6月12日 名曲100選 交響曲篇・90 交響曲第3番(ブルッフ)
ブルッフの交響曲第3番ホ長調op.51は1882年に作曲されました。
ブルッフがリヴァプールで活動していた記事にダムロッシュの依頼で作曲されたもので1886年に改訂されています。
ブルッフと言えば、ヴァイオリン協奏曲やスコットランド幻想曲といったヴァイオリンの協奏的作品が知られていますが、特に本人がヴァイオリンの演奏が得意だったわけではありません。おそらくこのような作品が評価が高いのは、ブルッフが魅力的な旋律を生み出すことが得意で、それはヴァイオリンが彼の旋律の美しさをとりわけ引き出す事が出来たからなのでしょう。
ブルッフは、当時ドイツにおけるブラームスの新古典主義的音楽とワーグナーの新ドイツ楽派の対立に対し、明確にブラームスへ尊敬を表しR.シュトラウスなどには激しい攻撃を加えた事もあり、古臭い音楽と見られることもありますが、旋律を音楽の魂とするその音楽は非常に分かり易いものだと思います。
交響曲第3番も、そんなブルッフの面目躍如となる作品です。3つの交響曲の中でも旋律が前面に出たブルッフらしい曲です。編成は2管編成ですがトロンボーンやチューバも使われています。
第1楽章 序奏つきのソナタ形式。第1主題はとても溌剌としたメロディです。第2主題はテンポを落とし、序奏にも使われていた旋律が使われています。
第2楽章 コラール風の序奏に続く緩徐楽章。序奏はシューマンのラインの第1楽章にも似た旋律です。ブルッフ独特の透明感溢れる弦楽器のアンサンブルも魅力的な楽章です。
第3楽章 スケルツォ。のどかな主題に始まり快活な音楽が繰り広げられる楽章です。
第4楽章 雄大な第1主題と弦楽合奏で提示される第2主題を持つソナタ形式の楽章です。エンディングも華やかです。
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