2月1日 名曲100選 歌劇のアリア篇・72 エリザベートの祈り「全能のマリアよ」
「エリザベートの祈り」は、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」の第3幕でタンホイザーの許婚エリザベートによって歌われるソプラノのアリアです。
官能の愛の世界から一度は脱出したタンホイザーでしたが、ヴァルトブルク城の歌合戦で他の騎士たちが女性に対する奉仕的な愛を歌うのに対し、タンホイザーは自由な愛を主張しヴェーヌスを讃える歌を歌ってしまいます。タンホイザーは領主によって追放され、ローマ教皇の赦しを得るために巡礼に加わります。
月日がたち、戻ってきた巡礼の団体の中にタンホイザーがいない事を知ったエリザベートが、マリアに自らの死をもってタンホイザーを赦してほしい、と願って歌うのがエリザベートの祈りです。このエリザベートの祈りを聞いたタンホイザーの親友ヴォルフラムがエリザベートを説得しようとして失敗し、エリザベートが去った後歌うのが有名な「夕星の歌」です。
結局、タンホイザーは教皇に赦されず破門されぼろぼろになってヴェヌスブルクに戻ろうとしてさまよっていましたが、そこへエリザベートの葬列が現れ、タンホイザーは我に帰り、エリザベートが命と引き換えに神に赦しを乞うた事をヴォルフラムから聞き、エリザベートの亡骸に寄り添って息を引き取ります。ちょうとそこへローマから特赦が下りた知らせが届いて幕となります。
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