8月25日 名曲100選 室内楽曲篇・100 クラリネット五重奏曲(モーツァルト)
室内楽曲の最後の曲は、モーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調K.581です。
モーツァルトが友人のクラリネット奏者アントン・シュタードラーのために1789年に作曲したクラリネットと弦楽四重奏のための曲です。モーツァルトは2年後には彼のためにクラリネット協奏曲も作曲しています。
本来はシュタードラーが用いていたバセットクラリネットのために作曲したものです。バセットクラリネットは通常のクラリネットより低音域を拡張した楽器の為、現在はクラリネットで演奏できるように1802年に編曲された版を使用して演奏されます。
演奏時間は30分程度の4楽章構成の曲です。
第1楽章は弦楽器の清明な旋律にクラリネットのアルページョが乗って始まります。第2主題を含めて全体的に非常に明晰な音楽の曲です。
第2楽章はクラリネット協奏曲程では無いですが、それに似た天国的な美しさの曲。
第3楽章はメヌエット。トリオを2つ持っています。
第4楽章は変奏曲。軽快な主題に4つの変奏が続き、テンポをアダージョに落とした豊かな表情を見せた後、アレグロのテンポを速めた第6変奏が続き終曲に向かいます。
クラリネットは1700年ごろに作られた新しい楽器で、通常オーケストラで使用される木管楽器の中で唯一シングルリードの楽器です。モーツァルトは、この歴史の浅い楽器の魅力を余すことなく引き出しています。音楽史上最初の本格的なクラリネットをメインにした器楽曲であり最高傑作だと思います。ウェーバーやブラームスなどもこの分野で名曲を作曲していますが、モーツァルトのクラリネット五重奏曲は別格です。
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