3月13日 名曲100選 交響曲第9番(マーラー)
マーラーが完成させた最後の交響曲第9番ニ長調は1910年に完成しています。
第8番の交響曲と、第九の呪いによって番号無しの交響曲となった「大地の歌」と、マーラーは続けて声楽付きの交響曲を作曲しましたが、この第9番は純粋な器楽の交響曲です。
4楽章の構成になっていますが、両端楽章が緩徐楽章になっています。
第1楽章はAndante comodoの自由なソナタ形式。短い序奏。ハープによって提示される「ミソ ラソ」という音が全曲を統一する動機となっています。ヴァイオリンによって奏でられる主題は、マーラーらしい翳りを含んだ美しさです。
第2楽章はレントラー。ファゴットによって奏せられる動機は簡単な音型ですが非常に効果的に弦楽器の主題を導きます。Bパートは最初弦楽器によって暴力的な激しい音楽が繰り広げられます。Cパートは穏やかな音楽です。そのあとはBパートとAパートが交代交代に顔を出していきます。
第3楽章はロンド楽章。きわめて反抗的にと指定されているブルレスケです。冒頭から激しい音楽の応酬です。ABABC-中間部-Aという構成になっています。途中第3交響曲の断片が顔を出したり、メリー・ウィドウの引用があります。
第4楽章はゆっくりとしたアダージョ楽章。ABABA+コーダという形式になっています。この曲はマーラーの「死」への意識が強く出ており、最後はコントラバスを除く弦楽器だけになって「死に絶えるように」終わります。
終楽章を含めて全体的には第3番の交響曲に雰囲気が似ているように思います。
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