ホームページ

ウェブページ

紹介した音楽

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 8月20日 名曲100選 管弦楽曲篇・99 惑星 | トップページ | 8月22日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・100 時代 »

2023年8月21日 (月)

8月21日 名曲100選 交響曲篇・100 交響曲第9番「新世界より」

名曲100選、今週はいよいよ最後の曲になります。
交響曲篇の最後の曲は、ドヴォルザークの交響曲第9番ホ長調op.95「新世界より」です。
ドヴォルザークがアメリカのナショナル音楽院の院長として滞在した3年間に作曲された曲のひとつです。「新世界より」という副題はアメリカから故郷のボヘミアへのメッセージという意味合いがあります。ネイティヴ・アメリカンや黒人の音楽に刺激を受けたメロディが数多く登場しますが全てドヴォルザークのオリジナルで、従来の民謡などは使っていない事を考えると、ドヴォルザークのメロディ・メーカーとしての才能には驚かされます。この交響曲は、第2楽章のコラールの後の主題が知らない人は殆どいないというぐらい有名ですが、それ以外にも魅力にあふれる曲です。
編成は2管編成ですが、一部物凄く贅沢な楽器の使い方がされています。
①ピッコロ 奏者はフルート奏者が持ち替えで演奏。第1楽章の4小節だけ。まあ、とっても小さな楽器なので持ってくるのが面倒ではありませんが、チューニングとかは手間かかりますよね。
②コール・アングレ 言わずと知れた第2楽章の「遠き山に日は落ちて」のメロディを担当しますが、登場は第2楽章の3か所のみ。第2オーボエの奏者が持ち替えて吹くことになっていますが、持ち替えの為に休みが1小節未満(4拍子の3.5拍)なので実際は別の奏者が吹く事が慣習的です。
③チューバ 第2楽章の初めのコラール5小節と最後の方にあるコラール4小節のみ。こちらはピッコロと違って楽器大きいのでこれだけの為に楽器持ってくるの大変です。是非とも、「新世界より」をプログラムする場合、他の曲にチューバが登場する楽器を選んで貰いたいと思います。
④シンバル これこそ、贅沢の極み。第4楽章の提示部の第1主題から第2主題への経過部に一発だけ、しかも聞こえるか聞こえないかわからない程度の音量なのです。奏者は第3楽章のみに登場するトライアングルと兼務が普通なのでこの音一発だけではありませんが、シンバルは重い楽器ですし、演奏しない時にはきちんとスタンドなどにセッティングしておかないと、共鳴してしまう事があるので、そのスタンドなどを準備する手間もあります。
ドヴォルザークは、第8番でも12小節のみのピッコロと2小節半のみのコール・アングレなんていう前科があるので不思議ではありませんけど。
曲は、古典的な4つの楽章で構成されています。
第1楽章は序奏つきのソナタ形式。序奏は弦楽器によって穏やかに始まり、ホルンの音を挟んで木管楽器に旋律が移ります。突然荒々しい雄叫びがあがり一旦静まった後、第1主題の断片を演奏しながら盛り上がって行き、ティンパニのトレモロに続き高弦のトレモロが鳴り、ホルンによって第1主題が提示されます。第2主題はフルートとオーボエで黒人霊歌を思わせる旋律が奏でられます。コーダは戦闘的な雰囲気で短音階のまま強烈に楽章を終わります。
第2楽章は、三部形式。管楽器のコラールの後、有名な「遠き山に日は落ちて」の第1主題、フルートとオーボエによって提示されるちょっとテンポの速い経過メロディから、コントラバスのピチカートに乗ってクラリネットが奏でるゆっくりとしたメロディと、この楽章は印象的なメロディの宝庫です。中間部はオーボエのソロから始まる長調に転調した細かい動きのメロディがやがて弦楽器に変わり形を変えていきますが、そこでいきなり第1楽章の断片がトロンボーンによって現れ、弦に移って音量を落として、冒頭の主題に戻っていきます。最後は静かにコントラバスの和音で楽章を閉じます。
第3楽章はスケルツォ。インディアンの祝宴を描いた詩にヒントを得て作曲された楽章ですが、メロディの多彩さは健在。トライアングルの入った短い序奏の後木管による舞曲風の主題が入ります。その後出て来るメロディは四七抜き音階なので日本人には親しみやすいメロディ、中間部は森進一の「花と蝶」のサビの部分にそっくりのメロディです。
第4楽章も短い序奏は、映画「ジョーズ」の音楽にも、ドヴォルザークが大好きだった蒸気機関車の出発にも似た序奏です。その後堂々とした第1主題が金管を中心に呈示されます。そしてシンバルが一発静かに打たれると第2主題がクラリネットによって優美に奏されます。展開部では第1楽章や第2楽章、第3楽章の主題が断片的に登場し再現部に突入。コーダにも以前の楽章の音楽が絡みつき、最後に第4楽章の第1主題が静かに戻ってきて、徐々にクライマックスを形成し最後は管楽器の和音の音が残って余韻と共に終わります。

 

« 8月20日 名曲100選 管弦楽曲篇・99 惑星 | トップページ | 8月22日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・100 時代 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 8月20日 名曲100選 管弦楽曲篇・99 惑星 | トップページ | 8月22日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・100 時代 »