7月17日 名曲100選 交響曲篇・95 交響曲第4番(ブラームス)
交響曲第4番ホ短調op.98は、ブラームス最後の交響曲で1885年に作曲されました。
古典的な4楽章構成で、第2楽章にフリギア旋法を用い、終楽章はバロック時代の変奏曲形式のシャコンヌを用いるといった古典への回帰をより強く意識した作品になっています。
第1楽章は、ヴァイオリンの下降旋律から始まる第1主題がいきなり出てきます。ゆったりとした第2主題は木管によって提示されますが、この楽章は第1主題が支配している印象があります。
第2楽章は、展開部を欠くソナタ形式の緩徐楽章。ホルン、木管によってフリギア旋法の動機が奏でられ、動機に基づく第1主題が静かに演奏されます。第2主題はチェロによって提示されます。個人的に、ブラームスの交響曲の中で最も美しく厳粛だと思う旋律です。これが再現部で楽器を増やしてコラール風に演奏されますが、ここが圧巻。この部分を聴くだけでブラ4を聴いた価値があるというもんです。
第3楽章はスケルツォ的な楽章。この楽章トランアングルが活躍するのですが、厳粛な第2楽章と重厚な第4楽章に挟まれた第3楽章でトライアングルはちょっと馬鹿っぽい感じがします。何故トライアングルを登場させたのかブラームスに聞いてみたいものです。
第4楽章はE-F♯-G-A-A#-B↑-B↓-E の8つの音符からなる旋律がシャコンヌ主題になります。楽章自体は提示部で15の変奏、展開部で8つ、再現部で7つの合計30の変奏から出来ています。「ハイドンの主題による変奏曲」でもわかるようにブラームスの変奏は大胆なので、流して聴いただけでは変奏だったのかわからないものもあります。コーダは主題が劇的に再現され速度を上げて緊張感を高めて終結します。
« 7月16日 名曲100選 管弦楽曲篇・94 マ・メール・ロア | トップページ | 7月18日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・95 風に立つライオン »
« 7月16日 名曲100選 管弦楽曲篇・94 マ・メール・ロア | トップページ | 7月18日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・95 風に立つライオン »
コメント