6月26日 名曲100選 交響曲篇・92 交響曲第3番(マーラー)
マーラーの交響曲第3番ニ短調は、演奏時間に100分以上を要するマーラーの中でも最長の交響曲です。
編成も交響曲第8番「千人の交響曲」には及ばないものの、非常に大きな編成になっています。
歌詞や旋律に歌曲「少年の魔法の角笛」を用いている第2番から第4番までを角笛三部作と括る事があります。
元々は7楽章として考えられましたが、第7楽章は交響曲第4番の終楽章に転用することになり6つの楽章からなる曲になっています。
編成はフルート4本(全てピッコロに持ち替え)、オーボエ4本(4番はコールアングレ持ち替え)、クラリネット3本(3番はバスクラリネット持ち替え)、小クラリネット2本(2番はクラリネットに持ち替え)、ファゴット4本(4番はコントラファゴット持ち替え)、ホルン8本、ポストホルン、トランペット4本(全てコルネット持ち替え)、トロンボーン4本、チューバという拡大された4管編成。
打楽器はティンパニ2人(3台ずつ)、大太鼓、小太鼓、軍隊用小太鼓、シンバル付き大太鼓、タンブリン、シンバル、トライアングル、タムタム、グロッケン、鐘(4または6)
ハープ2台と弦楽器、アルト独唱、児童合唱、女声合唱
第1楽章 8本のホルンの斉奏で第1主題がいきなり演奏されます。その後太鼓などによって「運命」のリズムが奏され重々しい主部が始まっていきます。金管打楽器による重厚なメロディと低弦の上行の突き上げるような動機が幾度となく絡み合っていきます。第2主題もホルンによって叫ぶように提示され、やがてオーボエからヴァイオリン独奏で第3主題が提示され序奏が終わります。主部に入るとトロンボーンのメロディの後しばらくすると第3主題に基づく軽快な行進曲が出てきます。このあたりはすべての主題が絡み合っていきます。とにかく30分以上、全体の3分の1程度の長さの曲なので細かく聞いていたら疲れるので、流して聴くのが一番(笑)。最後はクライマックスから短いコーダが超速で演奏されます。
第2楽章 テンポ・ディ・メヌエットですが、舞曲楽章という雰囲気はしません。 ABABAのロンド形式。弦のピツィカートの上をオーボエが主題を演奏して始まります。中間部は拍子の変化がある短調の曲です。
第3楽章 複合三部形式。「少年の魔法の角笛」の「夏の歌い手交代」による主題で始まります。中間部はポストホルンが登場する調子の良いメロディです。
第4楽章 緩徐楽章。アルト独唱がニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」の第4部第19章の第12節「ツァラトゥストラの輪唱」から採った歌を歌います。オーケストラのみの間奏を挟んで二部構成になっています。
第5楽章 児童合唱が鐘の音を模した「ビム・バム」を繰り返す中、アルトと女声合唱が「少年の魔法の角笛」を歌います。この楽章はヴァイオリンが全休で合唱と管楽器が主体です。
第6楽章 弦楽合奏の主要主題から始まる厳かな雰囲気の楽章。個人的にはこの楽章を聴きたいために長い5楽章までを聴いているというのが本音です。コーダも壮大で感動的。マーラーの作り方は巧いですね。少しずつ少しずつ盛り上げて、一旦小休止しますが、またクライマックスを作って今度はコーダまでもっていきます。
« 6月25日 名曲100選 管弦楽曲篇・91 ばらの騎士組曲 | トップページ | 6月27日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・92 出発の歌 »
« 6月25日 名曲100選 管弦楽曲篇・91 ばらの騎士組曲 | トップページ | 6月27日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・92 出発の歌 »
コメント