2月6日 名曲100選 交響曲篇・73 アルプス交響曲
アルプス交響曲op.64は、リヒャルト・シュトラウスが1915年に完成した単一楽章の交響曲です。
シュトラウスが14歳の時に登山をしたドイツ・アルプスのツークシュプッツェの体験を元に作曲したもので、交響曲という名称が使われていますが形式的には自由な形式の交響詩という感じの音楽です。
編成が大きいため、ステージで演奏される機会は多くはありませんが、自然の描写、嵐の表現などで代表的な音楽として知られています。
編成は基本的には4管編成。特殊楽器も多く使われています。木管ではヘッケルフォーンというバス・オーボエに相当する楽器。金管ではワーグナー・チューバ、打楽器ではウィンドマシーン、サンダーマシーン、カウベル。オルガン、チェレスタも使われています。
構成は22のパートから構成されています。
夜の描写から始まり、日の出と共に登山が始まります。途中森、小川、滝、花咲く草原、牧場、氷河などを見ながら登ります。遠くから雷鳴が聞こえてきますが、頂上に到着。やがて霧が立ち上り、日も陰ってきますが再び雷鳴が聞こえてきます。そして本格的な雷雨と嵐が来ますが、その中を下山、やがて嵐は遠ざかり静かになって日没が訪れます。再び冒頭の夜の音楽が現れ静かに曲を閉じます。
この曲には、夜の動機、山の動機、太陽の動機など数々の動機が使わて、曲としての一体感を保持しています。
特に有名な嵐の場面ではウィンドマシーンやサンダーマシーンが駆使されます。
ウィンドマシーンは円筒状のドラムに布が軽く巻かれたもので、円筒を回転させることで布との摩擦音を起こし風の音を作り出す装置。回転速度を変えることで音の強弱をつけることができます。この楽器を使ったものではアルプス交響曲の他、グローフェのグランド・キャニオンやヴォーン・ウィリアムズの南極交響曲が知られています。
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