4月26日 名曲100選 歌劇のアリア篇・83 なんと彼女は美しい
「なんと彼女は美しい」(Quanto e bella) はドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」第1幕第1場でネモリーノが本を読んでいるアディーナを眺めながら、美しさを讃え、自分に愛を訴える力がない事をこぼす歌です。
「愛の妙薬」は美人で頭も良いけれど、ちょっとプライドが高い富農の娘アディーナと純粋だが多少間が抜けている貧農のネモリーノの恋の行方を描いたオペラ・ブッファです。
村に若くて野心満々のペルコーレ軍曹がやってきて、アディーナは心を寄せます。そこへ「トリスタンとイゾルデ」でイゾルデが使った薬を売りに来たというドゥルカマーラ博士なる人物が登場しネモリーノに秘薬を売りつけます。
ネモリーノは秘薬を飲んで気が大きくなりアディーナを既に手に入れたも同然と、彼女にそっけない態度を取ります。いつも手玉に取っていたつもりの男が態度を急変させた事に困惑し激怒したアディーナは、軍曹の求婚に応じてしまいます。
軍曹に進軍命令が出て急遽その晩に婚礼を挙げる事となり、秘薬を再度買おうとしたが金が無いネモリーノは軍曹の部隊に一兵卒として入隊する事として前借をして秘薬を購入します。そこへネモリーノの伯父が死んで巨額の財産をネモリーノが相続するという知らせが入り、村の女たちは急にネモリーノにアタックするようになり、それを見たアディーナは心中穏やかならず、またネモリーノが秘薬を手に入れるために命を投げうって軍隊に入った事を知り思わず涙を流します。そうして2人はお互いが愛し合っていた事に気づき結ばれるます。
このオペラは、誰も死にませんし、怪しげなドゥルカマーラ博士さえも、二人の愛が実ったのは愛の妙薬の効能だったと評価されるという、本当の喜劇ですが、音楽自体はとても美しいメロディに溢れる楽しい曲です。
また登場人物も少なく、主要歌手はアディーナ(ソプラノ)、ネモリーノ(テノール)、軍曹(バリトン)、博士(バス)の4人だけという事でスター歌手の顔見世公演にも適しているため今でも大人気のオペラです。
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