7月14日 名曲100選 室内楽曲篇・94 弦楽四重奏曲第1番(チャイコフスキー)
チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番ニ長調op.11は1871年2月に作曲されました。
この曲を作曲した頃は、チャイコフスキーはニコライ・ルービンシテインが創設したモスクワ音楽院で教師を務めていて、作曲家としてはまだ駆け出しの頃でした。ルービンシテインが少しずつ作曲家としての評価が上がってきたチャイコフスキーに自作曲のコンサートの開催を勧めましたが、演奏会を行う小ホールに向いたプログラムを組むのに曲数が足らず、急遽作曲されたのが、この曲です。
第2楽章の冒頭のメロディがあまりに有名で、速度・発想記号として書かれたAndante cantabile(アンダンテ・カンタービレ)が2楽章の冒頭からのメロディに対する曲名として、固有名詞化しています。
オーソドックスな4つの楽章からなる曲です。
第1楽章 8分の9拍子、ソナタ形式。ちょっとチャイコフスキーらしいメロディックな感じが無くて主題の印象が薄いかなと思います。コーダはチャイコらしさ満開の華麗なものです。
第2楽章 有名なアンダンテカンタービレ。ウクライナ民謡を題材にした美しい主題と素朴な雰囲気漂う中間部がとっても魅力的にかみ合っています。私個人的には、大林亘彦の映画「転校生」が思い浮かんでしまいます。ちなみに、「転校生」では、「トロイメライ」「タイスの瞑想曲」などが使われていますが、音楽を作る予算が無かったために著作権フリーのクラシック音楽を使ったそうです。
第3楽章 ニ短調のスケルツォ。短調で悲し気な主題から始まりますが全体的な印象は活気に漲るものです。
第4楽章 民俗舞曲風の第1主題と憂鬱なゆったりとしたメロディを挟んだソナタ形式の楽章です。最後は静かになったところから一気にコーダに向かって激しく楽器がかき鳴らされます。
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