11月28日 名曲100選 交響曲篇・63 交響曲第1番(カリンニコフ)
カリンニコフは19世紀末のロシアの作曲家です。チャイコフスキーとラフマニノフの中間世代でこの2人とも大きく関わりあった作曲家ですが、モスクワ楽派、ペテルブルク楽派のどちらかに与することなくその両方の良いとこ取りの作風の作曲家でした。結核を患い、わずか34歳で亡くなってしまい、残した大作は多くはありません。
その中で人気が高いのが交響曲第1番ト短調です。
オーソドックスな4楽章の交響曲になっています。
第1楽章 ソナタ形式。弦楽合奏によって少し寂しげな第1楽章が提示されて始まります。第2主題は歌のような親しみやすい旋律です。
第2楽章 三部形式の緩徐楽章。ハープが伴奏として使われる抒情的な楽章です。
第3楽章 スケルツォ。オーソドックスなスケルツォ楽章ですが、ロシア的な雰囲気が漂うスケルツォになっています。
第4楽章 第1楽章や第2楽章の主題も登場する集大成となる楽章。冒頭から第1楽章の主題が再現されその後ロンド主題が熱狂的に奏でられます。その合間に第1楽章の第2主題や第2楽章の主題が再現されて行きます。コーダは怒涛のように激しくなだれ込んで行きテンポを落としてクライマックスを築き、そのまま堂々とした終結になっていきます。
アマチュアの世界では、10年ほど前に非常に流行した曲です。今はあまり演奏されないようですが。
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