4月23日 名曲100選 管弦楽曲篇・82 エニグマ変奏曲
エルガーのエニグマ変奏曲op.36(正式名称 独創主題による変奏曲)は1899年に作曲されたエルガーの代表作のひとつです。
ヴァイオリンのレッスンを終えて帰宅したエルガーが夕食後に思いついた旋律をピアノで弾いている時にキャロライン夫人の注意を惹いて、夫人を喜ばせるためにその主題に基づいて友人たちを思い浮かべながら「あの人だったら、こんな風に弾くだろう」と即興的に弾いたものを膨らませた作品です。
故に、変奏曲全てにタイトルがついていますが、そのタイトルはストレートに人名を付けたわけではなく、イニシャルなど謎めいたタイトルをつけました。そのために「エニグマ(謎)」という題名で呼ばれるようになったわけです。
変奏は全部で14曲あります。時にはアタッカで繋がるものをあり、時には、「ここで終了できる」ように継続用の譜面と終了用の譜面両方を用意してあったりとユニークな構成になっています。
例えば第4変奏曲は W.M.BというタイトルのAllegro di moltoの激しいテンポの曲ですが、これはベイカーという地主であり学者の事。とても精力的な人だったのでその雰囲気で激しい曲になっています。
最も有名な変奏曲が第9変奏のNimrod(ニムロッド)でしょう。楽譜出版社に勤めるイェーガーにエルガーが付けた愛称がニムロッド。とても気高い人柄を表現した曲で、イェーガーとエルガーが好きだったベートーヴェンのピアノソナタ悲愴の第2楽章の旋律が下敷きになっています。
第14変奏のE.D.U は夫人がエルガーを呼ぶときの愛称 「エドゥー」、つまりエルガー自身の事。フィナーレらしい堂々した曲です。
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