曲を筆頭に数多くのピアノ曲の作曲家として知られていますが、協奏曲はこの1曲だけ。もっともグリーグは交響曲は1曲、器楽のソナタはピアノ1曲、ヴァイオリン3曲、チェロ1曲のみ、弦楽四重奏曲も1曲だけといった具合に、固定的な形式を持つ曲はあまり得意では無かったようです。
そんなわけで、たった1曲のピアノ協奏曲はグリーグ自身何度も改訂を行っていて、現在演奏されているのは最晩年の1907年頃に改訂され1917年に出版されたものです。
この曲の人気の理由は、まずは最初のつかみ。ティンパニのトレモロが1小節の間にppからfまでクレッシェンドされ2小節目の1拍目に全楽器でイ短調の主和音(AGE)の強奏と同時にピアノによる強烈な下降音によるカデンツァが4小節という導入部があまりにも有名です。5小節目から主部に入り木管によって素朴な第1主題が演奏されます。第2主題は静かな歌うような旋律。展開部は短く、再現部の後に非常に長いカデンツァがありコーダに入ります。最後はピアノの冒頭のフレーズが再現されて終わります。
第2楽章は弱音器をつけた弦楽器によって演奏される美しいメロディで始まる複合三部形式。
第3楽章は第2楽章から続けて演奏される規模の大きな楽章。中間部で演奏されるフルートの独奏による第2楽章が印象的で、この第2主題が最後のコーダで壮大に合奏されて曲を閉じます。
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