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2023年2月28日 (火)

2月28日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・76 翼をください

「翼をください」は1971年に「竹田の子守唄」のB面として発売された曲です。1973年にやまがたすみこがアルバムの1曲としてカバーして更にファンを増やし1976年以降は音楽の教科書にも掲載されるようになりました。
また、合唱曲としても有名になり、日本国内では誰にも知られる愛唱歌となったB面の星のような曲です。
作詞は山上路夫、作曲は村井邦彦。内容は自由を求め大空を飛ぶ夢を歌ったものです。
私も高校の時に合唱で歌った覚えがあります。

2023年2月27日 (月)

2月27日 名曲100選 交響曲篇・76 抒情交響曲

抒情交響曲op.18は、ツェムリンスキーが1922年に作曲した声楽つきの交響曲で、ツェムリンスキーの代表作のひとつです。
編成は3管編成のオーケストラとソプラノ及びバリトンの独唱。
交響曲、カンタータ、オペラといったジャンルがクロスオーバーした作品で、調性、旋法なども複調や無調を使ったり新旧様々な語法が使われています。
7つの楽章からなり、歌詞の元はタゴールの散文詩「園丁」の相聞歌が使われており、男女が恋愛について語り合いながら、すれ違いを続けて意思疎通ができずに終わるように詩を組み替えて作曲されています。
アルバン・ベルクはこの作品に触発されて弦楽四重奏のための抒情組曲を作曲していますが、この曲の第3楽章を引用しています。

2023年2月26日 (日)

2月26日 名曲100選 管弦楽曲篇・75 モーツァルティアーナ

チャイコフスキーは4曲の管弦楽のための組曲を作曲しています。その中で唯一表題を持っているのが組曲第4番「モーツァルティアーナ」ト長調op.61です。
この曲はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」初演100周年を記念して1887年に作曲した4曲からなる作品です。すべての曲がモーツァルトのピアノ曲をそのまま題材にした曲になっていて、チャイコフスキーのモーツァルトに対する畏敬の念が読み取れます、
第1曲 ジグ。小さなジグK.574。ジグはイギリスやアイルランドの民俗舞曲のひとつで8分の6拍子か8分の9拍子の曲。バロック時代にはヨーロッパ各地で流行しジーグとも呼ばれます。この曲は8分の6拍子でヴァイオリンとフルートのユニゾンによってメロディが始まります。
第2曲 メヌエット。K.355(K.575b)を元にした可愛らしい曲です。
第3曲 祈り。原曲はアヴェ・ヴェルム・コルプスK.618とアレグリの「ミゼレーレ」を組み合わせてリストがピアノ用に編曲した「システィナ礼拝堂にて」S.461の中からアヴェ・ヴェルム・コルプスの部分だけを抜き取って使用しています。そのためにモーツァルトの原曲とはかなり異なった曲となっています。モーツァルトの楽曲には無い8小節の前奏から始まります。
第4曲 主題と変奏。原曲は「グルックの『予期せぬ邂逅、またはメッカの巡礼者たち』の主題による10の変奏曲」K.455。全体の半分以上の時間を要する変奏曲です。主題は全奏で力強く演奏され、やがて10個の変奏曲へ向かいます。

2023年2月25日 (土)

2月25日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・75 スマイル

「スマイル」はチャップリンが監督・製作・脚本・主演・作曲をした1936年の映画「モダン・タイムス」のエンディング・テーマ曲です。
チャップリンが初めて肉声を発した映画で、キャバレーでの怪しい外国語の歌「ティティナ」では歌も歌っています。
チャップリン扮する工員は工場の歯車のひとつ。食事も時間節約のため自動給食マシーンの実験台にされたりと次第に精神を病んでいきます。その後様々な出来事があり、出会った浮浪少女(ポーレット・ゴダード)と暮らす中、人間性を取り戻し、諦めず強く生きれば道はきっと開けるという希望を見出します。
当時の資本主義の世界を風刺した映画のため、チャップリンを共産主義者と見なす人たちもいて、やがてレッドバージにあってアメリカを去ることになる要因ともなった作品のひとつです。
「スマイル」はチャップリンが作曲した音楽の中で「ライムライト」と並ぶ名曲として、ナット・キング・コールが歌詞付きで歌った他多くの歌手にカバーされています。

2023年2月24日 (金)

2月24日 名曲100選 室内楽曲篇・75 フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ

ドビュッシーは晩年様々な楽器のための6つのソナタの作曲を計画しました。①チェロとピアノ②フルート、ヴィオラとハープ③ヴァイオリンとピアノ④オーボエ、ホルンとクラヴサン⑤トランペット、クラリネット、バスーンとピアノ⑥コントラバスと各種楽器のためのコンセール形式のソナタです。
癌に侵されながら作曲を続けましたが結局完成したのは③まで。つくづく、コントラバスと各種楽器のソナタを聴きたかったと思うと残念です。
フルート、ヴィオラとハープのためのソナタは1915年に作曲されたものです。
ハープという楽器は非常に歴史が古い楽器ですが、改良が続けられています。20世紀初頭2種類のハープが登場しました。クロマティック・ハープとダブル・アクション式のペダル・ハープです。現在ではクロマティック・ハープは消えてしまい、ペダル・ハープが用いられるようになっていますが、当時はクロマティック・ハープも注目を集めました。クロマティック・ハープは従来のハープが全音階で調律され半音階を出すためにはペダル操作が必要だったのに比して、弦の数を増やして半音階の演奏を容易にしたものです。このクロマティック・ハープの開発社プレイエル社の依頼によってドビュッシーはハープのため曲を作曲しました。ハープ独奏と弦楽合奏のための「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」です。
このように自由度が高くなったハープを使って作曲したのがフルート、ヴィオラとハープのためのソナタです。
この曲は3つの楽章から出来ています。フルートとハープという透明度の高い音色にヴァイオリンではなく敢えて肉厚のヴィオラを絡ませる事で淡白な響きを防いでいます。
第1楽章はパストラーレ、第2楽章は間奏曲、第3楽章は終曲となっています。

2023年2月23日 (木)

2月23日 名曲100選 海外のロック篇・75 ウィ・ウィル・ロック・ユー

ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)は、「伝説のチャンピオン」との両A面でリリースされた、ブライアン・メイ作詞作曲のシングルです。
発売当時は全米52位、日本でも95位とそれ程のヒットにはなりませんでしたが、冒頭のリズムを刻む箇所は、ライブではオーディエンスに足踏みと手拍子を求めることで盛り上がるため、クイーン定番の曲となりました。
レコーディングでも1拍目と2拍目は足で床を踏み鳴らし、3拍目は手拍子、4拍目は休符というリズムパターンを何度もオーバーダビングして、ドラムを使わずにリズムを表現しています。
タイトルのロックは、揺りかごを揺らすなどで使う本来の意味で使われていて、ロック音楽を指すわけではありません。従ってタイトル全体では、俺たちがお前を揺さぶってやる、心を震わせてやるという意味になります。
1コーラス目では「通りで大きな騒音を立てて遊んでる少年」、2コーラス目は「通りで大声を張り上げてる強気な若者」、3コーラス目は「年取った、悲しい爺さん」。それぞれに対して心を震わせてやると声をかける曲になっています。

2023年2月22日 (水)

2月22日 名曲100選 歌劇のアリア篇・75 5月のある日

歌劇「ローレライ」はイタリアの作曲家カタラーニが作曲し1890年に初演された歌劇です。原作はハイネの詩「ローレライ」。
ヴェルディやプッチーニの陰に隠れてしまいましたが、「ラ・ワリー」と「ローレライ」はイタリア・オペラの名作とされています。
39歳で旅先で急死してしまった事もあって、遺された作品は多くありませんが、美しいメロディが特徴でワーグナーに傾倒した作曲です。
恋人に裏切られたローレライがラインの王の花嫁となって復讐を果たしていくというローレライ伝説を元にしたオペラです。
第1幕で歌われるのがアリア「5月のある日」(Nel verde maggio)です。

2023年2月21日 (火)

2月21日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・75 驛舎

「驛舎」は、さだまさしが1981年2月にリリースしたソロ13枚目のシングル。さだまさしはソロデビュー7枚目以降のシングルをアルバムからのシングル・カットという手段を使っていないため、シングルでしか聴くことができない曲です。(ベスト盤、ライブ盤除く)
内容は、都会に出て行ったものの夢破れて故郷に帰ってきた女性を駅で出迎えた幼馴染の男性の目線で歌った曲。
昭和50年代頃までは駅は、その地域の顔でした。それは都会も田舎も同じ。東京でも、いくつかの駅は地方からのターミナル駅としての顔がはっきりしていました。
上野駅は東北・上信越、新宿駅は甲州、東京駅は東海道方面、両国駅は千葉方面。
上野駅は東北・上越新幹線が開通して東京始発になった後も、暫くは北へのターミナルの地位を確保していましたが、上野東京ラインが完成して常磐線、高崎線が東京を経て湘南や熱海まで延伸されるとすっかりターミナル駅の面影が無くなってしまいました。まだ頭端式ホームは残されていますが、発着する本数はラッシュ時間を除けばごく僅かで、昼間は他のホームを横目に閑散としています。
東京駅は今でも各新幹線や中央本線のターミナルなのですが、ターミナル駅の風情は昭和40年代後半には無くなってしまいました。
新宿も中央本線の特急の始発終着駅ですが、普通電車では途中駅。両国駅は、総武快速が横須賀線と直通された後暫く特急などの始発駅として使われていた地上ホームは一部を残して解体されています。

まだ地方都市では駅がその地域の顔となっているところが残っていますが、今は飛行場とかが顔なんでしょうかね。ただ、駅は線の上の点ですが、飛行場は、ただの点なので駅と飛行場は同じような顔にはならないでしょうね。
音楽と逸れた話になっちゃいました。

2023年2月20日 (月)

2月20日 名曲100選 交響曲篇・75 交響曲第5番「運命」

交響曲第5番ハ短調op.67「運命」は1808年に作曲されました。第1楽章冒頭でTuttiで演奏される「運命の動機」はクラシック音楽ファン以外でも誰でも知っているフレーズとなっていますね。
この曲は標題音楽の先駆けとも言われる第6番「田園」と並行して作曲されています。抒情的なものは全て「田園」の方に込めて「運命」では極限まで絶対音楽を追求した作品になっていて、その緻密さは他の追随を許さない曲になっています。
ベートーヴェンは、「運命」で様々な試みを行っています。楽章構成は4つの楽章で急-緩-スケルツォ-急というオーソドックスな構成なのですが、中身は従来の交響曲とはかなり異なるものになっています。その試みの中には次のようなものがあります。
①「運命の動機」は第1楽章を支配していますが、他の楽章にも顔を出します。
   このように1つのメロディまたはリズムがほぼ全曲を通して登場するのはチャイコフスキーの交響曲第5番など多くの曲に影響を与えまし  た。
②第3楽章から第4楽章へは切れ目なく移行します。
   慣例的に休みなしで演奏されたり、作曲家の指示によってattaccaと書かれているものとは異なり、第3楽章の終盤が第4楽章への経過部分になっている曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番やメンデルスゾーンのヴァイリン協奏曲(全楽章繋がってます)、シューマンの交響曲第4番などが見られます。
③第4楽章だけですが、今までの交響曲では使われる事が無かったトロンボーン、ピッコロ、コントラファゴットが使われています。
  並行して作曲した田園にもトロンボーンは出てきますが、第9番では上記3つの楽器が全て登場します。これ以降のロマン派の作品には多くの曲でこれらの楽器が使われるようになっていきます。   
④第4楽章では他の楽章(第3楽章)が回想されます。
  これはベートーヴェンの交響曲第9番ではすべての楽章が回想されるという形で用いられていますし、ベルリオーズの幻想交響曲にも何か所か出てきます。フランクの循環形式にも影響を与えています。

第1楽章は、いきなり「運命の動機」が第1主題として使われます。この楽章は緊張感の極致の楽章で、冒頭では「運命の動機」がこの曲のテーマだ!と見栄を切るような形で、フェルマータを使用して協調されますが、このフェルターマも極力短くするのが最近の傾向。それ以降は優しい曲調の第2主題を含めてテンポを落とすことなく最後まで演奏するのが最近の傾向のようです。唯一、変化するのがオーボエのカデンツァのあたりだけというスタイルです。
第2楽章 変奏曲。ヴィオラとチェロによってゆったりとした主題が演奏されます。変奏は4回。途中高らかに奏でられるクライマックスも用意されています。
第3楽章 変則的なスケルツォ楽章。ハ短調。この曲らしく、中間部も美しさや優美さは完全に排除されています。チェロとコントラバスによって地底から這い上がるようなスケルツォ主題が提示され、その後ホルンによって力強く運命の動機が吹き鳴らされます。トリオもチェロとコントラバスによってハ長調で提示されフガートのスタイルで他の楽器が追いかけてきます。スケルツォ主題が再現されるとすぐにコーダへ。このコーダも初めは不気味な雰囲気で演奏され、やがて長調に転じて音量を増し第4楽章へそのまま繋がります。
第4楽章 今までの抑圧された雰囲気が一変して、ドミソの分散和音から構成された華やかな第1主題が、底抜けの明るさで鳴ります。第2主題は運命の動機から派生したもの。展開部に入ると途中第3楽章が回想されますが、一度切り開いた喜びは絶えることなく再度第4楽章冒頭の輝きを取り戻します。最後は執拗なコーダ。ベートーヴェンの交響曲の中では唯一最後の和音がフェルマータで終わります。

2023年2月19日 (日)

2月19日 名曲100選 管弦楽曲篇・74 呪われた狩人

呪われた狩人FWV44は、セザール・フランクが1882年に作曲した交響詩です。
18世紀ドイツの詩人ビュルガーのバラードに基づくもので、聖なる日に教会のミサにも出席せず、狩りに出かけた伯爵が神の怒りを買って、永劫に呪われ、永遠に狩りを続けなければならなくなるというストーリーです。
冒頭は角笛による狩を表す音型が続きます。続いてミサを表す敬虔な音楽が奏でられますが、それも狩の角笛に搔き消されます。馬は走り出しますがそこに神の怒りが下されます。伯爵へ容赦なく下される神の鉄槌、神の怒りに追いまくられ伯爵は狩を止めることができません。ここの音楽はデュカスの「魔法使いの弟子」に雰囲気が似ていますね。教会の鐘が鳴り響く中、悲劇的な終わりを告げます。
フランクはベルギー出身の音楽家ですがフランスに移住して当時舞台音楽全盛時代だったフランスで、器楽曲の復興を目指してサン=サーンスやフォーレらとフランス国民音楽協会の設立に加わって、多くの作曲家を育てました。彼の弟子はダンディ、ショーソン、ピエルネ、デュパルクなどでフランキストと呼ばれ、印象主義音楽と対抗する勢力になっています。音楽的にはワーグナーの影響が強く出ています。

2023年2月18日 (土)

2月18日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・74 魅惑の宵

「南太平洋」は、1949年初演のブロードウェイミュージカルを1958年に映画化されたものです。
ブロードウェイ版の監督ジョシュア・ローガンがそのまま監督しています。原曲は作詞オスカー・ハマースタイン二世、作曲リチャード・ロジャースの黄金コンビ。

第二次大戦中の南太平洋のニューヘブリディーズ諸島が舞台。海兵隊と共にやってきた従軍看護婦ネリーとフランス人植民者エミール、海兵隊のケーブル中尉と島の娘ライアットの恋を描いた作品。バリハイ、ハッピー・トークなど魅力的な曲が多い中、最も有名な曲が「魅惑の宵(Some Enchanted Evening)」です。
映画音楽の定番として、多くのポップス・オーケストラにも取り上げられています。

2023年2月17日 (金)

2月17日 名曲100選 室内楽曲篇・74 ヴァイオリン・ソナタ第9番(ベートーヴェン)

ベートーーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調op.47は1803年に作曲されています。ヴァイオリニストのロドルフ・クロイツェルに献呈されたため、「クロイツェル」の愛称で呼ばれています。
元々はイギリスのヴァイオリニスト ジョージ・ブリッジタワーがウィーンで演奏会を行うために作曲されたものですが、演奏会に間に合わず、当日は第1楽章と第2楽章は大まかに書かれた手書きの楽譜を元に即興演奏され、第3楽章はヴァイオリン・ソナタ第6番の終楽章を転用して演奏されました。
その後ベートーヴェンとブリッジタワーが不仲になって、献呈者をクロイツェルに変えたそうですが、クロイツェル自身は一度もこの曲を弾くことは無かったという事です。ブリッジタワーと不仲にならなければ、この曲の愛称は「ブリッジタワー」になっていたのでしょうか。そうだとすると、後にこの曲に触発されて執筆されたトルストイの小説「クロイツェル・ソナタ」やヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」の運命も変わっていたと思うと、ちょっとしたことで不仲になったという事が歴史を大きく変えたと痛感します。
曲自体は3つの楽章からなるオーソドックスな曲ですが、それまでのヴァイオリン・ソナタがヴァイオリンの序奏つきのピアノのための曲という位置づけだったのですが、この曲はヴァイオリンとピアノが対等の立場で協奏する曲として作曲されています。
第1楽章は序奏つきのソナタ形式です。主部はプレストのテンポの非常に速い動きの激しい楽章です。
第2楽章は緩徐楽章。主題と4つの変奏曲から出来ています。
第3楽章は8分の6拍子のタランテラになっています。

2023年2月16日 (木)

2月16日 名曲100選 海外のロック篇・74 あなただけを

あなただけを Somebody to Loveは、ジェファーソン・エアプレインが1967年に発売したシングルで全米5位になった曲です。
ジェファーソン・エアプレインはサイケデリック・ロックに分類されるバンドで1965年から1973年まで活動しています。当初はフォーク・ロックバンドでしたが、その中心となったポール・カントナーを中心に、解散後ジェファーソン・スターシップが生まれています。やがて路線の違いからソロ活動を並行するメンバーが増え、解散へと進んでいったようです。
1967年は日本ではちょうどグループサウンズ最盛期を迎える時期で、ブルーコメッツが「ブルー・シャトー」でレコード大賞を受賞した年。この頃の洋楽ロックのヒット曲は、多くのグループがカバーしていたので、私もこの曲を初めて聞いたのは日本のグループ(スパイダーズだったかな)のカバーでした。

2023年2月15日 (水)

2月15日 名曲100選 歌劇のアリア篇・74 婚礼の合唱

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の結婚行進曲と並んで、結婚式で使われるクラシック音楽の定番が、婚礼の合唱「真心こめて先導いたします」です。
この曲は、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」でブラバント公国の公女エルザと白鳥の騎士ローエングリン(実はモンサルヴァート城で聖杯を守る王パルツィヴァルの息子。ローエングリンが第1幕で登場する時に乗ってきた船を曳いてきた白鳥が、魔法使いオルトルートによって白鳥に姿を変えられてしまい行方不明となっていたブラバントの世継ぎゴットフリートだった)の結婚式の場面で歌われる合唱曲です。
実際のオペラでは、第3幕への前奏曲に続いて休みなしで演奏される曲。
最終的にはローエングリンは去り、エルザもゴットフリートの腕の中で息絶えてしまうので、あんまりおめでたい曲では無いのでドイツでは結婚式での使用を禁止している教会もあるようです。

2023年2月14日 (火)

2月14日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・74 眠れぬ夜

オフコースは横浜の聖光学院高校在学中に小田和正、鈴木康博、地主道夫らが結成したフォーク・グループを元にしたグループで1970年にシングル「群衆の中で」でデビューしました。その後メンバーの入れ替わりなどもありましたが1989年まで活動を続けました。
1979年発売の「さよなら」がオリコン2位の大ヒットになるまでは、なかなかヒット曲に恵まれませんでしたが、その間「眠れぬ夜」と「愛を止めないで」「風に吹かれて」がオリコン50位以内にチャートインしました。
「眠れぬ夜」は1975年、アルバム「ワインの匂い」からのシングル・カット曲。
それまで静かな曲が多かったため地味な印象があったオフコースの曲をミディアム・テンポのロック調のアレンジで発売し陽の目を見た曲です。
作詞作曲は小田和正。
別れる彼女へ未練は無いと強気な姿勢を見せようとするが、本当に未練が無いのかわからない。眠れない夜と雨に日には、また愛が蘇ってしまう
という内容の歌です。

2023年2月13日 (月)

2月13日 名曲100選 交響曲篇・74 交響曲第3番(ブラームス)

ブラームスの交響曲第3番ヘ長調op.90は、1883年に作曲されています。ブラームスの交響曲の中ではちょっと特異な存在の曲だと思います。
冒頭は管楽器の3つの和音から始まります。1つ目と3つ目はヘ長調の主和音なのですが、2つ目がFdim7という減七和音を使っています。交響曲第3番は、「ファラ♭ファ」という音がモットーとして使われていますが、それをこのような和音の形で活かすというのはブラームスの天才的なところでしょう。
また、第3番の交響曲は唯一スケルツォ楽章を持ちません。これも他の交響曲と比べて特異なところでしょう。アマチュア・オーケストラの世界ではこの第3番がブラームスの交響曲の中で最も取っつきにくい曲と言われています。基本的には新古典主義と言われるブラームスの音楽なので、全く新しい音楽では無いのですが、でも古典的とも言い難い半端な感じがそう感じさせるのかもしれません。またすべての楽章が静かに幕を閉じるのも特徴のひとつです。
第1楽章は上記のモットーから始まり、第3小節目にいきなり第1主題が始まります。ブラームスは第1番の交響曲だけ第1楽章に長い序奏を使っていますが、第2番は基本動機が序奏として1小節だけ、第4番はいきなり主題から始まるので、まあ珍しいパターンではありません。第2主題はクラリネットによって提示される伸びやかなメロディです。最後は第1主題が消えるように出てきて終わります。
第2楽章は自由な三部形式または自由なソナタ形式の緩徐楽章。ブラームス屈指ののどかな緩徐楽章。第2主題はコラール風の音楽。再現部に第1主題しか出てこないので三部形式と見ることもできるわけです。その場合第2主題は中間部と見られます。
第3楽章は、スケルツォではなくて歌のような楽章です。映画「さよならをもう一度」のテーマ曲として使われ有名になった楽章です。チェロによって歌われる主題は、その後も歌詞をつけて歌われたりしています。平原綾香の「ブラームスの恋」もそうですね。
第4楽章は自由なソナタ形式の曲。第3楽章から打って変わって静かですが厳しいメロディから始まります。やがてコラール風の三連符を多用した合奏から急に激しい音楽に変わります。第2主題はチェロとホルンによって提示される三連符を用いたメロディ。展開部と再現部は区別がつきにくいのですが、第1主題が中心的に使われます。
最後は第1楽章の第1主題が静かに回想され曲を閉じます。が、この最後の部分、楽譜を見ても第1主題のメロディが存在していないように見えます。実は、弦楽器のトレモロで演奏されているんです。下の第1ヴァイオリンの譜面がメロディになって聞こえます。
Brah3

2023年2月12日 (日)

2月12日 名曲100選 管弦楽曲篇・73 ラ・ヴァルス

「ラ・ヴァルス」は、ラヴェルが作曲した舞踏詩です。
ヨハン・シュトラウス二世へのオマージュとして作曲されたものです。
ラヴェルは初版に「渦巻く雲の中からワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がってくる。雲が次第に晴れるとA部において渦巻く群衆で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。1855年ごろのオーストリア宮廷が舞台である」と書いています。
冒頭に低弦のトレモロで渦巻く雲の混沌とした様子が表現され、次第にワルツが顔を出していきます。そしてワルツらしい雰囲気が積み重なっていきますがやがてそのリズムが崩れ出し、テンポは乱れ転調を繰り返し、リズムは破壊されます。冒頭の主題が変形されて再現されたのち、無理矢理終止を迎えます。
演奏時間はわずか12分ほどですが、その間にウィーンの良き時代に全盛期を迎えたワルツの黎明から終焉もあらわした曲になっています。

2023年2月11日 (土)

2月11日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・73 史上最大の作戦マーチ

「史上最大の作戦」(The Longest Day)は1962年に公開された映画です。
第二次世界大戦における連合国のノルマンディー上陸作戦を描いた映画で、オールスター・キャストの豪華な作品でした。
監督はケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートン。
出演者は、ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ、リチャード・バートン、クルト・ユルゲンス、ロバート・ワーグナー、ポール・アンカ、メフ・ファーラー、ロッド・スタイガー、ショーン・コネリー、クルト・ユルゲンスなど。
この作戦の成功は、ナチス・ドイツの第二次大戦敗北に拍車をかける事となりました。
音楽担当は、アラビアのロレンスなどを担当したモーリス・ジャールでしたが、主題歌の史上最大の作戦マーチは、出演者のひとりポール・アンカが撮影中に作詞作曲をしてミッチー・ミラーの楽団と合唱団が演奏した曲で、映画音楽の代表作のひとつともなっています。

2023年2月10日 (金)

2月10日 名曲100選 室内楽曲篇・73 弦楽四重奏曲(エルガー)

エルガーの弦楽四重奏曲ホ短調op.83は、1918年末に完成しました。
エルガーが好んだブラームスの影響を受けた3楽章構成の曲です。
3楽章ということはスケルツォとか舞曲が含まれていない曲で、特にエルガー夫人のキャロラインが第2楽章を好んでいたという事で、彼女の葬儀の時にも演奏された曲です。
第1楽章はAllegro moderatoというやや速めのテンポなのですが、非常に重苦しく感じる楽章です。作曲されたのがちょうど第一次大戦の末期という時代背景だった事も影響しているのかもしれません。
第2楽章は緩徐楽章。エルガーらしい美しいメロディラインを持つのですが、やはり影を感じてしまう曲です。
第3楽章はゆったりとした前奏が次第に高揚していき和音を強打した後、主部に入ります。中間部はゆったりとした曲想も出てきますが基本的には激しい楽章です。

2023年2月 9日 (木)

2月9日 名曲100選 海外のロック篇・73 リッスン・トゥ・ザ・ミュージック

「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」は1970年に結成され、1971年にデビューしたドゥービー・ブラザーズが1972年にリリースした2枚目のシングルで、初の全米100位入り(最高位11位)になりメジャ・バンドとなった曲です。この曲が収録された2枚目のアルバム「トゥールーズ・ストリート」もアルバムチャート21位となって初のチャートインとなりました。
ドゥービー・ブラザーズはカリフォルニア出身のロック・バンドでウェストコースト・ロックを代表するバンドのひとつで1979年には「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」でグラミー賞を受賞しています。
彼らの特徴はロック畑のトム・ジョンストンとフォークの色合いが強いパット・シモンズというタイプの異なる2人のヴォーカル&ギタリスト。この2人の融合がドゥービー・サウンドを醸し出しています。
「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」は、トムのギターのカッティングから始まるアコースティックな雰囲気から始まります。
人々は毎日幸せなニュース、悲しいニュースなど様々なメッセージを受け取るけれど、音楽を聴けば皆笑顔になれる、ダンスをすれば悲しさなんか吹っ飛ぶ・・・という内容の歌です。

2023年2月 8日 (水)

2月8日 名曲100選 歌劇のアリア篇・73 私は町の何でも屋

ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」は、フランスの劇作家ボーマルシェが書いた戯曲フィガロ三部作(セヴィリアの理髪師、フィガロの結婚、罪ある母)の最初の作品をロッシーニが1816年にオペラ化したものです。
アルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの恋を邪魔する後見人バルトロなどを、町の理髪師フィガロが知恵を使って退けるお話。
第1幕でフィガロが登場する場面で自己紹介としてフィガロが歌うカヴァティーナが「私は町の何でも屋」(Largo al factotum)です。
とっても明るい曲で、後半では「フィガロ、フィガロ・・・」と自分の名前を連呼するバリトンの曲です。

2023年2月 7日 (火)

2月7日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・73 愛すること

辛島美登里は大学在学中の1983年に「雨の日」で第26回ヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを獲得しデビューしたシンガー・ソングライターです。
卒業後ヤマハ音楽院で作曲を学ぶなどして1987年に「Midnight shout」でデビュー。1989年「時間旅行」発売で本格的な歌手活動をスタートしました。公式プロフィールでは、この時点がデビューとされています。
1990年11月リリースの「サイレント・イヴ」が大ヒットしてメジャーとなりました。
「愛すること」は1995年リリースされNHKドラマ新銀河「ラスト・ラブ」の主題歌として使われヒットしています。
辛島美登里の曲は、流麗なメロディも評価されていますが、洗練された歌詞に対する評価が非常に高く、「愛すること」では第37回日本レコード大賞の歌詞賞を受賞しています。
愛が生まれた時に、その愛が終わるまでを思い悩み、別れることがあってももう一度めぐり逢いたいという心情を歌った曲です。

 

2023年2月 6日 (月)

2月6日 名曲100選 交響曲篇・73  アルプス交響曲

アルプス交響曲op.64は、リヒャルト・シュトラウスが1915年に完成した単一楽章の交響曲です。
シュトラウスが14歳の時に登山をしたドイツ・アルプスのツークシュプッツェの体験を元に作曲したもので、交響曲という名称が使われていますが形式的には自由な形式の交響詩という感じの音楽です。
編成が大きいため、ステージで演奏される機会は多くはありませんが、自然の描写、嵐の表現などで代表的な音楽として知られています。
編成は基本的には4管編成。特殊楽器も多く使われています。木管ではヘッケルフォーンというバス・オーボエに相当する楽器。金管ではワーグナー・チューバ、打楽器ではウィンドマシーン、サンダーマシーン、カウベル。オルガン、チェレスタも使われています。
構成は22のパートから構成されています。
夜の描写から始まり、日の出と共に登山が始まります。途中森、小川、滝、花咲く草原、牧場、氷河などを見ながら登ります。遠くから雷鳴が聞こえてきますが、頂上に到着。やがて霧が立ち上り、日も陰ってきますが再び雷鳴が聞こえてきます。そして本格的な雷雨と嵐が来ますが、その中を下山、やがて嵐は遠ざかり静かになって日没が訪れます。再び冒頭の夜の音楽が現れ静かに曲を閉じます。
この曲には、夜の動機、山の動機、太陽の動機など数々の動機が使わて、曲としての一体感を保持しています。
特に有名な嵐の場面ではウィンドマシーンやサンダーマシーンが駆使されます。
ウィンドマシーンは円筒状のドラムに布が軽く巻かれたもので、円筒を回転させることで布との摩擦音を起こし風の音を作り出す装置。回転速度を変えることで音の強弱をつけることができます。この楽器を使ったものではアルプス交響曲の他、グローフェのグランド・キャニオンやヴォーン・ウィリアムズの南極交響曲が知られています。

2023年2月 5日 (日)

2月5日 名曲100選 管弦楽曲篇・72 舞踏への勧誘

「舞踏への勧誘」は、1819年にウェーバーが作曲したピアノ独奏のための小品を、ベルリオーズがオーケストレーションした曲です。
元々はウェーバーが妻カロリーネに捧げたもので、男性が女性をダンスに誘う導入部と華やかなワルツ、最後にご挨拶という構成になっています。男性は低音で女性は高音のメロディで表現されています。
この曲を、1841年にパリ・オペラ座でウェーバーの「魔弾の射手」が上演された際、当時フランスではオペラの上演には必ずバレエが入るという慣例があったため、ベルリオーズがこの上演のためにオーケストレーションを施したというのが、管弦楽版誕生の経緯です。
管弦楽版では、冒頭の最後の男女の対話は、男性がチェロのソロ、女性がクラリネット、フルート、ピッコロで演奏されます。主部のワルツは華やかな曲で、ウィンナワルツの原型となったとも言われています。
古今、ピアノ曲を他の作曲家が管弦楽曲に編曲した作品は数多くありますが、この「舞踏への勧誘」とラヴェルが編曲したムソルグスキーの「展覧会の絵」は原曲を越える傑作の双璧でしょう。

2023年2月 4日 (土)

2月4日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・72 メリーゴーランド

イタリア映画「メリーゴーランド」は1974年公開の父と子の悲しい魂の触れ合いを描いた映画です。
幼くして母を亡くした少年ルカは父親ロベルトが仕事に追われ自分を顧みず寂しい思いをしていました。ロベルトは、恋人のベロニカに引き合わせるためにルカをサルディニアに連れてきて休暇を楽しみましたが、それから数か月後ルカは重度の白血病を発症してしまいました。ロベルトは自分がルカを顧みなかった事で病気の発見が遅れてしまったという後悔の念に襲われ、ある日ルカが乗りたがるメリーゴーランドのある遊園地へ向かいました。真夜中の遊園地で宿直の男に切願してメリーゴーランドを動かしてもらい、ロベルトはルカを抱きしめてメリーゴーランドに乗ります。その中で「パパ、僕たちはもう会えないんだね」という言葉を残してルカは動かなくなりました。哀しみを乗せてメリーゴーランドは廻り続けます。
この映画、現題は(L'ultima neve di primavera、英語ではThe last snow of springtime=春の残雪)ですが、日本で公開するにあたって「メリーゴーランド」というタイトルを付けられています。「春の残雪」ではちょっとラヴストーリーっぽい印象になってしまいますが、メリーゴーランドというタイトルにしたので、ネタバレっぽくはありますが、子供が中心となる映画だと判りやすいタイトルにしたのでしょうか。
音楽はフランコ・ミカリッツィが担当した、美しくも悲しい曲です。

2023年2月 3日 (金)

2月3日 名曲100選 室内楽曲篇・72 ヴァイオリンソナタ第1番(アイヴズ)

アイヴズのヴァイオリン・ソナタは1908年に完成した急ー緩ー急の3楽章からなる曲です。
アイヴズの音楽は、難解な和音と民謡や讃美歌などの引用が特徴的ですが、このヴァイオリンソナタ第1番もいきなり不協和音の連続から始まります。
第1楽章は序奏つきの曲ですが、主部に入ってしばらくすると民謡からの引用が始まります。が全体的には内省的な曲です。
第2楽章は冒頭から民謡調の美しいメロディが登場しますが、決してメロディに依存せず大胆な不協和音の展開に持っていっています。
第3楽章は讃美歌などのメロディを借用しながら、同様に予測不能な展開をしていきます。ヴァイオリン・ソナタですがピアノが目立つ楽章です。最後は静かに幕を下ろします。

2023年2月 2日 (木)

2月2日 名曲100選 海外のロック篇・72 オー・マイ・ラヴ

「オー・マイ・ラヴ」は、1971年に発売されたジョン・レノンの2枚目のソロ・アルバム「イマジン」に収録された曲です。
作曲はジョン・レノンとオノ・ヨーコの共作で、作詞はオノ・ヨーコ。1968年に流産した子供に向けて書いた詞です。
歌詞も曲もとてもピュアな愛の歌で、透明度の高い曲です。
シングル化はされませんでしたが、日本では、「ラヴ」に続いてアメリカのコーラス・トリオ レターメンがシングル化しヒットしました。

2023年2月 1日 (水)

2月1日 名曲100選 歌劇のアリア篇・72 エリザベートの祈り「全能のマリアよ」

「エリザベートの祈り」は、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」の第3幕でタンホイザーの許婚エリザベートによって歌われるソプラノのアリアです。
官能の愛の世界から一度は脱出したタンホイザーでしたが、ヴァルトブルク城の歌合戦で他の騎士たちが女性に対する奉仕的な愛を歌うのに対し、タンホイザーは自由な愛を主張しヴェーヌスを讃える歌を歌ってしまいます。タンホイザーは領主によって追放され、ローマ教皇の赦しを得るために巡礼に加わります。
月日がたち、戻ってきた巡礼の団体の中にタンホイザーがいない事を知ったエリザベートが、マリアに自らの死をもってタンホイザーを赦してほしい、と願って歌うのがエリザベートの祈りです。このエリザベートの祈りを聞いたタンホイザーの親友ヴォルフラムがエリザベートを説得しようとして失敗し、エリザベートが去った後歌うのが有名な「夕星の歌」です。
結局、タンホイザーは教皇に赦されず破門されぼろぼろになってヴェヌスブルクに戻ろうとしてさまよっていましたが、そこへエリザベートの葬列が現れ、タンホイザーは我に帰り、エリザベートが命と引き換えに神に赦しを乞うた事をヴォルフラムから聞き、エリザベートの亡骸に寄り添って息を引き取ります。ちょうとそこへローマから特赦が下りた知らせが届いて幕となります。

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