4月5日 名曲100選 歌劇のアリア篇・80 永久に君を失えば
ヴェルディの中期作品の中の傑作のひとつが「仮面舞踏会」です。この曲が初演されたのが1859年2月17日。ですが、初演には紆余曲折がありました。元々はナポリの劇場から依頼を受けて作曲したものですが、1792年スウェーデンの啓蒙君主グスタフ3世がストックホルムのオペラ座で上演されていた劇 仮面舞踏会の最中に暗殺された事件を題材にした戯曲を元にしていたため、当時検閲の厳しかったナポリでは「王の暗殺」は不味いだろうという事で断念、それ程厳しくなかったローマで初演する事になりました。ただしローマでも、ストーリーの舞台をヨーロッパ以外にする事という条件がつけられました。その為に、舞台はイギリス植民地時代のボストン、国王をボストンの総督、暗殺者の伯爵を総督の秘書に変更してようやく上演にこぎつけたというわけです。(以上再掲載)
その仮面舞踏会のクライマックスがグスタフ3世をモデルにしたボストン総督リッカルドが歌うロマンツァ「永久に君を失えば」です。
第3幕第2場で、リッカルドが横恋慕していた暗殺の犯人アンカーストレム伯爵をモデルにしたリッカルドの秘書レナートの妻アメリアを諦める決心をして歌った歌で、「レナートとアメリアをイギリスに戻らせよう。君を永久に失うことが定めなら君との思い出を秘めてわが人生の光、心のときめきは君のもとへ飛んで行く」と歌います。
その後第3場で仮面舞踏会の会場でリッカルドを刺し、リッカルドが瀕死の中、リッカルドの横恋慕であってアメリアは潔白である事、事件の関係者に特赦を与える事を言い残して息を引き取ります。
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