2月17日 名曲100選 室内楽曲篇・74 ヴァイオリン・ソナタ第9番(ベートーヴェン)
ベートーーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調op.47は1803年に作曲されています。ヴァイオリニストのロドルフ・クロイツェルに献呈されたため、「クロイツェル」の愛称で呼ばれています。
元々はイギリスのヴァイオリニスト ジョージ・ブリッジタワーがウィーンで演奏会を行うために作曲されたものですが、演奏会に間に合わず、当日は第1楽章と第2楽章は大まかに書かれた手書きの楽譜を元に即興演奏され、第3楽章はヴァイオリン・ソナタ第6番の終楽章を転用して演奏されました。
その後ベートーヴェンとブリッジタワーが不仲になって、献呈者をクロイツェルに変えたそうですが、クロイツェル自身は一度もこの曲を弾くことは無かったという事です。ブリッジタワーと不仲にならなければ、この曲の愛称は「ブリッジタワー」になっていたのでしょうか。そうだとすると、後にこの曲に触発されて執筆されたトルストイの小説「クロイツェル・ソナタ」やヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」の運命も変わっていたと思うと、ちょっとしたことで不仲になったという事が歴史を大きく変えたと痛感します。
曲自体は3つの楽章からなるオーソドックスな曲ですが、それまでのヴァイオリン・ソナタがヴァイオリンの序奏つきのピアノのための曲という位置づけだったのですが、この曲はヴァイオリンとピアノが対等の立場で協奏する曲として作曲されています。
第1楽章は序奏つきのソナタ形式です。主部はプレストのテンポの非常に速い動きの激しい楽章です。
第2楽章は緩徐楽章。主題と4つの変奏曲から出来ています。
第3楽章は8分の6拍子のタランテラになっています。
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