12月9日 名曲100選 室内楽曲篇・64 弦楽四重奏曲「皇帝」
ハイドンの弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」op.76-3,HobⅢ-77は1797年に作曲されました。
「皇帝」という副題は第2楽章が「オーストリア国家及び皇帝を讃える歌」の変奏曲である事に由来した副題です。
ハイドンは、エステルハージ家の楽団の楽長を約30年間務めましたが、当主の死去により解雇されイギリスに旅立ちました。イギリス滞在中にイギリス人たちがイギリス国歌を口ずさんで国歌への忠誠心を深く抱いている様子を見て感銘を受け、当時ナポレオンのフランス軍の侵略に脅かされていた祖国の存続とオーストリア人としての誇りを取り戻させるために「オーストリア国歌」制定を提唱して作ったのが「オーストリア国家及び皇帝を讃える歌」です。
このメロディは歌詞を変えながらも、オーストリア帝国、オーストリア=ハンガリー帝国の国歌として使用され、後にドイツ3月革命のシンボルとなってドイツ帝国崩壊後のヴァイマル共和国時代に正式に国歌として採用されるようになりました。第二次大戦後はドイツ連邦共和国では3番のみ公式なものとし、ドイツ民主共和国を統合した際に、正式に3番のみ公式とすることが確定されました。
弦楽四重奏曲第77番では、第2楽章に4つの変奏曲の主題として採用されました。
第1楽章はGEFDCという音で始まりますが、これはGott erhalte Franz den Kaise(神は皇帝フランツを救います)の頭文字を取ったものです。
第2楽章は皇帝の主題による4つの変奏曲になっています。主題は第1ヴァイオリンがメロディを担当し、第1変奏は第2ヴァイオリン、第2変奏はチェロ、第3変奏はヴィオラ、第4変奏は第1ヴァイオリンが主題を担当します。
第3楽章はメヌエット
第4楽章はこれまでの楽章が長調で明るい曲調だったのですが、同主調のハ短調で始まります。最後はハ長調になって閉じられます。
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