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2023年3月31日 (金)

3月31日 名曲100選 室内楽曲篇・79 弦楽四重奏曲第1番(ニールセン)

デンマークの作曲家ニールセンの弦楽四重奏曲第1番ト短調op.13は1889年に作曲されました。ニールセンは弦楽四重奏曲を4曲作曲していますが、その中でも人気作です。
第1楽章はテンポはそれ程速くはありませんが緊張感の高い楽章です。いきなり奏でられる第1主題は拍子感がわからない次第に音が上がっていくメロディです。全体的に跳躍の少ないメロディに支配されています。
第2楽章は緩徐楽章。穏やかな主題がおおらかに歌われます。中間部は大幅にテンポが上がります。
第3楽章はスケルツォ。勢いのあるメロディの主部と、どこかローカルな雰囲気のトリオから構成されています。
第4楽章は慌ただしくと表記された急き立てられるような幕開けとなります。最後は堂々とした響きの中幕を閉じます。

 

2023年3月30日 (木)

3月30日 名曲100選 海外のロック篇・79 スカイ・ハイ

「スカイ・ハイ」はイギリスのポップ・ロック・バンド ジグソーが1975年にリリースした曲で全米3位を記録した大ヒット曲です。
同年に公開されたアクション映画「スカイ・ハイ(原題は The Man from Hong Kong)」のテーマ曲として作成されたものです。
日本では2年後に、空中殺法を得意としたメキシコの人気プロレスラー ミル・マスカラスの入場テーマ曲として採用され1977年のオリコン総合チャート2位、洋楽チャートでは11週連続1位というスマッシュ・ヒットとなりました。
歌詞の内容はタイトルや曲調とは全く一致しない、捨てられた女性に未練タラタラの失恋の歌です。

2023年3月29日 (水)

3月29日 名曲100選 歌劇のアリア篇・79 麗しい光が

「麗しい光が」(Bel raggio lusinghier)は、ロッシーニの歌劇「セミラーミデ」でセミラーミデが歌うコロラトゥーラのアリアです。
「セミラーミデ」はロッシーニがヴォルテールの悲劇「セミラミス」を基に1823年に作曲した2幕のオペラ・セリアです。
舞台は古代アッシリア王国。国王ニーノが何者かによって毒殺され、王子ニーニャも行方不明となってから15年後の話。ニーノ王の王妃セミラーミデが、スキタイ人でアッシリアの士官アルサーチェを密かに愛するが、アルサーチェは実は行方不明となっていたニーニャ王子であり、ニーニャは、セミラーミデとパール神の末裔であるアッスールが王を殺した犯人という事がわかる。ニーニャはセミラーミデを赦しアッスールを亡き者にしようとするが誤ってセミラーミデを殺害してしまう。
「麗しい光が」は、第1幕第2場で、セミラーミデが空中庭園でアルサーチェの帰還を心待ちにして歌うアリアです。ソプラノの非常に技巧的なアリアです。

2023年3月28日 (火)

3月28日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・79 戦争を知らない子供たち

「戦争を知らない子供たち」は、1970年の大阪万博で発表された曲です。作詞北山修、作曲杉田二郎で、全日本アマチュア・フォーク・シンガーズ名義でそのライブアルバムが発売され、シングルカットされたものです。
翌年、杉田二郎と森下次郎によって再結成されたジローズがシングル発売し大ヒットし、レコード大賞の新人賞を受賞しています。
当時はベトナム戦争の真っ最中でもあり反戦平和運動も盛り上がっている中で発表されたこの曲は、日本を代表する反戦歌として今でも歌い継がれています。
歌詞自体は直接戦争を非難する歌詞では無いものの、当時20代後半までの戦争を知らない子供たちが、大人になってもそのまま平和を愛し、戦争を知らない子供たちで居続ける願いを込めたものです。

2023年3月27日 (月)

3月27日 名曲100選 交響曲篇・79 交響曲第6番「悲愴」

交響曲第6番ロ短調op.74「悲愴」はチャイコフスキーが完成させた最後の交響曲です。初演はチャイコフスキーが亡くなる9日前でした。
通常の交響曲と異なり最後の楽章を緩徐楽章としており、中間の第2・第3楽章を舞曲的な楽章としています。この特殊性もこの曲の人気の要因のひとつでしょう。
第1楽章は序奏付きのソナタ形式。冒頭はコントラバスのdivisiによるミとシの五度の和音に乗ってファゴットがゆっくりとしたテンポで第1主題に基づくメロディを吹き、ヴィオラとチェロに受け継がれます。主部に入ると第1主題が管楽器、弦楽器によって演奏され、休止を経て甘美な第2主題が弱音器を付けた弦楽器を中心に演奏されます。途中、フルートから始まる静かなメロディを挟んで、第2主題が今度は三連符のリズム上で非常に情熱的に演奏され、クラリネットとファゴットによる下降音階で締めくくられます。この下降音階はクラリネットから始まりクラリネットを音域を越えた低い音になるところでファゴットに受け継がれます。ここでクラリネットとファゴットの音色の変化やppppppと指定される最弱音を苦手とするファゴットの代わりにバス・クラリネットを使う事がありますが、最近は、これを含めてチャイコフスキーの創作という事を考えてそのまま演奏する事も多いようです。
第2主題が終わると、いきなり強烈に第1主題による展開部に入ります。それに第2主題も絡んでクライマックスを築き、また休止を経て再現部に入ります。最後は第2主題が現れ、弦楽器の下降音階のピツィカートが次第に楽器を減らしながら演奏する中金管楽器がコラールのような旋律を奏でながら静かに楽章を閉じます。
第2楽章は複合三部形式の4分の5拍子のワルツです。ワルツと言えば3拍子が一般的ですがスラブの音楽では時々見かけられる5拍子のワルツです。中間部は一転して短調になった暗い音楽になります。最後はワルツが断片的に演奏され静かに終わります。
第3楽章はスケルツォと行進曲が混ざったような激しい曲です。楽譜の表記も8分の12拍子のスケルツォと4分の4拍子の行進曲が、同じ小節でも楽器ごとに割り当てられています。と言ってもそんなに複雑では無くて3連符のリズムの上に4拍子の行進曲が演奏されるという感じに聞こえます。最後は、この曲で唯一華々しく楽章を閉じます。ゆえに、曲の終わりと勘違いして拍手が出る事もありますが、最近は少なくなりましたね。それだけこの曲の認知度が高くなったという事でしょう。
第4楽章はむせび泣くような楽章です。冒頭、実は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンそれぞれ弾くメロディは何だかさっぱりメロディらしくない音ですが、両方を合わせて聴くと第1主題になるという独創的なオーケストレーションが施されています。ヴァイオリンを右と左に分ける対向配置だとステレオ効果抜群です。
再現部でクライマックスを築くとタムタムが鳴らされトロンボーンとチューバによるコラールが静かに演奏されコーダに入ります。コーダはコントラバスの三連符のリズムが延々と続く中、嘆くように弦楽器がメロディを奏で、最後にコントラバスのピツィカートが心臓の鼓動を連想させるように静かに打たれ、消えるように曲を閉じます。

2023年3月26日 (日)

3月26日 名曲100選 管弦楽曲篇・78 1812年

チャイコフスキーの序曲「1812年」変ホ長調op.49は1880年に作曲された演奏会用序曲です。
ナポレオンのロシア遠征の勝利を讃えた曲で、元々は友人のニコライ・ルービンシテインが将来開催される産業博覧会の音楽部長に任命され、ニコライにより依頼されて作曲されたものです。肝心の博覧会は開催されず、ニコライも亡くなってしまったため、初演は1882年まで待たなければなりませんでした。

この曲は5部で構成されています。
第1部は2本のヴィオラと4本のチェロのSoliによるロシア正教会の聖歌「神よ汝の民を救い」の序奏から始まります。序奏が終わるとオーボエによって第1主題が歌われ低弦がそれを繋いで次第に激しい音楽になっていきます。
第2部 ロシア軍の行進曲です
第3部 ポロジノ地方の民謡に基づく主題にフランス国家「ラ・マルセイエーズ」、さらにロシア民謡風のメロディが絡む戦いを連想させる部分です。「1812年」の売り物でもある「大砲」もこの部分から登場します。
第4部 バンダを含んで冒頭の聖歌が演奏されます。
第5部 ロシア国家が高らかに演奏されます。ソ連時代にはロシア国家が演奏禁止とされたため、ソ連国内で演奏する場合はこの部分はグリンカの歌劇「イワン・スサーニン」(皇帝に捧げし命)の終曲に置き換えた編曲版(シュバリーン版)で演奏されていました。
大砲が止み、最後は教会の鐘が乱打されて曲を閉じます。

 

2023年3月25日 (土)

3月25日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・78 ハロー・ドーリー

ミュージカル映画「ハロー・ドーリー」は1964年から上演しているミュージカルを1969年に映画化したものです。
監督はジーン・ケリー。バーブラ・ストライサンド、ウォルター・マッソーが主演し、ルイ・アームストロングが共演して第42回アカデミー賞では美術賞、ミュージカル音楽賞、録音賞の3部門を獲得しましたが、興行的には大失敗となり、これ以降大画面のミュージカル映画は下火となっていきます。

19世紀後半のニューヨークが舞台。若い未亡人ドーリーは仲人業を生活の糧としています。ドーリーの顧客ホーレスは郊外の田舎町で飼料工場を営む金持ちだがケチ、同居する姪のアーメンガードと貧乏画家アンプロースの結婚に反対し、姪の結婚相手の仲介を依頼しました。
ドーリーはそんなホーレスが気になって仕方がない。ドーリーはアーメンガードとアンプロースを結婚させるために彼女たちにダンスコンテストで優勝させ賞金を獲得し、同時にドーリーがホーレスへの恋の成就をさせる計画を立て見事に成功します。
ルイ・アームストロングとバーブラ・ストライサンドが歌う主題歌はダンスコンテスト会場の高級レストランで歌われるものです。

2023年3月24日 (金)

3月24日 名曲100選 室内楽曲篇・78 ピアノ三重奏曲第2番(シューベルト)

シューベルトのピアノ三重奏曲第2番変ホ長調op.100,D929は1827年に作曲されました。
この曲はシューベルトの生前に高い評価を得ていた曲で、存命中にオーストリア以外の国から出版された唯一の曲でもありました。
4つの楽章からなる40分程度を要する大作です。
第1楽章 ソナタ形式で、冒頭から力強い主題がユニゾンで演奏されます。第2主題は静かにピアノの囁きで表現されます。
第2楽章 三部形式の緩徐楽章。シューベルトがウィーンで耳にしたスウェーデン民謡「太陽は沈み」に基づくチェロによるロマンティックな主題から始まります。
第3楽章 三部形式のスケルツォ。冒頭からカノンの形式でスケルツォ主題が提示されます。トリオはヴァイオリンとチェロの掛け合いによる力強い曲です。
第4楽章 ロンド・ソナタ形式。軽快な主題で始まります。これまでの楽章の主題も回想され、シューベルトらしい天国的な長さの楽章です。

2023年3月23日 (木)

3月23日 名曲100選 海外のロック篇・78 ロンリー・ハート

「ロンリー・ハート」はイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド イエスが1983年に発売したアルバム「ロンリー・ハート」からシングルカットされた曲でイエスのシングルでは唯一全米1位となった曲です。
イエスは1969年にデビューし2年程度のブランクはありますが現在まで活動している伝説的なロックバンドです。
日本では日産や三洋電機、UCC上島珈琲などのCMでも使われるなどイエスの音楽としては比較的ポップな曲のため大衆に受け入れやすくなっていました。

2023年3月22日 (水)

3月22日 名曲100選 歌劇のアリア篇・78 妙なる調和 

妙なる調和(Recondita armonia)は、プッチーニの歌劇「トスカ」の第1幕でトスカの恋人である画家のカヴァラドッシによって歌われるテノールのアリアです。
教会の壁画を描きながら、恋人の歌姫トスカと壁画のモデルとなっている女性の美しさと調和を讃えながら、一筋の想いはトスカひとりだけと歌う曲です。たいてい壁画の前の高い足場の上で歌います。

「トスカ」全体については、以前「歌に生き、恋に生き」を取り上げた時に書いた、あらすじを引用しておきます。画家カヴァラドッシは脱獄した政治犯アンジェロッティの逃亡を助けたため死刑を宣告されます。歌姫トスカは恋人であるカヴァラドッシを救おうと警視総監スカルピオが提示した「銃殺用の銃に空砲を入れてカヴァラドッシを助けるかわりにトスカに身体を許す」という条件を呑むふりをしてスカルピオを殺害します。翌日処刑は行われますが、スカルピオの交換条件は嘘でカヴァラドッシは息絶えてしまいます。スカルピオを殺した罪で逮捕されるところを逃れたトスカは城の屋上から身を投げます。

2023年3月21日 (火)

3月21日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・78 元気です

「元気です」は吉田拓郎が1980年に発売した20枚目のシングルです。
実は、拓郎は1972年に「元気です。」というアルバムを発売していますが、これとは全く別物。アルバムの「元気です。」には「旅の宿」「夏休み」「たどり着いたらいつも雨降り」などが収録されていますが、「夏休み」は収録されていないので要注意です。
「元気です」は宮崎美子主演のTBS系ポーラテレビ小説「元気です!」の主題歌。4コーラスまでありますが、それぞれ1年目の春、2年目の夏、3年目の秋、4年目の冬という具合に春夏秋冬を織り込んでいます。

2023年3月20日 (月)

3月20日 名曲100選 交響曲篇・78 交響曲第8番(ベートーヴェン)

ベートーヴェンの交響曲第8番ヘ長調op.93は、1812年に作曲され、交響曲第7番と同じ演奏会で初演されました。
この曲は、比較的小規模な、古典的な形式で作曲されていますが、そこここに斬新な響きが用意されています。初演の時は7番に人気が集中したのですがベートーヴェン自身は8番に自信があったようです。
第1楽章は、6番同様序奏が無く、いきなりトゥッティで第1主題が演奏されます。7番がベートーヴェン最長の序奏を持っているのに対して対照的です。第2主題はワルツ調の主題。展開部ではスフォルツァンドやヘミオラを多用してリズムに変化をつけています。
この楽章の再現部では低弦が第1主題を再現するのですが、他の楽器ががfffの大音量なので、楽譜通り演奏すると主題は殆ど聞こえない。この頃には既にベートーヴェンの耳は殆ど聞こえなくなっていたので、もし聞こえていたら何らかの修正をしていたかもしれませんね。
第2楽章は、展開部のないソナタ形式。ベートーヴェンは第8番では緩徐楽章を置かず、実質的なスケルツォを第2楽章に置いています。木管がリズムを刻む中メトロノームを模したとも言われるメロディが弦によって演奏されます。過去はメトロノームを考案したメルツェルに贈ったカノン「親愛なるメルツェル」を転用したと言われていましたが、今では交響曲が先行しており、「親愛なるメルツェル」の弟子のシンドラーの偽作という説が有力になっています。
第3楽章は、メヌエット。ベートーヴェンは第1番の交響曲でもメヌエットを使っていますが、そちらの方は内容的にはスケルツォのため、実質的には交響曲中唯一のメヌエットです。中間部はホルンとクラリネットによってのんびりとした牧歌風な旋律が吹かれますが、その影でチェロのソロが三連符の伴奏を忙しく弾いていて、その対比が面白いです。
第4楽章は自由なロンド形式。コーダのしつこさは第5番に次ぐものです。

 

2023年3月19日 (日)

3月19日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・77 夏の牧歌

「夏の牧歌」は、オネゲルが1920年に作曲した交響詩です。
両親の故郷でもあるベルナー・オーバーラント地方(スイスのベルン州にある高地)の景勝地ヴェンゲンで作曲されたもので、ランボーの詩集「イリュミナシオン」の中の一節「私は夏の曙を抱いた」というフレーズに霊感を得たもので、アルプス地方の朝の清々しい雰囲気を豊かな抒情と精妙なオーケストレーションで描いたいます。
三部形式で主部は静かな音楽、中間部は舞曲風の動きのあるメロディになっています。
編成は、1管編成(木管各1本とホルン1本)と弦5部という小さな編成です。

2023年3月18日 (土)

3月18日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・77 カヴァティーナ

カヴァティーナは、1978年公開の「ディア・ハンター」の主題曲です。
「ディア・ハンター」は、3人の繊細で勇敢なロシア系移民が主人公で、ロバート・デ・ニーロ、クリスファー・ウォーケン、ジョン・サベージが演じていました。彼らは休日になると鹿狩りに行くのを楽しみにしている程度の平凡な若者でしたが、ベトナム戦争に徴兵され戦争の闇に飲み込まれていく姿を描いた作品です。
監督はマイケル・チミノ、音楽はスタンリー・マイヤーズ。
「カヴァティーナ」はクラシック音楽では本来反復等の無い素朴な旋律を持つ短い歌曲を指すイタリア語。オペラなどでも素朴な歌謡的な曲を指す言葉で器楽曲にも転用されている言葉です。
「ディア・ハンター」の「カヴァティーナ」は、ジョン・ウィリアムズ(スター・ウォーズなどの作曲家と同名の別人の有名なギタリスト)の演奏による美しい曲で、映画の内容とのギャップがとっても大きい曲です。

2023年3月17日 (金)

3月17日 名曲100選 室内楽曲篇・77 コキリコによる変奏曲

「コキリコによる変奏曲」は日本の作曲家野田暉行が作曲したリコーダーとギターのための曲です。
「こきりこ節」は、富山県の五箇山地方に伝わる古謡で、七寸五分(約23㎝)に切った竹2本を指で回し打ち鳴らしながら歌う音楽です。
リコーダー以外にもフルートなどでも演奏される素朴な変奏曲です。

2023年3月16日 (木)

3月16日 名曲100選 海外のロック篇・77 展覧会の絵(EL&P)

エマーソン・レイク・アンド・パーマーは、キーボード奏者のキース・エマーソン、ギタリストのグレッグ・レイク、ドラムスのカール・パーマーによって1970年に結成されたスーパー・グループです。
「展覧会の絵」は、ムソルグスキーの同名のピアノ曲をアレンジして1971年3月にライブ録音されましたが、当時スタジオ・アルバムの録音が進行していたためリリースが見送られました。ところがこのライブ録音が海賊版として出回るようになってしまったため、アンコールで演奏されたチャイコフスキーのくるみ割り人形の中の行進曲をアレンジした「ナット・ロッカー」を収録して同年11月に正規版を発表したわけです。
ムソルグスキーの原曲はムソルグスキーの友人であった画家のハルトマンの遺作展で鑑賞した10点から得た印象と「死せる言葉による死者への呼びかけ」及び展覧会場を歩き回る「プロムナード」5曲の合計16曲からなる組曲です。
EL&P版ではプロムナード3曲と作品の内「こびと」と「賢人(原曲はビドロ)、古い城、オリジナルのブルース・ヴァリエーション、オリジナルのバーバ・ヤーガの呪いを挟んだ「バーバ・ヤーガの小屋」「キエフの大門」合計11曲になっています。
当時は、まだシンセサイザーも現在ほど機能的では無かった中、これだけの音楽を3人で演奏してしまうという技術とアイデアには感服しました。

2023年3月15日 (水)

3月15日 名曲100選 歌劇のアリア篇・77 ジプシーの歌(カルメン)

「ジプシーの歌 『鈴が打ち鳴らされれば』」(Chanson bohème)は、ビゼーの歌劇「カルメン」の第2幕でカルメンとその仲間たちによって歌われる曲です。
第2幕は、第1幕でカルメンの色香に惑わされカルメンを逃がしてしまったドン・ホセがカルメンたちの密輸業者の仲間になってしまう経緯が描かれています。
舞台はセヴィリアの町外れにある酒場。「アルカラの竜騎兵」と題される間奏曲の後、カルメンが仲間たちと踊り歌うのが「ジプシーの歌」です。
演奏会で演奏されるフリッツ・ホフマンの編曲した組曲版では第2組曲の最後に演奏される非常に盛り上がる曲です。
2本のフルートで始まり、カルメンが歌いやがて、一緒に歌う人も増えて来るといった具合に徐々にクレッシェンドしていくと共にテンポも上がっていくという、ビゼーが「アルルの女」のファランドールなどでも使った最高潮のまま曲を終える手法が使われています。これはビゼーが尊敬していたロッシーニが良く使う手法(ロッシーニ・クレッシェンドとも言われています)を真似たものなのでしょうか。

2023年3月14日 (火)

3月14日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・77 花鳥風月

「花鳥風月」は森山直太朗が2010年に発売した18枚目のシングルで、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」のエンディング・テーマとして使われた楽曲です。
「花鳥風月」という四字熟語は、地に咲く花、空に舞う鳥、そよぐ風、澄み渡る月といった、自然の美しい風物を表す言葉で、それらを愛する風流を指す言葉でもあります。
森山直太朗は、人間の心の機微と、これらの自然を口語調で歌っています。冒頭ではギターの音を琴の音のように弾いて風流を表現しています。

2023年3月13日 (月)

3月13日 名曲100選 交響曲第9番(マーラー)

マーラーが完成させた最後の交響曲第9番ニ長調は1910年に完成しています。
第8番の交響曲と、第九の呪いによって番号無しの交響曲となった「大地の歌」と、マーラーは続けて声楽付きの交響曲を作曲しましたが、この第9番は純粋な器楽の交響曲です。
4楽章の構成になっていますが、両端楽章が緩徐楽章になっています。
第1楽章はAndante comodoの自由なソナタ形式。短い序奏。ハープによって提示される「ミソ ラソ」という音が全曲を統一する動機となっています。ヴァイオリンによって奏でられる主題は、マーラーらしい翳りを含んだ美しさです。
第2楽章はレントラー。ファゴットによって奏せられる動機は簡単な音型ですが非常に効果的に弦楽器の主題を導きます。Bパートは最初弦楽器によって暴力的な激しい音楽が繰り広げられます。Cパートは穏やかな音楽です。そのあとはBパートとAパートが交代交代に顔を出していきます。
第3楽章はロンド楽章。きわめて反抗的にと指定されているブルレスケです。冒頭から激しい音楽の応酬です。ABABC-中間部-Aという構成になっています。途中第3交響曲の断片が顔を出したり、メリー・ウィドウの引用があります。
第4楽章はゆっくりとしたアダージョ楽章。ABABA+コーダという形式になっています。この曲はマーラーの「死」への意識が強く出ており、最後はコントラバスを除く弦楽器だけになって「死に絶えるように」終わります。
終楽章を含めて全体的には第3番の交響曲に雰囲気が似ているように思います。


2023年3月12日 (日)

3月12日 名曲100選 管弦楽曲篇・77 ビリー・ザ・キッド

バレエ音楽「ビリー・ザ・キッド」は、20世紀アメリカを代表する作曲家アーロン・コープランドが1938年に作曲した2作目のバレエ音楽です。
アメリカン・バレエ・キャラバンのリンカーン・カースティンの依頼で作曲され、後に管弦楽組曲に編曲されました。
組曲は20分ほどの2管編成の曲ですが、アメリカの作曲家らしく多くの打楽器が使われています。ティンパに以外に5人の打楽器奏者が必要で、グロッケンシュピール、シロフォン、シンバル、スレイベル、トライアングル、ギロ、ウッドブロック、テンプルブロック、むち、バスドラム、スネアドラムが使われています。
ビリー・ザ・キッドは、19世紀後半西部開拓時代のアウトロー、ビリー・ザ・キッドの生涯を描いた作品ですが、創作の部分も多い歴史上の事実とは多少異なる内容になっています
第1曲 序奏:涯しない大平原 アメリカ西部劇時代の平原を描写する音楽です。静かに始まりクライマックスを築きます。
第2曲 開拓者の町の踊り 開拓者たちの町の様子が6つの曲によって描写されます。
第3曲 夜のカルタ遊び ノクターンです。トランペットのソロが旋律を歌います。
第4曲 拳銃の戦い かつての友人であったパット・ギャレット率いる捜査隊との激しい銃撃戦。ピアノ、ティンパニなどの打楽器が銃声を表現しています。ティンパニ、大太鼓を重ねて連打すると銃撃戦というより大砲を使った戦争みたいですけどね。
第5曲 ビリー逮捕後の祝賀会 逮捕されたビリーは脱獄に成功し逃亡します。
第6曲 ビリーの死 逃亡中砂漠で休んでいたビリーはパット・ギャレットに発見され銃殺されます。弦楽器中心のコラールで表現されます。
第7曲 再び、涯しない大平原 第1曲の音楽が戻ってきます。

2023年3月11日 (土)

3月11日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・77 雨に唄えば

「雨に唄えば」(Singin' in the Rain)は1952年に公開されたアメリカのミュージカル映画です。1929年の同名の曲を原案にして、サイレント映画からトーキーへ移る時代のハリウッドを描いたコメディ映画です。
監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン。アメリカのミュージカル映画の最高傑作とも言われる映画です。
サイレント時代、俳優のドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)とリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)は男女のドル箱スターとして活躍していましたが、ドンは駆け出しの女優キャシー・セルダン(デビー・レイノルズ)を愛していました。
やがて、ハリウッドにトーキーの波が押し寄せ、作りかけのドンとリナ共演のサイレント映画を無理矢理トーキーにすることに決定します。
ところがリナは致命的な悪声の持ち主で試写会は散々な結果に終わりました。このままでは自分の俳優人生が終わってしまうと危機を感じたドンは、この映画をミュージカルに作り替える事を思い立ちリナの声をキャシーが吹き替える事にします。
その事を知ったリナは怒りと嫉妬からキャシーを自分の吹替専門担当にして表に出られないようにしてしまいます。
こうして完成した映画の試写会で大喝采を受けたリナは調子に乗って自らの声でスピーチをしてしまいますが、声の違いを怪しんだ観客からリナの生歌披露を迫ります。ドンは映画会社社長とリナを罠に嵌めることを思い立ち、リナの背後でカーテンに隠れてキャシーに歌わせ、途中でカーテンを開けて観客に事実を暴露してしまいます。
キャシーはスターの座を手に入れ、ドンとキャシーは結ばれます。
ドンが町中を歩きながら「雨に唄えば」を歌うシーンは映画史上最も有名なシーンのひとつです。

2023年3月10日 (金)

3月10日 名曲100選 室内楽曲篇・77 11楽器のためのラグタイム

「11楽器のためのラグタイム」(Ragtime for 11 instruments)は1918年にストラヴィンスキーが作曲した5分弱の室内楽曲です。
ラグタイムは20世紀初頭アメリカで流行したシンコペーションのリズム構成が主体となって弱拍を強調する音楽です。ストラヴィンスキーは「兵士の物語」にもラグタイムを使っており興味がある音楽のひとつだったようです。
楽器編成はフルート、クラリネット、ホルン、コルネット、トロンボーン、2本のヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスとツィンバロン、打楽器。打楽器は大太鼓、スネアドラム、スネアなしのドラム、シンバルをひとりで叩き分けます。
拍子も一定の4分の4拍子で、この時期のストラヴィンスキーの音楽としては珍しい曲です。

2023年3月 9日 (木)

3月9日 名曲100選 海外のロック篇・77 ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ

「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」はビートルズの8枚目の公式アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に収録されたレノン=マッカートニー作の曲です。リード・ヴォーカルはリンゴ・スターが務めています。「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と共にシングルカットされてBillboard71位になっています。メンバーや多くのミュージシャンに愛されたリンゴ・スターが歌うのにぴったりの曲です。途中、リンゴと他のメンバーの問答のようになる歌詞も素敵です。
多くの人に愛された曲で、1968年にジョー・コッカーがカバーして全英の1位となっています。

 

2023年3月 8日 (水)

3月8日 名曲100選 歌劇のアリア篇・77  ドン・ジョヴァンニのセレナード

「窓辺にいでよ」は、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の第2幕で歌われる曲で、ドン・ジョヴァンニのセレナードとして知られる曲です。
第2幕冒頭で元カノのエルヴィーラの女中に近づくためジョヴァンニの従者レボレッロと服を交換したジョヴァンニが、女中を誘惑しようと窓の下で歌う甘いセレナードです。
伴奏は弦楽器のピツィカートがリズムを刻んでマンドリンがアルペジオを演奏するだけというシンプルな曲です。
「さあ窓辺においで 私の宝物よ。 さあ来ておくれ私の涙を慰めに。 もしも私に安らぎを与えることを断るのであれば、お前の目の前で私は死んでしまおう」というような内容の歌です。

2023年3月 7日 (火)

3月7日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・77 チャンピオン

チャンピオンは、アリス14枚目のシングルで、唯一オリコン1位を獲得した最大のヒット曲です。
ボクシングのベテランチャンピオンが若き挑戦者に敗れていく姿を表現した曲です。
モデルは1970年代に活躍したカシアス内藤だそうです。カシアス内藤は、モハメッド・アリの改名前の名前カシアス・クレイから取ったリング・ネーム。黒人アメリカ兵と日本人女性の間で生まれたカシアス内藤は、日本の重量級の期待の星として1971年には東洋ミドル級チャンピオンになりましたが元来気が優しい精神面が災いして世界チャンピオンになることはできず1979年に引退しています。
曲は、実にドラマティックで、ベテランとなったボクサーが若いボクサーに打ちのめされて敗れ、これで普通の男に帰れるんだと呟く、というものです。
アリスの曲ではありますが、フォークというよりはロックという感じの曲。栄光と世代交代が実にうまく表現された曲です。

2023年3月 6日 (月)

3月6日 名曲100選 交響曲篇・77 交響曲第2番「讃歌」

メンデルスゾーンの交響曲第2番変ロ長調op.52「讃歌」は1840年に作曲されました。メンデルスゾーンの交響曲(弦楽のための交響曲を除く)は出版順に番号が振られており、この第2番は作曲順で言えば4番目の作品となります。また、唯一の声楽つき交響曲でもあります。
歌詞はルターが1534年に完成させた旧約聖書のドイツ語版を用いたもので神への讃歌を歌いあげています。
グーテンベルクの印刷技術完成400周年記念祝典に際し委嘱されたものです。
編成は2管編成でソプラノ独唱2人、テノール独唱と混声合唱及びオルガンが加わっています。
2部構成全10曲からなっています。第1部は器楽のみのシンフォニアで3つの楽章から構成されています。通常の3楽章形式の交響曲(舞曲系の楽章が無い曲)とは異なり、終楽章にあたるロンド楽章が無く、第1楽章は序奏つきソナタ形式、序奏は神の楽器と言われるトロンボーン3本による厳粛な音楽から始まります。このメロディは全曲の基本主題ともなっています。
第2楽章はスケルツォ楽章にあたる三部形式の楽章、第3楽章は緩徐楽章になっています。
第2部は声楽が入り「すべて息づく者は主を称えよ」から始まり終末合唱「汝ら民よ、主に栄光と権力とを帰せよ」まで10曲となっています。第1曲の序奏も基本主題から始まり、合唱になっても基本主題が歌われます。第10曲の最後にも基本主題が現れ厳かに曲を閉じます。

2023年3月 5日 (日)

3月5日 名曲100選 管弦楽曲篇・76 芸術家の生活

「芸術家の生活」(Kunstlerleben)op.316はヨハン・シュトラウス二世が1867年に作曲したワルツです。
かつては「芸術家の生涯」という題名で知られていましたが、現在では日本シュトラウス協会が改めた「芸術家の生活」の表記が標準になっています。
ウィーン芸術家協会「ヘルペルス」に献呈されました。「美しく青きドナウ」などが演奏会用ワルツであることに比べて、古いタイプの舞踏会用ワルツとして作曲されたもので、初演時にはあまり評判が芳しくありませんでした。
確かに演奏会用として聴くには変化が乏しい感じがしますが、全編踊りの準備と踊りのための曲なので美しいメロディが満載の曲になっています。


2023年3月 4日 (土)

3月4日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・76 007ユア・アイズ・オンリー

「007/ユア・アイズ・オンリー」は、1981年のジェームズ・ボンドシリーズの12作目の映画。ジェームズ・ボンドはロジャー・ムーア。ボンド・ガールにはキャロル・ブーケ、リン・ホリー・ジョンソン、カサンドラ・ハリス。
非常にアクション・シーンの多い作品でした。
音楽を担当したのは、ビル・コンティ。主題歌はシーナ・イーストンが歌いました。Billboardランキングでも8位に入り大ヒットしました。
個人的にはシーナ・イーストンはデビュー当時(正式デビューは1979年)は、歌唱力より容姿での話題が先行していたように思っていました。特に声に力が無いと感じていましたが、この曲は素敵な曲だと思ってます。

2023年3月 3日 (金)

3月3日 名曲100選 室内楽曲篇・76 グランド・デュオ・コンチェルタンテ

協奏的大二重奏曲(グランド・デュオ・コンチェルタンテ)変ホ長調op.48は、ウェーバーが1816年に完成させたクラリネットとピアノのための作品です。
ウェーバーはクラリネット作品を数多く作曲しています。3曲のクラリネット協奏曲(小協奏曲と1番、2番)、クラリネット五重奏曲などですが、殆ど全てが当時のクラリネットのヴルトゥオーゾ ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマンの為に作曲されておりクラリネットの高度なテクニックを聴かせる曲になっています。クラリネット五重奏も、独奏クラリネットと弦楽四重奏の協奏曲のような感じの曲になっています。
このグランド・デュオ・コンチェルタンテは、唯一ベールマンではなくてヘルムシュテットという奏者のために作曲されていて、ピアノとクラリネットが対等の立場で演奏するソナタのような曲です。
3つの楽章から構成されています。
第1楽章 ソナタ形式 冒頭からとっても魅力的で軽やかな楽想が連発します。活発な楽章でホントに飽きない曲です。
第2楽章 打って変わって、憂鬱な感じの楽章。クラリネットの音色の魅力を存分に引き出しています。
第3楽章 始まりは静かですが、やがて動きの速いロンド主題に入ります。主題が繰り返されるたびにピアノが表情を変えていきます。抒情的な中間部を経て華やかに終わります。

2023年3月 2日 (木)

3月2日 名曲100選 海外のロック篇・76 愛ある別れ

愛ある別れ(If You Leave me Now)は、1976年にリリースされた「シカゴⅩ」からシングルカットされた、シカゴのバラード曲です。
作詞作曲はピーター・セテラです。2週間シカゴ初のBillboard Hot100の1位となりグラミー賞を受賞しました。その他オーストラリア、イギリス、カナダなどでも1位になっています。

シカゴはブラスロック・バンドという位置づけでトランペットやトロンボーンなどのブラスをフィーチャーしたロック・バンドとして数々のヒット曲を生んで来ましたが、このあたりからポップス路線に近い音楽になってきてメンバー内で不協和音も出てきたようです。それが、1980年前後のシカゴの低迷期につながる要因のひとつともなりました。
内容は、僕の元を去っていく彼女へ、行かないでくれ、という未練タラタラの曲です。ちょっとメロディからは想像できない歌詞です。

2023年3月 1日 (水)

3月1日 名曲100選 歌劇のアリア篇・76 乾杯の歌

乾杯の歌「友よ、さあ飲み明かそう」はヴェルディの歌劇「椿姫」第1幕で歌われる曲です。
ヴィオレッタの住む屋敷のパーティーに現れたアルフレードが、ヴィオレッタに1曲歌うように言われて歌い出します。やがてヴィオレッタが加わりデュエットとなり、最後は来客たちも加わって合唱になります。
数あるオペラの中で、お酒を酌み交すための曲としてはシュトラウス二世の「こうもり」の中のシャンパンの歌も有名ですが、何といっても最も知られる曲ですね。

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