6月11日 名曲100選 管弦楽曲篇・89 クープランの墓
「クープランの墓」はラヴェルが1917年に完成させたピアノのための組曲です。プレリュード、フーガ、フォルラーヌ、リゴドン、メヌエット、トッカータの6曲からなる曲で、それぞれが第一次世界大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられています。
この中の4曲をラヴェル自身が1919年に管弦楽に編曲しました。
「クープラン」はフランスを代表するバロック音楽の作曲家フランソワ・クープランの時代の形式を借りた曲です。
「プレリュード」「フォルラーヌ」「メヌエット」「リゴドン」の4曲で、バロック時代の組曲にならって前奏曲と舞曲のみの構成にしたと考えられています。
「プレリュード」はジャック・シャルロ中尉(マ・メール・ロワのピアノ独奏版の編曲者)に捧げられたもので12分の16拍子の活発な音楽です。冒頭からオーボエの超速のパッセージによるソロが続きます。オーボエの難曲として知られる曲です。
「フォルラーヌ」はガブリエル・ドゥリュック中尉(バスク画家)に捧げられた曲。フォルラーヌは北イタリアを起源とする速いリズムのダンス。跳ねるようなリズムが特徴の音楽です。
「メヌエット」はジャン・ドレフュス(ラヴェル除隊後の家主)に捧げられたもの。三部形式で愛らしいメロディの主部と分厚いオーケストレーションの中間部からなっています。
「リゴドン」はラヴェルお幼馴染のゴーダン兄弟に捧げられています。「リゴドン」は17世紀に流行したプロヴァンス地方に由来する活発な舞曲で三部形式になっています。主部は活発な曲で中間部は速度を落として管楽器が次々とメロディを担当します。
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