3月26日 名曲100選 管弦楽曲篇・78 1812年
チャイコフスキーの序曲「1812年」変ホ長調op.49は1880年に作曲された演奏会用序曲です。
ナポレオンのロシア遠征の勝利を讃えた曲で、元々は友人のニコライ・ルービンシテインが将来開催される産業博覧会の音楽部長に任命され、ニコライにより依頼されて作曲されたものです。肝心の博覧会は開催されず、ニコライも亡くなってしまったため、初演は1882年まで待たなければなりませんでした。
この曲は5部で構成されています。
第1部は2本のヴィオラと4本のチェロのSoliによるロシア正教会の聖歌「神よ汝の民を救い」の序奏から始まります。序奏が終わるとオーボエによって第1主題が歌われ低弦がそれを繋いで次第に激しい音楽になっていきます。
第2部 ロシア軍の行進曲です
第3部 ポロジノ地方の民謡に基づく主題にフランス国家「ラ・マルセイエーズ」、さらにロシア民謡風のメロディが絡む戦いを連想させる部分です。「1812年」の売り物でもある「大砲」もこの部分から登場します。
第4部 バンダを含んで冒頭の聖歌が演奏されます。
第5部 ロシア国家が高らかに演奏されます。ソ連時代にはロシア国家が演奏禁止とされたため、ソ連国内で演奏する場合はこの部分はグリンカの歌劇「イワン・スサーニン」(皇帝に捧げし命)の終曲に置き換えた編曲版(シュバリーン版)で演奏されていました。
大砲が止み、最後は教会の鐘が乱打されて曲を閉じます。
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