8月19日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・99 デボラのテーマ
ミュージカル映画以外で、映画全体を彩る音楽のイチオシは、「ワンス・アポ・ア・タイム・イン・アメリカ」の音楽です。
「ワンス・アポ・ア・タイム・イン・アメリカ」はセルジオ・レオーネ監督の遺作となる1984年公開の作品。音楽を担当したのがレオーネ監督との名コンビで「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」など数々の映画音楽を手掛けたエンニオ・モリコーネです。
エンニオ・モリコーネは2020年91歳で亡くなった映画音楽の巨匠で、レオーネとのコンビ以外でも、「死刑台のメロディ」の「勝利への讃歌」、ニュー・シネマ・パラダイスなど琴線に触れる数々の音楽を世に出しました。
「ワンス・アポ・ア・タイム・イン・アメリカ」は、1920年代のニューヨークの貧しいユダヤ系移民の子、ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)と友人のマックス(ジェームズ・ウッズ)の少年時代、青年期、壮年期の3つの時代を描いた大河ドラマです。
映画はカンヌ国際映画祭で先行上映されて高い評価を得ましたが、アメリカでの公開時に3時間を超える作品のため一般観衆に受け入れやすくするために製作会社が大幅にカットして上映したため酷評されました。その後レオーネ自身の編集によって3時間49分の完全版を再公開したところ絶賛されるようになったという事です。日本での公開は最初からオリジナル版でしたので高評価を得ています。
基本的にはギャング映画ですが、ヌードルスとマックスの友情と裏切り、そして衝撃の再開という人間ドラマの色が強い作品です。
音楽は、「デボラのテーマ」、「少年時代の記憶」、スペインの歌曲をリメイクした「アマポーラ」、「コックアイの歌」などどの曲も名曲 ぞろいです。
特に「デボラのテーマ」は低弦の持続音の中から湧き出て来る美しいメロディが印象的な曲です。映画音楽全体でパン・フルートを活用しておりそれによって情感あふれる音楽になっています。デボラは、ヌードルスが少年時代から憧れた上昇志向の強い女の子。少女時代はジェニファー・コネリー、青年期以降はエリザベス・カクガヴァンが演じています。
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