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2023年6月28日 (水)

6月28日 名曲100選 歌劇のアリア篇・92 巡礼の合唱

私が一番最初に生で見たオペラがワーグナーの「タンホイザー」でした。ワーグナーのオペラの中では決して長くは無いのですが、それでも3時間。しかも更に長いパリ版でした。幕間の休憩時間を含めると4時間以上の長丁場でした。
「タンホイザー」のアリアと言えばエリザベートの「エリザベートの祈り」やヴォルフラムの「夕星の歌」、合唱曲は「大行進曲」が知られていますが、取り上げるのは「巡礼の合唱」です。
第2幕の歌合戦で「ヴェヌス」を讃える歌を歌って領主に追放されたタンホイザーは、ローマに巡礼に行き教皇の赦しが得られれば戻ってきてもよいと領主に言われて巡礼に出ます。
第3幕でタンホイザーの帰りを待つ領主の娘で恋人のエリザベートは、毎日マリア像に祈りをささげていますが、戻ってきた巡礼たちの中にタンホイザーはいませんでした。この場面で巡礼たちによって歌われるのが巡礼の合唱「ふるさとよ、また見る野山」です。巡礼が近づくように遠くから聞こえてきて、次第に音は大きくなりクライマックスを迎えますが、タンホイザーがいない事を知ったエリザベートが悲痛な叫びを入れます。やがて巡礼たちは去っていきます。
このメロディは「タンホイザー」序曲の主要メロディとしても扱われているので、馴染みがあると思います。
結局、罪の深さに赦されなかったタンホイザーですが、エリザベートが命の引き換えに神に赦しを乞い、タンホイザーもエリザベートの亡骸に寄り添って息を引き取ってしまいます。そこへローマからの行列が到着し、タンホイザーは赦された事を伝えて幕が下ります。

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