4月17日 名曲100選 交響曲篇・82 交響曲第3番「ライン」
シューマンの交響曲第3番変ホ長調op.97は、1850年に作曲されたシューマンの最後の交響曲です。
第4番の交響曲がありますが、これは2番目に作曲した交響曲を改訂出版したのが、第3番より後だったため。また「ライン」の副題はシューマン自身によるものではありませんが、作品自体はライン川やその周辺の地域との関連性が深い作品です。
編成は2管編成でトロンボーン付きで、5つの楽章から構成されています。
第1楽章 「生き生きと」という指示がある楽章。冒頭からシンコペーションによる主題が勢いよく演奏され、滔々と流れるライン川を彷彿とさせます。第2主題は木管によって提示される、やや哀愁を帯びたものです。
第2楽章 「きわめて中庸に」という指示あるスケルツォ。スケルツォですが、ゆったりとした波にたゆたうようなメロディとリズムからなっています。
第3楽章 「速くなく」 美しいメロディから始まる緩徐楽章。終始静かに演奏される楽章です。
第4楽章 「荘厳に」 コラール風の音楽がカノン風に繰り返されます。この楽章の冒頭は有名なトロンボーンの難所と言われていますがその理由は①シューマンに指定ではアルト・トロンボーンですが、最近のオーケストラではテナートロンボーンを使用するのが普通です。テナートロンボーンはアルトより完全四度低い音程で最高音もCぐらいまでとされています。「ライン」の第4楽章で使われる音の最高音がそれより2度高いE♭という超高音。アルトトロンボーンでも最高音域にかなり近い音です。②3楽章まで全休で、いきなり弱音で高音域が続きます。休みの間にいかに唇を温めておくかがキモ③しかも、ピアニッシモの微弱音。管楽器の場合小さな音で吹くのは大きな音を出すより遥かに難しいです。
第5楽章 「生き生きと」 活気ある主題の祝祭的な雰囲気の楽章で全曲を明るく結びます。
シューマンの交響曲は、やたらに音符が多く複数の楽器の音が重なっているという事を言われています。指揮者の中には間引きなど手を加える方もいらっしゃいます。特にこの3番は音符の多さではナンバーワン。コントラバスも、多分全ての交響曲の中で一番休みが少ない曲ではないでしょうか。更に、第5楽章の高速ターンの連続などバスには不向きなパッセージも含まれていて、一回弾くとクタクタです。
それでもこの曲が愛されているのは、美しいメロディが続々と出てくるシューマンの真骨頂のような曲だからではないでしょうか。
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