12月25日 名曲100選 管弦楽曲篇・66 リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲
イタリアで20世紀前半に活躍した作曲家レスピーギは、自身が勤務していたセンタ・チェチーリア音楽院で研究していた古い時代の楽譜から「リュートのための古風な舞曲とアリア」を作曲しました。16世紀から17世紀にかけて作曲されたリュート曲を基にした組曲で、第1、第2組曲は管弦楽編成、第3組曲だけ弦楽合奏または弦楽四重奏による編成になっています。
第3組曲は4つの曲から出来ています。
第1曲 イタリアーナ 原曲の作者は不明で16世紀頃の作品です。流れるようなメロディで始まる美しい曲です。この曲ではコントラバスはおまけみたいなもの。完全に低音の補完になっています。
第2曲 宮廷のアリア ジャン=バティスト・ペサールが作曲したリュートと歌による曲の中から6曲を選んで作曲した曲。1曲目は「お前に恋することは悲しい」という物悲しい雰囲気の曲。2曲目は明るく軽やかな曲で「さようなら、羊飼いの女よ、永遠に」。3曲目はテンポが上がって「はっきりとみつめる愛らしい眼」という短い曲。4曲目は壮麗な響きによる「彼方には愛の小舟がある」。5曲目はピツィカートによる速いテンポの「いかなる神がわが魂を揺り動かすのか」というこれも短い曲。6曲目はまたテンポが上がって舞曲風の「もしお前が私に言い寄るのが私に憶えのないことならば」。最後に1曲目が戻ってきて終わります。
第3曲 シチリアーナ TVCMなどに使用された最も有名な曲です。原曲は作者不詳の「スパニョレッタ」という曲。キレゾッティという人が編集したリュート曲集の中にある「シチリアーナ」という曲を、レスピーギが使ったために「シチリアーナ」という題名になったようです。シチリアーナはルネッサンス末期からバロック時代にかけて流行した8分の6拍子か8分の12拍子の舞曲。たゆとう曲想と付点のリズムが特徴で、通常は短音階。
第4曲 パッサカリア 17世紀後半のイタリアのリュート奏者を基にした曲。情熱的で劇的な曲。シャコンヌから始まりますが、テンポの変化が激しく、重音(1つの楽器で複数の弦を同時に鳴らす)が多いのが特徴。リュートの音を模した事がはっきりわかる曲です。
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