6月5日 名曲100選 交響曲篇・89 交響曲第2番(ボロディン)
ロシア五人組のひとり、ボロディンは作曲家としての顔と化学者としての顔を持つ才人でした。大学では医学、化学を学び、卒業後はサンクトペテルブルク大学医学部生化学の教授まで昇進しボロディン反応という名称まで残すほどの功績を上げています。そのため作曲は遅筆で、作曲を始めたものの完成まで至らなかった作品も数多くあります。有名な歌劇「イーゴリ公」、交響曲第3番も未完のままで、グラズノフやリムスキー=コルサコフなどによって補筆完成されています。
交響曲第2番ロ短調は1869年に着手され1877年に完成されました。
全体的には勇壮で力強い曲で、特に第1楽章と第4楽章は弦楽器のダウンボウ(弓を元から先に動かして音を出す、逆に弓先から弓元へ動かすのはアップボウ=ダウンボウは音の始まりで大きなしっかりした音を得やすい)を作曲家自らが指定している場所が多くあります。
第1楽章の再現部あたりでは24小節間ずっとダウンボウのみで弾く指定が入っています。これは私の知る範囲では最長。ヴィオラ、チェロ、コントラバスはその2小節手前からずっと49音連続のダウンボウです。物凄く体力を消耗します。
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